台湾映画「4枚目の似顔絵(第四張畫)」台北記者会見
10月22日より開催の東京国際映画祭で上映される台湾映画「4枚目の似顔絵(第四張畫)」の台湾での記者会見が、10月7日に台北最大のシネコンで行われました。
会見の前にはマスコミ向けの試写会があり、終演後に鍾孟宏(チョン・モンホン)監督をはじめ、主演の少年畢曉海(ビー・シャオハイ)、戴立忍(ダイ・リーレン)、關穎(テリー・クァン)、金士傑(ジン・シージエ)、梁赫群(ビンセント・リャン)が出席しました。
この作品は、台北電影節で最優秀長編劇映画、最優秀主演男優、観客賞を受賞し、来月行われる台湾金馬奨には作品賞、監督賞、新人賞ほか7部門ノミネートされています。
記者会見ではこの「金馬」を制するようにとの祈りを込めて、主人公の担任教師役の關穎(テリー・クァン)が教鞭ならぬ馬の鞭を、警察官役の梁赫群(ビンセント・リャン)が、乗馬用のブーツを監督にプレゼントしました。
鍾孟宏(チョン・モンホン)監督は、「ノミネート発表の時は撮影中のスコットランドで電話を受けたのですが、その時本当に2匹の馬がいました。突然の大雨でどうしようかと思っていた時に、この吉報が届いたのです。」と、縁浅からぬエピソードを語り、「この映画を、ぜひ小中学校の先生に見てもらいたい。可愛い子供達がいったい何を考えているのか、様々な角度からあらためて見て欲しい。」と静かに訴えていました。
それぞれの挨拶やセレモニーがひと通り終わる頃、突然主役の畢曉海(ビー・シャオハイ)くんが気分悪そうに引っ込んでしまいました。それにつられてみんなが心配そうに退場、この後は出演者のフォトセッションなので、司会者があわてて「では、關穎(テリー・クァン)から呼びましょう」と取り繕ったところ、一人のカメラマンから「いや、子供の具合が心配、しばらく待ってるから。」という優しい声がかかり、しばし中断。
少ししたら畢曉海(ビー・シャオハイ)くんはパパに連れられて外へ出て行き、監督もその後を追って行きました。
そうして再開した会見は關穎(テリー・クァン)から始まる個別のフォトセッション、続いて電波メディアの囲みインタビューとなりました。
私も端の方からマイクを差し出すと、なんと、戴立忍(ダイ・リーレン)が持ってくれたのです。台湾ではこうした合同主催の時に各メディアのマイクを出演者が持ってくれるのが恒例となっていますが、私はいつも自分で持っていたので、戴立忍(ダイ・リーレン)の手がマイクをつかんだ時にはちょっとびっくりしてしまいました。
そして、いつの間にかすっかり元気を取り戻した畢曉海(ビー・シャオハイ)くんが私の横にいて、私が持つICレコーダーを興味深そうに眺めているではないですか。気づいた戴立忍(ダイ・リーレン)が彼を真ん中に入れると色々な質問が飛びます。劇中で継父役の戴立忍(ダイ・リーレン)がかなり怖いのですが、「撮影中は、本当に怖かった」と語る畢曉海(ビー・シャオハイ)くんに、戴立忍(ダイ・リーレン)は苦笑いしていました。
今回の質疑応答は、何事もゆるい台湾では珍しく、この作品以外の質問が出た時に広報担当からストップがかかったのです。これまたびっくり!
どれも戴立忍(ダイ・リーレン)に対してですが「監督としての次回作は」とか桂綸鎂(グイ・ルンメイ)とは・・・」など。(^o^) 普段なら趣旨と関係ない質問がバンバン飛び、それをうまくかわそうとするバトルが面白いと言えば面白い台湾で、この広報担当の仕切りはお見事でした。
この「4枚目の似顔絵(第四張畫)」は、10月22日の公開直前に正式なプレミアがあり、その後鍾孟宏(チョン・モンホン)監督は東京国際映画祭に出席の為来日します。上映は10月25日と27日、すでに前売り券は完売していますが、当日券が若干枚出るそうですから、公式サイトをチェックして下さい。
台湾の配給会社からのリリースによると、現在開催中の釜山映画祭でも大好評で、上映後のQ&Aでは鍾孟宏(チョン・モンホン)監督と助演の納豆と観客の熱いセッションが行われたそうです。
忙しく飛び回る鍾孟宏(チョン・モンホン)監督に、先月台北でロングインタビューを行いました。この音声は、10月18日から3週にわたってPodcastで送信します。ぜひお聞き下さい。
★インタビュー時の記事
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2010/09/post-5170.html
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