第12回東京フィルメックス ラインナップ発表!
9月15日、「第12回東京フィルメックス」のラインナップ発表記者会見が行なわれ、オープニングはキム・ギドク監督の「アリラン」、クロージングはフィルメックスと言えばこの人、杜琪峰(ジョニー・トー)監督の「奪命金」です。
この日発表されたのは、コンペティション参加作品と特別招待作品のほか、特集の【ニコラス・レイ生誕百年記念上映】「ビバ!ナデリ」アミール・ナデリ監督特集上映など。
※【限定!川島パラダイス♪】と【相米慎二のすべて -1980-2001全作品上映-】についてはすでに発表済み。
★9/16、コンペティションに『グッドバイ』が追加されました。
以下、東京フィルメックスのリリースより。
【コンペティション】
『フライング・フィッシュ』
スリランカ/2011/124分/監督:サンジーワ・プシュパク マーラ (Sanjeewa PUSHPAKUMARA)
スリランカの新鋭サンジーワ・プシュパクマーラの監督デビュー作。民族対立による内戦の時代、 暴力の恐怖にさらされた東部スリランカの村を舞台に3つの物語が展開し、戦争が人々に残す傷跡 を描き出す。目を見張る鮮烈な映像美と驚愕のラストが見る者を圧倒する。
『オールド・ドッグ』
中国 / 2011 / 88分 / 監督:ペマツェダン
都市開発が進むチベット。富裕層に高く売れる種類の犬を飼っている老人は、犬を売ろうとする息 子に反発し、いったん売られた犬を強引に連れ戻す......。頑固な老人とその犬を描きつつ、チベッ トの現状を表現した作品。チベット人監督ペマツェダンの監督第 3 作。
『ミスター・ツリー』
中国 / 2011 / 88分 / 監督:ハン・ジェ
ジャ・ジャンクーの助監督をつとめ、『ワイルドサイドを歩け』でデビューしたハン・ジェの待望 の監督第 2 作。重い過去を背負いつつ、開発の進む地方都市に暮らす青年を人気俳優ワン・バオチ ァンが演じる。上海映画祭で審査員特別賞、監督賞など 3 つの賞を受賞。
『独り者の山』
中国 / 2011 / 100分 / 監督:ユー・グァンイー
『サバイバル・ソング』のユー・グァンイーが三たび黒龍江省に生きる人々の生活をとらえたドキ ュメンタリー。主人公は雪で覆われた山に暮らす 40 代の男。独身を貫く男は、宿屋で働く女性に 恋愛感情を抱いている。だが、その女性は男の好意に応えようとしない......。
『ムサン日記~白い犬』
韓国 / 2010 / 127分 / 監督:パク・ジョンボム
ロッテルダム、プサンなど数々の国際映画祭で賞に輝く注目の作品。北朝鮮から韓国にやって来た 青年が直面する厳しい現実、その痛みと孤独を描く。イ・チャンドンの助監督をつとめ、本作が初 の長編監督作となるパク・ジョンボムが自ら脱北者の主人公を演じている。
『豊山犬』
韓国 / 2011 / 121分 / 監督:チョン・ジェホン
キム・ギドクの助監督をつとめたチョン・ジェホンの監督第 2 作。主人公は南北朝鮮の国境を行き 来し、密輸品などを運ぶ謎の男。男は韓国に住む元北朝鮮高官の愛人を脱北させる密命を受ける... ...。『執行者』のユン・ゲサンがこれまでのイメージを覆す主人公を熱演。
『カウントダウン』
韓国 / 2011 / 120分 / 監督:ホ・ジョンホ
肝臓がんを宣告された債権取立屋と美貌の女詐欺師が繰り広げる駆け引きをテンポ良く描いたア クション・コメディ。韓国映画界きっての演技派、チョン・ジェヨンとチョン・ドヨンの共演が話 題を呼んでいる。監督はこの作品がデビュー作となる注目の新鋭ホ・ジョンホ。
『東京プレイボーイクラブ』
日本 / 2011 / 96分 / 監督:奥田庸介
『青春墓場~明日と一緒に歩くのだ~』が高い評価を受けた奥田庸介の商業映画デビュー作。東京 郊外の錆びれたラウンジに流れてきた男が巻き込まれるトラブルの顛末をコミカルかつバイオレ ントに描く。大森南朋、光石研、臼田あさ美の演技のアンサンブルが素晴しい。
『無人地帯』
日本、フランス / 2011 / 100分(予定) / 監督:藤原敏史
『映画は生きものの記録である~土本典昭の仕事』を監督した藤原敏史が原発事故後の福島で撮影 を行ったドキュメンタリー。住民が避難し無人地帯となった田園の、それでも美しい春の風景と、 周辺地域に住み続ける人々、そしてまもなく避難させられ無人地帯となる飯館村の人々との出会い から福島の現状が浮彫りになる。
『グッドバイ』※9/16追加
Good Bye / イラン / 2011 / 100分 /
監督:モハマド・ラスーロフ (Mohammad RASOULOF)
海外に出国しようとするものの様々な困難に直面する女性弁護士を主人公に、
テヘランの現在を描いた作品。監督は昨年3月、ジャファール・パナヒととも
に一時拘束された映画作家モハマド・ラスーロフ。
本年のカンヌ映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞。
【特別招待作品】
<オープニング作品>
『アリラン』
韓国 / 2011 / 100分 / 監督、出演:キム・ギドク
この 3 年間、韓国映画界と一切の接触を絶っていたキム・ギドクが沈黙を破って発表した傑作。山 の中の一軒家で隠遁生活を送る自分自身の姿をカメラにおさめ、これまで秘めていた様々な思いを 赤裸々に語るセルフドキュメンタリー。カンヌ映画祭「ある視点」最優秀作品賞。
<クロージング作品>
『奪命金』
香港、中国 / 2011 / 107分 / 監督:ジョニー・トー
女性銀行員、街のチンピラ、刑事。ありふれた生活を送っていた 3 人の人生が一つの大金強奪事件 をきっかけに急変し、予期せぬ展開を迎える......。巨匠ジョニー・トーが金融危機の時代に贈る傑 作群像劇。ラウ・チンワン、リッチー・レン、デニス・ホーの競演も見事。
『ニーチェの馬』
ハンガリー、フランス、スイス、ドイツ / 2011 / 146分 / 監督:タル・ベーラ
ベルリン映画祭で銀熊賞(審査員特別賞)を受賞したタル・ベーラ待望の最新作にして最後の作品。
ニーチェの逸話を題材に、荒野の一軒家で暮らす男、その娘、そして一頭の老いた馬が辿る運命を 描く。驚異的に美しいモノクロ映像の撮影を担当したのは自らも監督として活躍するフレッド・ケ レメン。
『これは映画ではない』
イラン / 2011 / 75分 / 監督:ジャファール・パナヒ、モジタバ・ ミルタマスブ
イラン政府により映画製作等の活動を禁止されたジャファール・パナヒ(『オフサイド・ガールズ』) が自宅で過ごすひと時をとらえた作品。ドキュメンタリーでありながら、微妙に演出の介在も感じ させる点が興味深い。カンヌ映画祭で上映され、大きな反響を呼んだ。
『モンスターズクラブ』
日本 / 2011 / 72分 / 監督:豊田利晃
現代社会を捨て、雪山の小屋で自給自足の生活をしながら、企業やテレビ局に爆弾を送り続ける男。 ある日、奇妙な怪物と森で遭遇する...。『青い春』『蘇りの血』の豊田利晃監督の最新作。閉塞した 現代社会に生きる人々へ贈る、精神のサバイバルと、人間性の回復の物語。
『CUT』
日本 / 2011 / 132分 / 監督:アミール・ナデリ
イラン映画界の巨匠アミール・ナデリが名作映画へのオマージュを込めて全編日本ロケで撮影した 作品。兄の借金を返すため、殴られ屋となる映画監督を演じる西島秀俊の渾身の演技が素晴しい。 ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門のオープニングを飾り、絶賛を浴びた。
『RIVER』
日本 / 2011 / 89分 / 監督:廣木隆一
秋葉原の街を一人歩く少女。この街で起こった事件で恋人を亡くして以来、彼女にとって現実世界 は実体を失っていた。やがて少女は地下道で暮らす若者と出会う......。心に傷を負ったヒロインの 再生を繊細に描いた作品。風景を見事に切り取った撮影も素晴らしい。
【ニコラス・レイ生誕百年記念上映】
『ウィ・キャント・ゴー・ホーム・アゲイン』
アメリカ / 1973-2011年 / 93分 / 監督:ニコラス・レイ
『あまり期待するな』
アメリカ / 2011年 / 70分 / 監督:スーザン・レイ
【限定!川島パラダイス♪】
『とんかつ大将』 *英語字幕付きニュープリント
1952 / 94分 / 出演:佐野周二、美山悦子、津島惠子
『昨日と明日の間』 *英語字幕付きニュープリント
1954 / 120分 / 出演:鶴田浩二、月丘夢路、淡島千景
『愛のお荷物』 *英語字幕付きニュープリント
1955 / 111分 / 出演:山村聰、三橋達也、北原三枝
『洲崎パラダイス 赤信号』 *英語字幕付きニュープリント
1956 / 81分 /出演:新珠三千代、三橋達也、轟夕起子
【特別上映:木下惠介】
『お嬢さん乾杯』 *英語字幕付きニュープリント
1949 / 89分 / 出演:佐野周二、原節子、佐田啓二
【相米慎二のすべて -1980-2001全作品上映-】
『翔んだカップル』
1980 / 121分 / 出演:鶴見辰吾、薬師丸ひろ子、尾美としのり
『セーラー服と機関銃』
1981 / 112分 / 出演:薬師丸ひろ子、渡瀬恒彦、風祭ゆき
『ションベン・ライダー』
1983 / 118分 / 出演:藤竜也、河合美智子、永瀬正敏
『魚影の群れ』 *英語字幕プリント
1983 / 140分 / 出演:緒形拳、夏目雅子、佐藤浩市
『台風クラブ』
1985 / 115分 / 出演:工藤夕貴、三上祐一、三浦友和
『ラブホテル』 【R-18】
1985 / 88分 / 出演:速水典子、寺田農、志水季里子
『雪の断章 -情熱-』
1985 / 100分 / 出演:斉藤由貴、榎木孝明、世良公則
『光る女』
1987 / 118分 / 出演:武藤敬司、秋吉満ちる、安田成美
『東京上空いらっしゃいませ』
1990 / 109分 / 出演:中井貴一、牧瀬里穂、笑福亭鶴瓶
『お引越し』 *英語字幕プリント
1993 / 118分 / 出演:中井貴一、桜田淳子、田畑智子
『夏の庭 The Friends』 *英語字幕プリント
1994 / 113分 / 出演:三国連太郎、坂田直樹、戸田菜穂
『あ、春』 *英語字幕プリント
1998 / 100分 / 出演:佐藤浩市、山崎努、斉藤由貴
『風花』
2001 / 116分 / 出演:小泉今日子、浅野忠信、麻生久美子、柄本明
※毎回上映終了後にトークイベントを予定しています。(敬称略・すべて予定)
11/20(日)『台風クラブ』:三浦友和
11/22(火)『ションベン・ライダー』:永瀬正敏
11/22(火)『ラブホテル』:寺田農
11/23(祝)『あ、春』:山崎努
11/24(木)『光る女』:武藤敬司、三枝成彰
11/25(金)『東京上空いらっしゃいませ』:笑福亭鶴瓶
* 9/15時点での情報です。
* この他にも追加予定あり。詳細は後日発表します。
●第12回東京フィルメックス●
11 月 19 日(土)~11 月 27 日(日) 有楽町朝日ホール、東劇、TOHOシネマズ日劇、TOHOシネマズ有楽座にて
詳しくは、公式サイトをご覧下さい。
http://www.filmex.net
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