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2013/12/10

『危険な関係』ホ・ジノ監督インタビュー

1210hojino1これまで何度も映画化されてきたフランスの作家ピエール・ショデルロ・ド・ラクロの『危険な関係』を、章子怡(チャン・ツィイー)、チャン・ドンゴン、張柏芝(セシリア・チャン)という顔合わせで韓国のホ・ジノ監督がメガホンを取り製作されました。
1月10日の公開を前にホ・ジノ監督がプロモーションで来日しましたので、インタビューして来ました。

原作は18世紀後半のフランス貴族の社交界を舞台に、プレイボーイの子爵と策略家の侯爵夫人が貞淑な人妻を恋愛ゲームに巻き込んでいく模様を書簡形式で綴った文芸小説で、これまで、スティーヴン・フリアーズ監督の『危険な関係』(88)をはじめ、ミロス・フォアマン監督の『恋の掟』(89)、舞台を現代のパリに移したロジェ・ヴァディム監督の『危険な関係』(59)、現代アメリカのティーンの物語に仕立てた『クルーエル・インテンションズ』(99)、李朝末期の朝鮮を舞台にペ・ヨンジュン主演で映画化された『スキャンダル』(2003)など、数々の名作・話題作が生まれています。

1210hojino2今回は魔都と呼ばれた1930年代の上海を舞台に移し中国映画として製作されましたが、監督としてオファーされたホ・ジノ監督は、外国映画であること、何度も映画化されている作品であること、そしてこれまでと違い大作であることなど、やはり熟考の末引き受けたようです。
初の海外での仕事で、どんな準備をしていったのか聞いたところ「韓国の食材を持って行きました。食べることは体力・知力のエネルギーの素ですから」と。なるほど。

1210kiken1厳しい検閲制度の中国で、この題材を撮るにあたって色々とジレンマもあったのでは…という質問には、「章子怡が演じたフェンユーは夫がいるという設定で脚本が書かれていたのですが、それはまずいということで未亡人にして脚本を書き換えました。夫は国家に貢献する仕事をしているので、その妻が不倫するのは困る、ということでした。なるほど、中国にはこういう制限があるのだと、実感しました」という答えでした。
もちろん、激しいベッドシーンなどもってのほかでしょうが、そこは監督の手腕で、官能の世界は十分に伝わって来ます。

1210kiken2また、今回は貞淑な未亡人を章子怡、社交界の中でも抜きん出た存在感を持つ奔放な女性に張柏芝という配役ですが、逆パターンもありではないかと聞いてみたところ、実際最初はその予定だったそうですが、脚本を読んだ章子怡が希望したのが今回の役だったそうです。そして、やはりご本人達も「逆だったら…」という話題は雑談でも常に出ていたということでした。

1210kiken3意外なキャラクターと言えば、これまで誠実、正義、というイメージを通してきたチャン・ドンゴンが、超プレイボーイにトライしています。監督は、中国映画への出演経験もあり、真面目な良い俳優である彼にこの役を任せたそうですが、チャン・ドンゴン自身も初めての"ワル"に楽しんで挑戦したようで、彼の演技には大満足だったと語っていました。

『八月のクリスマス』や『春の日は過ぎゆく』の作風のように、穏やかで暖かいお人柄のホ・ジノ監督、本当に素敵でした。次回作は間もなく詳細が発表されるようで、楽しみです。
このインタビューは、1月6日からPodcast配信します。ぜひお聞き下さい。

『危険な関係』
1月10日より、TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー!
監督:ホ・ジノ
製作総指揮:チェン・ウェイミン
脚本:ゲリン・ヤン
出演:章子怡(チャン・ツィイー)、チャン・ドンゴン、張柏芝(セシリア・チャン)
配給:キノフィルムズ
公式サイト:www.kikennakankei.jp

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