Podcast 東京フィルメックス『ベヒモス(原題:悲兮魔獸)』趙亮(チャオ・リャン)監督Q&A
趙亮監督は前作『北京陳情村の人々』が第10回東京フィルメックスで上映されており、一貫して中国の社会問題を記録した映画を次々と撮っています。当然ながらこういった作品はインディペンデントなので中国国内で公開される機会はなく、海外の映画祭などで上映されるものがほとんどです。
そして海外で評価され本作はフランスの資本が入っており、監督のDVD作品集もフランスで発売されています。
Q&Aでは、最初に司会の林加奈子ディレクターが、広大な風景の中で裸で横たわる人物について質問しました。「この作品はプロデューサーからすすめられたダンテの『神曲』を読み、それが影響しています。あの裸の人物はダンテを表しています」と答えました。この『神曲』は内モンゴルの各地を神曲の3つの世界(天国、煉獄、地獄)になぞらえてそれぞれ青、グレー、赤の色彩で表現されているそうです。
また、観客から当局の圧力について聞かれると「映画を撮るということは画家が絵を描くように、僕も個人的な創作の一環として取り組んでいます。ですから、どこに申請するとかは必要ないのです。映像芸術として撮影しただけです。従って当局からの圧力はありません。ただ、炭坑で撮っているので、それは撮らせてもらえるように色々工夫しました」ということです。
前作『北京陳情村の人々』と手法が全く異なるという点については「前の作品のような、伝統的なドキュメンタリーの手法は使わないことにしようと決めました。言葉に頼るのではなく、ビジュアルが語るような作品にしたかった。そして、より豊かな想像の空間を観客に提供したかったのです。僕は常に新しい可能性を探り、別のスタイルにチャレンジし、新しい芸術の表現を切り拓いていきたいと思います」と、果敢なチャレンジ精神を語りました。
趙亮監督プロフィル
1971年遼寧省丹東生まれ。ドキュメンタリー映画監督。
1982年魯迅美術大学卒業後、1993〜1994年北京電影学院にて学ぶ。1994年以降、北京在住。
インタビュー音声はこちら。
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