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2016/03/27

大阪アジアン映画祭『私たちが飛べる日』黃修平(アダム・ウォン)監督、陳心遙(サヴィル・チャン)&テディ・ロビンプロデューサー、游學修(ネオ・ヤウ)Q&Aとインタビュー

0327nayitian1大阪アジアン映画祭の《HONG KONG NIGHT》上映作品『私たちが飛べる日(原題:哪一天我們會飛)』で来日した黃修平(アダム・ウォン)監督、陳心遙(サヴィル・チャン)&テディ・ロビンプロデューサー、游學修(ネオ・ヤウ)がQ&Aに登壇しました。しかしその前に行われた《HONG KONG NIGHT》のセレモニーが押しに押した為、司会者から「5分しか時間がありません」と言われたものの、これまた延びて15分くらいになりました。

0327nayitian2観客から今まで香港になかったジャンルの映画なのは香港映画を変えてやろうというものなのかという質問に、黃修平監督は「僕が一番撮りたいものは、あまのじゃくかも知れませんが、いわゆる香港映画の主流のものではありません。香港映画はこうあるべきだという考えを推し進めたいと思っています」と答えました。
今と昔の香港の違いをどうとらえているかについては「今の方が良いとは言えないが、昔の方が良いと思ってももう戻れないのだから、今を生きていくことに大事にしたい。そして世界のために何か自分の力を出していきたいと思っています」ということでした。

また、脚本と原案の陳心遙(サヴィル・チャン)プロデューサーは本作は体験談なのかどうか聞かれ、「フィクションです。まず僕は男子校でしたから。でも、昔の香港と今の香港を重ね合わせてストーリーを作りました。主演の3人には、どれも自分を投影しています」と答えていました

0327nayitian3テディ・ロビンプロデューサーは「今回二人と始めて仕事をしたが、どちらも才能あるクリエイターだ。そして初めての大スクリーンなのになかなか良い演技をした3人の新人を起用した監督を評価したい。監督はこの映画で力を出し切ったと思うし、私自身もこの映画にプロデューサーとして参加できたことはうれしい」と述べ、キャストの游學修は「今回来られなかった2人の分も含めてお礼を言いたいです。いま香港では香港映画をあまり見ないという残念な状況ですが、日本でこんなに香港映画を好きだと言ってくれる方がいることはとてもうれしいです」と語りました。

0327nayitian4そして、監督はこの翌日に帰国してしまったので、陳心遙とテディ・ロビンの二人のプロデューサーにインタビューしました。
名刺を渡して質問に入ったのですが、陳心遙が「アジアンパラダイス?あ、金像奨のノミネート記事で、僕の名前の字が間違っているよ」と言われビックリ。スマホで記事を表示され、穴があったら入りたいくらいでした。「すみません、このインタビューが終わったらすぐに直します」と謝りましたが、「いつも香港映画の事を書いてくれてありがとう」と言われ、恐縮至極…。いつも見ていて下さっているのだから気をつけねば…と心を引き締めました。

そしてインタビューを開始。今回も『狂舞派』に続いて黃修平(アダム・ウォン)監督とのコンビですが、また一緒に映画を作ろうということになった経緯からお聞きしました。
「これは『狂舞派』の前から一緒に考えていた作品で、色々なストーリーを考えた中でこれが良いということで具体化しました。ストーリーを考えるときに何の制限もありませんから、こういうものを作りたいと思って自然に出てきました。何故一緒にやるかというのは、二人で作ればパワーが増すから」

0327nayitian6また、若い俳優が不足している香港で、今回の主役3人蘇麗珊(セシリア・スー)、游學修、吳肇軒(ン・シウヒン)はどのように見つけたのか聞いてみました。
「香港では若くて才能がある俳優はたくさんいるのに、なかなかチャンスがない。だからFacebookで公開募集した。いま香港市場はだんだん小さくなり、大陸の作品がどんどん入って来ている。大陸の大バジェットの作品はスター中心になる。小さな作品でもやはり大陸の作品では大陸の俳優が使われる。だから僕は香港の若くて才能のある俳優達をなんとかしないといけないと思い、チャンスが行き渡るようにオーディションをして100人以上の候補の中からこの3人を選びました。残念ながら主役に選ばれなかった子たちには、同級生の役で出てもらっています」と陳心遙が語ってくれました。

0327nayitian7そして陳心遙は、日本は蒼井優や安藤サクラ、黒木華、満島ひかり、二階堂ふみといった若くて演技の巧い俳優が活躍しているが、香港ではなかなかチャンスがない。ご自身も30過ぎているのに若手に入ってしまう現実を嘆いていました。
しかし、若手起用は「香港映画界全体に必要なことだし、それをやっていくのは僕たちの使命だと思う」と力強く言っていました。

このインタビューは、後日Podcast配信します。お楽しみに!

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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