台湾映画の新しい潮流を感じよう!〜上映会&トークショー第2回『藍色夏恋』に熱い拍手!
『藍色夏恋』は、2002年9月28日に台湾で公開、東京国際映画祭での上映後2003年7月26日に日本で一般公開になりました。東京国際映画祭では易知言(イー・ツーイエン)監督が新人だった桂綸鎂(グイ・ルンメイ)と陳柏霖(チェン・ボーリン)を伴って来日しましたが、あれからもうこんなに時が経ったということが信じられません。
みずみずしい新人ふたり、高校生の淡い恋愛というだけでなく、もがきながら自分のアイデンティティを確立させ、届かない思いを自分の中で昇華させることで成長していく主人公を生き生きと描いた本作は15年の時を経ても色あせることなく、感動を呼びました。
エンドロールが終わるとお客様から熱い拍手をいただき、まるで映画祭のようでとてもうれしく思いました。
トークショーでは、3月のイベントでお話ししたように台湾国産映画が勢いを盛り返したのは2008年の『海角七号』ですが、実は台湾映画人たちの努力はもっと前から始まり、商業的要素を含んだ新しい映画を模索する中で『藍色夏恋』はその大きな布石だったと言えるでしょう…という事からお話ししました。
そして、この映画の主役を演じた桂綸鎂と陳柏霖ら新人をどのように発掘したのか…。今もなお新人探しの定番になっている"台北の渋谷"的な若者の街西門でスカウトし、その中には張孝全(チャン・シャオチュアン)もいました。張孝全はこの時は起用されませんでしたが、2014年の『行動代號:孫中山(邦題:コードネームは孫中山)』でゲスト出演しています。
易知言監督は新人を発掘するだけでなく育てることにも力を注ぎ、この後、張書豪(チャン・シューハオ)、黄河(ホアン・ハー)ら第二世代、そして第三世代の詹懷雲(ジャン・ファイユン)、魏漢鼎(ウェイ・ハンディン)たちを育成しています。
彼らは監督の事務所がマネジメントをしていますが、ここでは定期的に監督が講義を行い、時間があればすでに巣立った桂綸鎂と陳柏霖も受講に来るそうです。
易知言監督の最新作である『行動代號:孫中山』は、2015年の大阪アジアン映画祭でグランプリと観客賞を獲得し、『コードネームは孫中山』の邦題で今年秋にシネマート新宿/心斎橋ほかにて公開が決まっています。
そして、サプライズの陳柏霖からのムービーメッセージを流しました。
これには「わっ!」という声もあがり、皆さんにとても喜んでいただけたようで、終了後のアンケートでもお礼の言葉を沢山いただきました。
メッセージは以下の通りです。
「皆さんこんにちは、チェン・ボーリンです。
『藍色大門』は僕が初めて演技をした映画です。あれから15年経ちました。
僕にとって1本目の映画ですから、とても意義深いです。
あの頃は何が何だか全然解らなかったから、仕事というより合宿に参加している感じでした。
あの頃の思い出は僕にとって仕事というより青春時代の成長のような感覚でした
とても重大な意味を持ち、僕を映画界に導いてくれた大切な作品でもあります。
あれから15年くらい経ったけど、初めて桂綸鎂と易智言監督と東京国際映画祭に参加してQAをやったことを覚えてます。あれからもうこんなに時が過ぎたのは信じられません。
あの時の感動は忘れません。
今回また日本で上映の機会があり、もう一度この作品を見て味わっていただけたらうれしいです。
みんな気に入ってくれるといいな。楽しんで下さい。」
その後は、『藍色大門』から始まる新時代の台湾青春映画の系譜について、『僕の恋、彼の秘密(原題:十七歳的天空)』(2004年)、『花蓮の夏(原題:盛夏光年)』(2006年)、『言えない秘密(原題:不能説的秘密)』(2007年)、『九月に降る風(原題:九降風)』(2008年)、『モンガに散る(原題:艋舺)』(2010年)、『台北の朝、僕は恋をする(原題:一頁台北)』(2010年)、『台北カフェストーリー(原題:第36個故事)』(2010年)、『あの頃、君を追いかけた(原題:那些年,我們一起追的女孩)』(2011年)、『BF*GF(原題:女朋友、男朋友)』(2012年)、『等一個人咖啡』(2014年)、『我的少女時代』(2015年)、『若葉のころ(原題:五月一號)』(2015年)などの代表作をご紹介しました。
『若葉のころ(原題:五月一號)』は5月28日からシネマート新宿・シネマート心斎橋ほか全国順次公開になりますので、配給会社のご協力により予告編も見ていただきました。
今回は、この配給会社からご提供いただいた『若葉のころ』のプレスシート(非売品)、しかも主役の程予希(ルゥルゥ・チェン)とふたりのイケメン新人石知田(シー・チーティエン)&鄭暐達(チェン・ウェイダー)のサイン入りというレアグッズや、金馬奇幻影展のパンフレット、そして台湾映画のフライヤーセットが当たる抽選会を実施。フライヤーセットには陳柏霖の出演映画もあり、見事当選したファンの方は大喜びでした。
最後に、今回の『藍色大門』の上映にあたり快諾をして下さった台湾の権利元である吉光電影、新字幕制作に多大なご協力をいただいた易知言監督、字幕制作のアテネフランセ、そして字幕・翻訳の樋口裕子さんに、心から感謝します。
そして、素敵なムービーメッセージを送ってくれた陳柏霖と事務所(台湾&日本)の皆さま、ありがとうございました!
★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。
| 固定リンク
« 台湾ドラマ『我的鬼基友』が『元カレはユーレイ様 !?』の邦題で5月19日から日本初放送決定! | トップページ | Podcast 大阪アジアン映画祭、台湾映画『The Kids(仮)』于瑋珊(サニー・ユイ)監督インタビュー »
コメント