韓国映画『マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白』6月公開決定!
十年前、家族のため一年間だけの出稼ぎのはずが騙され、中国の貧しい農村に嫁として売り飛ばされた、北朝鮮女性B(ベー)。最初は憎んでいた中国の夫と義父母との生活を受け入れ、そこで生き抜くために脱北ブローカーとなります。
しかし北朝鮮に残してきた息子たちの将来を案じた彼女は、彼らを脱北させ、自らも韓国へと渡る過酷な道を選ぶ―。
この名もなき北朝鮮女性Bの生き様を記録したのは、フランスと韓国を拠点に映画製作し、これまでに5本の中短編映画がカンヌ国際映画祭に出品され、今最も注目される新鋭ユン・ジェホ。大胆で鋭く、ときに美しい映像で、中国と北朝鮮そして韓国に引き裂かれるBの分断の人生を、韓国人である監督自身のアイデンティティへの疑問と闘いながら記録しました。
そして、今回解禁となった予告編では、「運命に打ちひしがれても、貪欲に生きて闘い続ける姿に声を失う」と仏ル・モンド紙が評するとおり、北朝鮮から中国の農村に売られた自分の境遇を淡々と語るマダム・ベーの姿が印象的です。
さらに北朝鮮から韓国へ脱北させた息子たちと生活するために、中国からラオス、タイを経て韓国へと渡るマダム・ベーほか北朝鮮女性の脱北道中に密着した映像は緊張感に溢れ、衝撃とともに観るものの心を深く揺さぶります。
数奇な運命にも対峙し、幸せを求め貪欲に生きようとする彼女の生き様をぜひ劇場で確かめていただきたいと思います。
ユン・ジェホ (Jero YUN)
1980年、韓国・釜山生まれ。13歳から絵画を学び、2001年に渡仏、ナンシーのエコール・デ・ボザール、パリのアール・デコ、ル・フレノワで、美術、写真、映画を学ぶ。2008年「The Fall」から始まり、「赤い道」(2010)、「約束」(2011)、「豚」(2013)、「ヒッチハイク」(2016)、5本の短編がカンヌ国際映画祭に出品。2011年「約束」が韓国アシアナ国際短編映画祭で大賞を受賞。2012年に中編「北朝鮮人を探して」がメキシコ、シネマプレンタにて審査員スペシャルメンション賞を受賞。2016年カンヌに出品された本作はこれまで25の映画祭に招待された。
現在は韓国とフランスを拠点に長編劇映画の制作に取り掛かっている。
『マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白』
■監督:ユン・ジェホ
■撮影:ユン・ジェホ、タワン・アルン
■プロデューサー:ギョーム・デ・ラ・ブライユ、チャ・ジェクン
■音楽:マシュー・レグノー
■編集:ナディア・ベン・ラキド、ポーリーン・カサリス、ソフィ・プロー、ジャン=マリー・ランジェル
■配給:33 BLOCKS ≪2016年/韓国・フランス/72分/DCP/ドキュメンタリー≫
■公式サイト: www.mrsb-movie.com
(C)Zorba Production, Su:m
6月10日からシアター・イメージフォーラムにて全国順次公開
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