衝撃のドキュメンタリー映画『苦い銭』公開記念ミニトーク開催!
いまシアター・イメージフォーラムで公開中の映画『苦い銭』は、世界的なドキュメンタリー監督王兵(ワン・ビン)が2016年ヴェネチア国際映画祭で発表し、オリゾンティ部門脚本賞とヒューマンライツ賞をダブル受賞したドキュメンタリーです。
ドキュメンタリーであるにも関わらず群像劇のような見応え、こんな会話や表情が、なぜ撮れる?と常に観客を驚かせ、カメラの存在を消す天才監督と言われる王兵監督の真骨頂といえる作品です。
この公開を記念して、2月10日から17日まで3回上映後のミニトークが行われます。
・2月10日(土)13:30の回
武井みゆき(『苦い銭』配給) <映画についてワン・ビン監督に聞いた>
『鉄西区』『鳳鳴~中国の記憶』『無言歌』『三姉妹』『収容病棟』(製作出資も)とワン・ビン作品を配給。
今年1月、ワン・ビンにインタビューしたばかり。
・2月11日(日)13:30の回
山田 泰司(ノンフィクションライター) <ニュースでは見えない中国の農民工>
映画にも登場する「農民工」を10年以上に渡って取材し、昨年「3億人の中国農民工 食いつめものブルース」を
日経BP社より刊行。大手紙の書評にも取り上げられて話題になっている。
・2月17日(土)13:30の回
村上賢司(映画監督)<ワン・ビンのドキュメンタリーはここが面白い>
『森達也 の「ドキュメンタリーは嘘をつく」』や『エロスの行方・消えゆく“秘宝館 ”』の演出でも知られ、
ドキュメンタリーとフィクションを並行して製作している。
カメラが捉えた出稼ぎ労働者が住民の80%を占める街・湖州で働く人々。14億が生きる巨大中国の片隅で、1元の金に一喜一憂する彼ら。そのひとりひとりの人生が胸に迫り、ある意味、“彼ら”は世界のいたるところに存在する“私たち”なのだと気づかせてくれる衝撃の映像体験とこのトークで、ぜひ王兵の世界と“中国のいま”を感じて下さい。
■著名人のコメント
紋切型の「社会問題」として扱われがちな題材の向こうに、いつだってしょーもなく奥深い、人間なるものの業を映し出す。
宇多丸(ラッパー・ラジオパーソナリティー)※「週刊文春 エンタ!」星取りより
名匠・王兵監督の中国同胞=民衆へ注ぐ眼差しは、ますます優しく、慈愛に満ちて、表現方法は厳しさを増す。私には、王兵監督が仏に仕える修行僧のように思えてきた。
原一男(映画監督)
この映画はニュースを見るより為になる。
中国の「普通の」息づかいが見えてくる。
プチ鹿島(時事芸人)
生きることを擦り減らして金を得る。どこに行っても、それが甘さに変わることはないのだろう。
紗倉まな(AV女優・作家)
急速な国の変貌は当然その狭間に落ちる人間もいる。苦い銭は明日の日本かもしれない。
石川浩司(ミュージシャン)
憧れ、怒り、妬み、諦め、、、苦い毒を隠している事が分かっていても銭から発する甘い匂いに翻弄されていく彼らを観ていると次第に、生き物として「どうだ、これが生きているという事なのだ!」と逆に見せつけられている感覚になっていく。我々は、どうか?
川瀬陽太(俳優)
なぜ酔っぱらいが女の子に絡むセリフがこんなにもスリリングで、たんなるボタン縫いの単純作業からどうしても目を離せないのか。ワン・ビンは映画の魔術を知っている。
柳下毅一郎(映画評論家)
夫婦喧嘩の緊迫感や先がない男たちの哀愁にすっかり魅せられてしまった。
山崎まどか(コラムニスト・翻訳家)※「週刊文春 エンタ!」星取りより
なぜこれほどにワンピンの被写体は無防備なのか。赤裸々なのか。隠さないのか。本作は今の中国に生きる様々な人たちが様々な日常で織りなすタペストリーだ。
森達也(作家・映画監督・明治大学特任教授)
真夜中の歩道や高層住宅のテラスや薄ぐらい廊下などに、
孤独な男女が黙って立ちつくしている。
彼らや彼女らは、その後、饒舌すぎるほど自分を主張し始める。
それがこの映画の荒々しくも繊細な魅力にほかならない。
蓮實重彦(映画評論家)
■王兵監督プロフィール
『鉄西区』『無言歌』『三姉妹〜雲南の子』『収容病棟』と数々の傑作を発表し、山形国際ドキュメンタリー映画祭、ナント三大陸映画祭、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門などで最高賞に輝く。美術の分野でも高く評価され、ポンピドゥー・センター(パリ)では1カ月以上にわたる回顧展が開催され、今年はドイツのドクメンタ14にも招聘される。11月に開催された東京フィルメックスではロカルノ国際映画祭グランプリの最新作『ファンさん』が特別招待作として上映された。
『苦い銭』
シアター・イメージフォーラムにて公開中、以降全国順次公開。
監督:ワン・ビン
撮影:前田佳孝、リュウ・シャンホイ、シャン・シャオホイ、ソン・ヤン、ワン・ビン
編集:ドミニク・オーヴレイ、ワン・ビン
英語題:Bitter Money|中国語題:苦銭|2016年|フランス・香港合作|163分|DCP 5.1 | 16:9 |カラー|中国語|
字幕:樋口裕子
配給:ムヴィオラ
公式HP http://www.moviola.jp/nigai-zeni/
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