アジアンパラダイス

1979年の台北を舞台に、西門町と台北駅の間、中華路と呼ばれる幹線道路に沿って壁のように立ち並ぶ「中華商場」の歩道橋で子供たちに不思議なマジックを披露する魔術師をめぐるこの連作短篇集を読んだ楊雅喆監督は、すぐに映画化したいと思ったそうですが、その時すでに権利を獲得していたところがあるということで、一度は諦めたというところからお話しが始まりました。
「去年の旧正月前に権利を獲得していた公共電視が製作会社とスタッフの公募を始めたので、私ははプロデューサーとすぐにエントリーして、2018年7月に決定しました」

脚本は監督自身と新しい発想に期待して若手の脚本家3人が手がけ、大きな改稿は3回あったそうです。
そして、原作にはないエピソードも加えていったとか。
舞台となる「中華商場」は、全7棟のうち1棟を作り、外観も内部もここで撮影するそうです。
「文化部が推進する歴史建築の3D模型化プロジェクトの下で再現した模型を活用したり、技術もだいぶ進歩していますからあとはCGを駆使する予定です」

ドラマ化にあたって一番こだわった事について、この様に語っていました。
「原作者の伝えたいことと、自分が伝えたいことの融合です。そして、戒厳令前と戒厳令後の不自由から自由になったという違いを描くことが重要だと思っています。今の人は、かつてどうやって我々が自由を勝ち獲ってきたかを忘れている。当時の子供は豊かではなかったけれど、自分の未来を想像する力に長けていた。そういうところを表現していきたい」

自由を勝ち獲ってきた台湾の歴史は監督の『GF*BF（原題：女朋友、男朋友）』にも色濃く描かれていましたが、監督の一貫した思いをお聞きして本作への期待はますます膨らみました。
気になるキャストについては「魔術師は皆さんがアッと驚くようなキャスティングをしました。今は、メインの少年達をオーディションも含めて探しているところです」ということです。
おそらく11月のクランクインの頃には詳細が発表されるのではないかと思います。

ドラマ『天橋上的魔術師（歩道橋の魔術師）』は、2021年の旧正月の後に放送予定だそうです。
続報をお楽しみに！

今回の楊雅喆（ヤン・ヤージャ）監督の『天橋上的魔術師（歩道橋の魔術師）』についてのインタビューは、8月5日からPodcast配信します。
監督の本作への思い、製作に向けての意気込みなどぜひお聞きになって下さい。

『天橋上的魔術師（歩道橋の魔術師）』に関するこれまでの記事

『歩道橋の魔術師（原題：天橋上的魔術師）』台湾でドラマ化に向けて写真・動画の募集を開始！
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2018/04/post-8c79.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。