台北電影節 國際新導演競賽(新人監督コンペ)観客賞受賞作『大餓』ワールドプレミア!
主演の蔡嘉茵は「初めての映画出演でいきなり主役、とってもラッキーです」と言っていましたが、撮影中は食事でコントロールしながら体重を増やしたり減らしたり、かなりたいへんだったそうです。特に7月の暑い時期の撮影だったため、途中で目眩をおこしたり、緊張のあまり胃が痛くなったりしたこともあったということです。
監督はたくさんのぽっちゃり女性を取材し、最初の脚本は主人公が社会の価値観に抗うところが強く暗いイメージだったのですが、何度も話し合って書き直し、主役に明るい性格の蔡嘉茵が決まったことで、社会的なテーマにユーモアを加えた作品に変わっていったそうです。
主役の蔡嘉茵は本当に素晴らしく、彼女なくしてこの映画の成功はなかったかも知れないと思えるほどの存在感と演技です。
自分らしく生きるのが一番というポリシーが揺らぐとき、そしてそれを支えるものを失ったとき、さににそこから再生する姿に胸を打たれ勇気をもらえます。
またひとつ新しい台湾映画を生み出した新人監督謝沛如と、新星蔡嘉茵の今後がとても楽しみです。
◆ ストーリー
ぽっちゃりしていて何が悪い!社会の価値観で決めつけなくてもいいじゃないか、私は私なのだから、という主人公は、母親が運営する学童クラブのシェフ。子ども達から「恐竜ねえさん」とからかわれても軽くやり返し、おいしい料理でを楽しませていた。
その中に女装に憧れる男の子がいて、彼の本質に触れると“人目を気にせず自分らしくあれ”と優しく後押しもしていた。
しかし欠かさぬトレーニングで見事なスタイルを保ち続ける母親は、娘になんとかダイエットさせようと、勝手にトレーニング・ジムを予約してしまう。言う通りにすれば、料理のレシピを全て任せると言われた主人公は仕方なくジムに通うことに。
そんなある日、イケメンの宅配便の配達員と親しくなり、彼も実は以前肥満型だったがトレーニングにより普通の体型になったと聞き、嫌々ながらのジム通いが一転して積極的になる。
ところが努力の甲斐もなくいっこうに減らない体重に、トレーナーから胃を小さくする手術を薦められる…。
『大餓』
監督:謝沛如(シエ・ペイルー)
出演:蔡嘉茵(ツァイ・ジャーイン)、張耀仁(チャン・ヤオレン)、柯淑勤(クー・シュウチン)、謝祖武(シエ・ズーウー)
★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。
| 固定リンク
« 台北電影節 クロージングは中国映画『地久天長』、王小帥(ワン・シャオシュアイ)監督登壇! | トップページ | 2019 台北電影獎 最高賞の百萬元大賞は短編映画『去年火車經過的時候』! 『老大人』が長編劇映画賞、主演男優賞、助演女優賞、撮影賞の四冠! »
コメント