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2019/10/15

台湾映画『陽光普照(ひとつの太陽)』記者会見 in 台北

1015sun1 今年の金馬奨で11部門にノミネートされている台湾の鍾孟宏(チョン・モンホン)監督作品『陽光普照(ひとつの太陽)の記者会見が、10月14日に台北で行われました。
本作はこれまでのクールな鍾孟宏作品と違い、一転して家族を描いた心暖まるヒューマンストーリーです。
会見には鍾孟宏監督、プロデューサーの葉如芬(イエ・ルーフェン)、キャストの柯淑勤(クー・シュージン)、陳以文(チェン・イーウェン)、巫建和(ウー・ジエンハー)、劉冠廷(リウ・グァンティン)、許光漢(シュー・グアンハン)、尹馨(イン・シン)、吳岱凌(ウー・ダイリン)が出席しました。

1015sun2 本作は、平凡な家庭が犯罪に関わった息子の収監により崩壊していく、という内容ですが、会見では撮影時に台風が来襲した時のエピソードで盛り上がりました。
9キロの山道を登ったという柯淑勤は「監督は最初五合目くらいで良いと言っていたのですが、結局山頂まで登りました」と言い、陳以文は「我々は3時間もかけて下山したんだが、途中に野生の牛がいて、とても恐かった」と付け加えました。
撮影隊は30キロくらいの機材を担いで休まず一気に登ったそうで、もし途中で休んだら二度と登る気力が起きないだろうというのが理由だったということです。

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巫建和と劉冠廷は台風の夜に6時間もバイクで走るシーンを撮影しましたが、使われたのは10数秒だと巫建和が苦笑。劉冠廷も「僕は2018年8月1日を永遠に忘れません」と語りました。
俳優達に厳しいミッションを課した監督について、許光漢は「パパみたい」と言い、尹馨は「凶暴な詩人」と評しました。

また、金馬奨のノミネートについて柯淑勤は「自由にやらせてもらえて感謝しています。実は、先入観を持たないようにこれまでの監督の作品を見ないようにしました」と言うと、監督が「僕も彼女の作品は見ていないよ」と笑って返していました。
しかし、脚本を書いている時にすでに彼女をイメージしていたという監督は、柯淑勤はとてもプロフェッショナルな俳優だと絶賛。

1015sun4 監督は以前「この世界で唯一公平なものは太陽の光だ。ただ、燃えるように熱い太陽を受け入れることは容易ではない。全ての人々がその陰に隠れていることを知るだろう」と話しており、感動的な家族の物語に隠された人々の複雑な心情を描いているそうです。
本作は台湾で11月1日から公開になりますが、それに先がけ先日の釜山国際映画祭やトロント国際映画祭に参加、今月開催される東京国際映画祭でも上映されます。
マニアックな視点では、鍾孟宏監督独特のブラックユーモアもあるのか、権利元からもらった資料に常連の戴立忍(ダイ・リーレン)の名前がないのですが、カメオで出るのかということが気になるのと、林生祥(リン・シェンシャン)の音楽が楽しみです。
東京国際映画祭の上映日は10月28日と31日、まだチケットは買えるので、ぜひご覧になっていただきたいと思います。
☆東京国際映画祭の紹介ページ:https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32WFC08

0814sun 『陽光普照(ひとつの太陽)』
監督:鍾孟宏(チョン・モンホン)
音楽:林生祥(リン・シェンシャン)
出演:柯淑勤(クー・シュージン)、陳以文(チェン・イーウェン)、巫建和(ウー・ジエンハー)、劉冠廷(リウ・グァンティン)、温貞菱(ウェン・チェンリン)、許光漢(シュー・グアンハン)、尹馨(イン・シン)、吳岱凌(ウー・ダイリン)

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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