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2019/10/09

台湾のテレビアワード 2019電視金鐘獎〜審査員と気になる俳優・トピック

1009gba1 金鐘獎の結果が出て一喜一憂の盛り上がりも一段落しましたが、台湾ではかならず「惜しかった人」という切り口の記事が掲載されます。すでにお伝えしたように、授賞式終了後の審査員の講評の時、必ず誰が次点だったのかという質問に答えて最終選考の経緯が明かされます。討論を重ねて結果を出す審査員達も、さぞたいへんだったでしょう。
2019金鐘獎レポートの最終章は、審査員と気になる俳優・トピックをお伝えします。

1009gba2 金鐘獎の審査員はプロデューサーや監督、俳優はじめ各製作のプロ、評論家ほか業界関連の人が委嘱され、今年は総勢56人。今年は、日本でも知られている名前を挙げると、プロデューサーの柴智屏(アンジー・チャイ)、監督は瞿友寧(チュウ・ヨウニン)、鄭文堂(チェン・ウェンタン)、侯季然(ホウ・チーラン)他。俳優では林心如(ルビー・リン)、鄭人碩(チェン・レンシュオ)、黃河(ホアン・ハー)などがその任に就いています。
賞の数が多いため部門ごとにわかれ審査にあたりますが、ノミネートされている作品に関わっている人は、ちゃんと違う部門の担当になっています。
レッドカーペットでは、全員ではないですが審査員団として揃ってウォーキングしました。

1009gba3 さて、今回のノミネート者やプレゼンターの中で気になった俳優について、お伝えしたいと思います。
まず、とにかく驚かされたのは、吳慷仁(ウー・カンレン)。レッドカーペットのトリだったのですが、体重を落として頬はこけスキンヘッドにガン黒+ヒゲ。
誰じゃ、これ?
新作の役の為だそうですが、司会者に聞かれても「まだ言えないけど、もうすぐわかるよ」と笑いながら答えていました。
台湾の報道では「國父のよう」という表現をされていましたが、果たして孫文なのか…。ネット上では亀仙人とかちびまる子ちゃんのおじいちゃん、台湾の有名な歯磨きのキャラクターなど色々取り沙汰されています。(笑)
授賞式では謝盈萱(シエ・インシュアン)と長編ドラマ の主演男優賞と助演男優賞のプレゼンターをつとめ、ミニドラマ(テレビ映画) 監督賞受賞の陳慧翎(チェン・フイリン)監督から乞われて壇上にあがったりもしていました。
金鐘獎、台北電影奨ほか数々の受賞を果たしている吳慷仁、台湾のデニーロとなって金馬奨に臨んで欲しいと思います。

1009gba4 その吳慷仁(ウー・カンレン)とプレゼンターをつとめた謝盈萱(シエ・インシュアン)は、昨年『先誰愛上他的(先に愛した人)』で主演女優賞を総ナメにしましたが、今年は『魂困西門(Green Door=Netflixで配信中)』でミニドラマ・テレビ映画の主演女優賞にノミネートされていました。
惜しくも賞は逃しましたが、プレゼンターの時に司会の黄子佼(ミッキー・ホアン)に言われて『魂困西門(Green Door)』で演じた台湾語で乱暴な口調の男とキャリアウーマンの二重人格者を再現しながらのパフォーマンスで、場内を沸かせてくれました。
彼女にしかできないこの技、「神演技」と新聞各紙で讃えられています。

1009gba5 金鐘奨史上初の日本人男優のノミネートで話題になった蔭山征彥は、客家テレビの『日據時代的十種生存法則』という日本統治時代の人間模様を描いた作品で台湾人に寄り添う日本人警察官を演じました。
台湾の客家テレビは世界で唯一の客家語専門テレビ局で、ニュースもドラマも全て客家語。優れたドラマを数々制作して、金鐘奨での受賞も多いのです。今回は作品賞をはじめ6部門でノミネートされましたが、受賞には到りませんでした。
蔭山征彦も他の台湾人俳優と同じく客家語の台詞にかなり苦労したようですが、その努力の結果が今回のノミネートにも反映されたのではないでしょうか。
出演作『バオバオ フツウの家族』はただいま公開中、11月2日からは脚本を担当した『あなたを、想う。』が公開、ぜひ劇場へ!

1009gba6 そして、ここからノミネートされた若手俳優の中から3人をご紹介したいと思います。
まずは、同じ『我們與惡的距離(悪との距離)』の助演男優賞で、溫昇豪(ウェン・シェンハオと最後まで競った林哲熹(リン・ジャーシー)。今回は『我們與惡的距離(悪との距離)』でノミネートでしたが、ミニドラマ作品賞を獲得した『奇蹟的女兒』にも出ています。
俳優デビューからまだ2年ですが、映画はほとんど主演、ドラマもメインキャストというすごい新人です。2017年の『自畫像』では、鄭人碩(チェン・レンシュオ)を向こうに回しての主役。2018年の『狂徒』は吳慷仁とダブル主役で、台湾のトップ俳優と渡り合うというのは驚きです。
これからがますます楽しみな逸材と言えるでしょう。

1009gba7 ミニドラマ・テレビ映画部門の助演女優賞にノミニーの連俞函(リエン・ユーハン)は、対象作が先述の『奇蹟的女兒』でした。
舞台からスタートし、2010年頃からインディペンデント映画に出演していましたが、2015年の歴史ドラマ『一把青』に抜擢され一躍話題になり、2016年の金鐘獎で新人賞を受賞しています。
その後アイドルドラマのヒロインも経験し、クリエイターから“使ってみたい女優”と注目を集めています。

1009gba9 いま台湾でメガヒット中の映画『返校』に主演している王淨(ワン・ジン)は、『你的孩子不是你的孩子-茉莉的最後一天(子供はあなたの所有物じゃない-モリーの最後の日)』でミニドラマ・テレビ映画 助演女優賞にノミネートされました。
王淨は小説家としてデビューし、その後演技の道へ進んだ変わり種ですが、次々と話題作に出演して話題を呼びました。映画もドラマもほぼ主役というのは、林哲熹と同じです。
映画『鬥魚』やドラマ『愛情白皮書(あすなろ白書)』といったリメイク作品で独自のヒロイン像を作り上げていることも、“ただ者ではない”感を感じます。
来月行われる金馬奨で主演女優賞にノミネートされているので、結果が楽しみです。

2019/10/07
台湾のテレビアワード 2019電視金鐘獎〜ミニドラマ・テレビ映画部門『你的孩子不是你的孩子-貓的孩子(子供はあなたの所有物じゃない-ネコの子)』を中心に
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2019/10/post-af336c.html

2019/10/06
台湾のテレビアワード 2019電視金鐘獎〜長編(連続)ドラマ部門『我們與惡的距離(悪との距離)』を中心に&『我們與惡的距離(悪との距離)』釜山国際映画祭のマーケットで脚本賞獲得!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2019/10/post-924b66.html

2019/10/06
台湾のテレビアワード 2019電視金鐘獎『我們與惡的距離(悪との距離)』圧勝!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2019/10/post-d315ee.html

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