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2019/11/22

金馬影展 クロージングのマレーシア映画『夕霧花園』記者会見&Q&A

1122ximu1 金馬影展のクロージングフィルムとして、21日にマレーシア映画『夕霧花園』の記者会見と上映後のQ&Aが行われ、林書宇(トム・リン)監督と主役の李心潔(リー・シンジエ)が登壇しました。
本作はマレーシアの作家 陳團英(チェン・ドゥアンイン)の小説を台湾の林書宇監督が招かれて映画化。マレーシアを舞台に、1950年と1980年の2つの時間軸で第二次世界大戦の終盤から戦後にかけてのマレーシア女性と日本の庭師の禁断の愛を描いた物語で、李心潔と阿部寛がこれを演じています。
明日発表の金馬奨では、作品、監督、主演女優、脚色、撮影、美術、編集、オリジナル音楽の9部門にノミネートされています。

1122ximu3 林書宇監督は『夕霧花園』の原作と脚本に感動し、マレーシアの歴史を検証するため大学教授に話を聞き、脚本の細部を直し史実に近づけたそうです。
友人である林嘉欣(カリーナ・ラム)が主演した『百日告別』を見て感動した李心潔は、「林書宇監督とご一緒できて、とてもうれしいです。もうホラー映画に出なくてすみます。(笑い)出産後に待望の恋愛映画でスクリーンにカムバックできて、本当に監督に感謝しています」と語りました。


1122ximu2李心潔にとって2010年の『初戀紅豆冰』以来のマレーシア映画出演となりますが、このラブストーリーの相手役が阿部寛と聞いて、安心したそうです。「彼は二枚目であるだけでなく、この役とピッタリでまるで劇中の人物がそのまま撮影現場に現れたようでした」と言っていました。

阿部寛のキャスティングについて、林書宇監督は「この役は原作を読んで突然思いつきました。製作会社に彼のオファーが可能かどうか聞くまでもなく、彼に決めました」ということです。

そして李心潔は、雲林という強いヒロイン像について、「真実に向き合い、答えを見つける努力を惜しまず。その答えを見つけた後に手放すことができるというのは、私と似ている所があります」と語りました。

1122ximu4 林書宇監督は、これまで『九月に降る風(原題:九降風)』、『星空』、『百日告別』と題材も作風も異なる優れた作品を生み出してきました。その演出力はさらに進化していて、歴史や社会背景、男女の細やかな情感の描き方、霧深いマレーシアの山奥の美しい映像など本当に見事です。
物語の終盤のサスペンスフルな展開では、音楽と相まってその緊張感や盛り上げ方は、これぞ映画の醍醐味!という高揚感を与えてくれる作品でした。
日本でも、ぜひぜひ公開して欲しい映画です。

1122ximu5 『夕霧花園』
原作:陳團英(チェン・ドゥアンイン)
監督:林書宇(トム・リン)
出演:李心潔(リー・シンジエ)、阿部寛、張艾嘉(シルヴィア・チャン)
台湾で11月29日より公開

◆ストーリー
第二次世界大戦の最中、マレーシア華僑の姉妹が日本軍に拉致される。終戦となり日本軍が撤退する際に、姉の雲林は慰安婦にされた妹を救えなかった事を悔やみつつ脱出した。
数年後、自責の念から逃れられない雲林は妹の望みだった庭園を作ろうと、宮内庁御用達の日本人庭師中村有朋に協力を求める。
そして庭園作りが進むうち、雲林は憎いはずの日本人 中村に次第に惹かれていくのを自制することができなくなり…。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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