2020台北電影節『惡之畫』ワールドプレミア
2020台北電影節の国際新人監督コンペティションにノミネートされている『惡之畫』が、26日に中山堂でワールドプレミア上映されました。
この日は陳永錤(チェン・ヨンチー)監督はじめ、キャストの東明相(ドン・ミンシャン)、黃河(ホアン・ハー)、劉品言(エスター・リウ)、林志謙(リン・ズージエン)、王真琳(ワン・チェンリン)が出席して、舞台挨拶。
本作は無差別殺人や死刑囚などデリケートな問題を題材にしており、俳優達のこれまでにない演技も注目されています。
開演前には、今年の非常新人(Supernova)のひとり曾敬驊(ツェン・ジンホア)が、「この映画を見終わったら、すぐには立てない。絶対に食べ物を持って来て見ないように」と紹介していました。
『惡之畫』は陳永錤監督のデビュー作で、東明相演じる藝術家が受刑者に絵画を教え、そこで殺人犯役の黃河の驚くべき才能に出会うところから始まります。そして受刑者絵画展を開催後に騒動が起きるという展開ですが、監督がこの映画を撮ったのは、犯罪とモラルで物議を醸す多くのアーティストを国内外で見て、その人達の思考と芸術論を検証してみたかったからだということです。
ドキュメンタリー映画『練習曲』で知られる東明相は実際に絵画展を開いたこともありますが、本作ではダークサイドの役柄を演じています。彼は監督と役作りについて討論を重ね、多くの争いのシーンは監督の要求に応えられたのではないかと語っています。
また、最近色々な役に挑戦し本作で無差別殺人犯を演じている黄河は、普段は無害な様子だが物語の進行に伴い似たような表情の中に見える違う感情を観客にぜひ感じて欲しいと言っています。
画廊のオーナー役の劉品言は、東明相との濃厚なシーンのためクランクイン前にかなりの時間をかけてリハーサルをしたそうで、実際の撮影には9時間近くかかったとか。
王真琳と林志謙は無差別殺人事件の生存者と加害者の家族という役柄で、ふたりとも撮影前にそれぞれの役の心境をつかむのにかなりの時間を費やしたそうです。
昨年『最乖巧的殺人犯』で黄河と共演した王真琳は、クランクイン前に挨拶しただけで、役の関係性の為それ以降は無視していたと笑っていました。
とても興味深い内容の作品ですし、ここ数年様々な役にトライして演技の進境著しい黄河がどんな殺人犯像を見せてくれるのか、楽しみです。
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