2020台北電影節 クロージング作品『日子』上映で蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督登壇
『日子』は脚本もなく資金も少ない中4年かけて完成した作品で、監督は公共電視の出資とフランスのARTEがポスプロのサポートをしてくれたことに感謝をしていました。
全編127分中、台詞は5つだけ。李康生(リー・カンシェン)とラオスの青年Anong Houngheuangsyが偶然出会い、異郷のホテルで寂しさを埋め合い孤独を分かち合うという内容です。監督は体調が悪い李康生とAnongの出会いを自然の流れのままに、ロングショットでその平凡に繰り返される日々を記録しました。
監督は「私の映画はますます自由になっていく。『日子』は最も好きな作品だ」と語りました。
映画の中での李康生とAnongのベッドシーンについて聞かれると、「Anongは演技経験はないが、李康生が自然に服を脱ぐと、Anongは家でくつろいでいるときは下着一枚なので、ゆっくりとその状況に入っていった」ということです。
監督は新人俳優Anongの大器ぶりを称賛、彼を美術アシスタントとしても育てようと考えているそうです。
また、監督はポケットからオルゴールを出し、これは去年アムステルダムで買って主役の李康生とAnongにプレゼントしたものだそうですが、Anongから借りて本作の小道具として使ったことを話しました。
そして、オルゴールでチャップリンの『ライムライト』の主題歌「エターナリー」を奏で、観客と一緒に『日子』の平凡な日々を追体験しました。
仕事の都合で出席できなかった李康生からは、映画祭の成功を祈り、「これこそぼくたちが過ごした一番穏やかな日々だ」というコメントが紹介されました。
※『日子』に関するこれまでの記事
2020/05/25
2020台北電影節、オープニングは『無聲』、クロージングは蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督の『日子』!
http://www.asianparadise.net/2020/05/post-49410b.html
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