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2020/08/01

2020台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜進化する多様性」第一回『ぼくの人魚姫(傻傻愛你,傻傻愛我)』オンライン開催! 藍正龍(ラン・ジェンロン)監督からのメッセージムービーも!

0717event2000年以降の台湾映画の新しい流れがどのように台湾映画の"いま"に繋がってきたのか、そして"いま"何が起きているのかをお届けする台湾文化センターとアジアンパラダイス共催のイベントシリーズ、今年は新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、オンラインでの開催に変更しました。
この上映イベントは2000年以降の台湾映画の新しい流れがどのように台湾映画の"いま"に繋がってきたのか、そして"いま"何が起きているのかをお届けし、5年目を迎えました。今年は全て新作と未公開作品で台湾映画の「進化する多様性」を伝えていきたいと思っています。
ラブ・ファンタジー、シリアスな社会派、アクション・サスペンス、ドキュメンタリー、短編、青春映画、コメディなど、ここでしか見られない話題作と注目作を集めました。
第一回の今日上映したのは、昨年11月に台湾で公開された人気俳優藍正龍(ラン・ジェンロン)の初監督作品で、ダウン症の青年の初恋を通して、ハンディのある子供の家族や社会との関わり、愛と勇気を描いたハートウォーミングな作品『ぼくの人魚姫(原題:傻傻愛你,傻傻愛我)』。
申込み時は瞬殺で100名の定員に達してしまいました。

0801mermaid1思いも寄らなかったコロナ渦で、台湾映画上映&トークイベント〜台湾映画の"いま" も、いつ開催できるのか、台湾文化センターと状況を見ながら協議を重ねて参りました。
自粛期間が明けて落ち着きを取り戻そうとしている時に、感染予防対策をしっかりとり、人数を減らしての開催を準備していました。
ところが、再び東京を筆頭とする感染者の増加傾向がとまらないため、皆さまの安全を考慮し急遽オンラインという方法での開催に変更いたしました。
映画の後は、これまでのようにトークタイムを設け、『ぼくの人魚姫』と台北電影節についてお話ししました。

アンケートで最初から最後まで泣き通しだったという声が多かったのですが、私も去年台北電影節で見て、この映画の温かさに感動し、涙がとまりませんでした。
ハンディのある主人公の映画は世界中で過去にいくつかありましたが、ドキュメンタリーでなく劇映画でリアルなダウン症の人が主役を演じる作品は珍しいと思います。そして、この時2020年のこのイベントの一回目に上映したいと、強く思いました。

0801talk1この映画は去年の台北電影節で、特別招待作品として上映され、11月1日から台湾で一般公開になりました。
9月に公開されて2019年のメガヒットになった『返校』が大きな話題を呼んでいたので、本作だけでなく秋以降に公開された作品への影響は大きかったと思います。
それにしても、金馬奨や今年の台北電影節にノミネートされなかったのは、不思議です。これだけの秀作なのに…。
でも、無冠の名作というのもあります。多くの人の心に残ることを祈っています。

0801talk2主人公の家族は、経済的には恵まれていますが、それぞれが問題を抱えています。
一番たいへんなのは、お母さん。このままずっと息子を守り続けることはできない、親がいなくなったときの息子の将来が不安になります。それで社会活動もしているわけですが、夫は疎外感を抱え、彼女に妻としては失格だと言い放ち、身勝手にも不倫を正当化する。
海外にいる弟は兄思いですが、婚約者の両親との初めての顔合わせの時に兄を同席させたくないと、思ってしまう。
みんな主人公のことを愛しているけれど、自分の都合とのはざまで悩みます。
こういうそれぞれの登場人物の葛藤や社会が抱える問題を、徐譽庭は彼女らしいユーモアと暖かさ包んでいることに加え、外部の人間である主人公が敬愛する絵本作家に、家族が目をつむっている主人公の性の問題について切り込むという客観性を持たせているのが見事です。童話を書く人間に、リアルな現実に目をそむけるなと言う役割を担わせたというところも、素晴らしいと思います。

0801talk3では、この映画の製作のきっかけをご紹介します。
監督は、人気俳優の藍正龍(ラン・ジェンロン)。これまで主演作『電哪吒』でプロデューサーは経験していますが、メガホンを取るのは今回が初めてです。
藍正龍は10年ほど前にダウン症の子供たちとの活動を経験し、その時子供たちの純真さに深い感動を覚え、その時の気持ちが発展してこの映画のストーリーを発想したそうです。
それまで俳優としての演技活動と共に、恩師の王小隷(ワン・シャオディ)監督や王明台(ワン・ミンタイ)監督の現場で製作の仕事を学んでいた藍正龍は、自らも父親になったこともあり、満を持してこの物語を自ら製作しようと思い立ったということです。
「彼らはとてもピュアなので、社会の歪みと遭遇するとかなりの衝撃を受けます。距離を置かれたり好奇の目で見られたり…。でも、真心は互いを認識する大きな力になる、そういう力に満ちあふれていると思います」と台北電影節で語っていました。
まず、このストーリーをドラマ『妹妹(ぼくらのメヌエット)』で一緒に仕事をした徐譽庭(シュー・ユーティン)に脚本を依頼、『阿嬤的夢中情人(おばあちゃんの夢中恋人)』のプロデューサー曾瀚賢(ツェン・ハンシエン)の協力を得て製作を開始しました。

0801blue☆監督からのメッセージ内容
「こんにちは、「ぼくの人魚姫」の監督 藍正龍です。
今日はこの映画を見てくれてありがとうございます。
この映画を見た後こういう子供たちや家族に理解と関心を持ってもらえれば…
それがこの映画の一番重要なことだと思っています。
見てくれて本当にありがとう」

0801talk4さて、当初プロデューサーや脚本家の徐譽庭は主役には俳優の起用を考えていたそうです。
しかし監督の藍正龍は1週間時間をくれと言って、以前チャリティイベントで知り合ったLeoの職場に会いに行きました。
スマホで台詞を見せて言ってもらったらなかなか良い。次に何も見ないでもう一回台詞を言ってもらったら、全く問題なかったので、この時主役を見つけたと思った、とインタビューで語っていました。
Leoの演技は素晴らしく、映画の中で輝いていましたから、本当にベスト・キャスティングだと思います。
役柄と同じように、実際にも明るくて歌とダンスが好きだそうで、ワールドプレミアの時も場を和ませとても素敵な雰囲気を作っていました。

0801talk5主人公が夢中になる人魚姫は、アイドルから脱皮して女優として船長著しい郭書瑤(グォ・シューヤオ)が演じています。
不幸な境遇から人生の希望を失っていた風俗嬢が、ピュアな主人公との出会いで何かを取り戻していく姿を過不足なく表現しています。監督は、脚本段階からこの役は郭書瑤をイメージしていたと言っていました。
台北電影節の時に、出演を決めたきっかけを「イケメン監督なので喜んで参加しました」と笑っていました。
監督は俳優経験も長いので、演出の時に自ら演じて見せ、とても解りやすかったということです。そしてLeoが演技しやすいように彼の生活リズムを崩さないよう気配りをして、世界で一番暖かい現場だったのではないか、と言っていました。
また、劇中では泳ぐシーンも多く、この海のシーンを撮影したのは沖縄だそうです。撮影の時は気温が低くとても寒かったそうですが、ここでも監督が一緒に泳いで指導してくれたということでした。

0801talk6ところで、藍正龍は監督をしながら、主人公が“世界で一番すごい”と言っている絵本の作家として出番も多い重要な役で出演しているのには驚かされました。
初監督だけでもたいへんでしょうに、これは最初から決まっていたのか聞いてみました。
そうしたら、初めての監督で緊張しますから誰か探してやってもらおうと思っていたそうですが、徐譽庭が脚本を書く時にこの役に普段の藍正龍の姿をかなり盛り込んでいたそうです。「そして、僕にやれと言うので…」と、苦笑交じりに答えてくれました。なるほど、とても自然に見えたのはそういうことだったのですね。
このスランプの作家とおしかけファンの主人公のやりとりは、ユーモアもたっぷりで、べたつきのない所がこの物語の魅力になっています。
かなり出番が多い役なので、演技をする時演出はどうしたのかというと、徐譽庭が監督代行をしたということでした。

0801talk7主人公のお母さんを演じた恬妞(ティエン・ニュウ)は、香港と台湾で活躍するベテラン女優です。家族や夫婦の問題、そして母親としての葛藤をさすがの演技力で見せています。
主人公の弟役は、新世代俳優の張庭瑚(チャン・ティンフー)。早くから期待され、シリアスな作品からアイドルドラマまで、幅広く活躍しています。
今、日本でも放送された『あすなろ白書』の主役で、日本でもファンが増えています。
その他、主人公が働くパン屋の店主で陳竹昇(チェン・ジューシェン)が良い味を出しています。

0801mermaid2トークショーではお伝えしなかったのですが、絵本作家の元カノ役で安心亜(アンバー・アン)が特別出演していたのもうれしいですね。ドラマ『妹妹(ぼくらのメヌエット)』で共演、脚本が徐譽庭(シュー・ユーティン)ということで、すてきな連係プレー。
そして、監督は『君のいた永遠(とき)(原題:心動)』『GF*BF(原題:女朋友。男朋友)』ほか数々の映画音楽を手がける台湾音楽界の才女、シンガーソングライターで音楽プロデューサーの黃韻玲(ホアン・ユンリン)に依頼し、劇中の音楽や主題歌を作ってもらいました。
主題歌「不該擁有的事情」は、黃韻玲が蔡旻佑(エヴァン・ヨー)を起用、透明感のある歌声は、主人公の純粋さにビッタリです。彼のソロに加えて、エンディングででは 張牧喬(リーン・チャン)とのデュエットで映画の余韻を盛り上げています。

なお、藍正龍(ラン・ジェンロン)監督のインタビュー記事とPodcastは、8月10日に掲載・配信します。
どうぞお楽しみに!

台北電影奨については、すでに記事を掲載していますので、そちらをご覧下さい。

2020/07/12
2020台北電影奨 授賞式!
http://www.asianparadise.net/2020/07/post-79c848.html

そして、台湾の最新情報として映画館、配給会社、製作会社あわせて13社が一丸となって国産映画で盛り上げようというキャンベーン「國片起飛一起拚」をご紹介しました。
もともと国産映画の製作本数はそう多くないのですが、いま予定されているだけでも22本というのは台湾ではかなりの数です。

こちらもすでに記事を掲載していますので、以下をご覧下さい。

http://www.asianparadise.net/2020/07/post-82475d.html

また、このトークはアーカイブとして11月末まで残し、公開することにしました。
(映画をご覧になっていない方にとってはあまり有用ではないかも知れませんが…)
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=84484d725a1b3df529859cddee75fb4a

0729event次回は、すでにお知らせしていますように、8月22日(土)14時から。
薬物中毒の更生施設を運営する1人の男性と青少年たちとの物語を、実話をもとに映画化されたヒューマンストーリー『楽園(原題:樂園)』です。
こちらの記事をご参照下さい。

2020/07/29
2020台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜進化する多様性」第2回は、実話をもとにしたヒューマンストーリー『楽園(原題:樂園)』!
http://www.asianparadise.net/2020/07/index.html

主催:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター/アジアンパラダイス
協力:華映娛樂股份有限公司

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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