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2020/09/01

台湾のドキュメンタリー映画『私たちの青春、台湾(原題:『我們的青春,在台灣』)』10月に日本公開決定!

0901taiwan12018年の金馬奨でドキュメンタリー映画賞を獲得した傅楡(フー・ユー)監督の『我們的青春,在台灣』が、『私たちの青春、台湾』という邦題で、10月31日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開されることになりました。
これは、ひまわり運動のリーダー陳為廷(チェン・ウェイティン)と、中国人留学生で台湾の社会運動に参加する蔡博芸(ツァイ・ボーイー)の二人の大学生を追ったドキュメンタリーです。

0901taiwan2ひまわり運動は、23日間に及ぶ立法院(国会)占拠、統率の取れた組織力、全世界に向けたメディア戦略で、まれにみる“成功”をおさめたといわれています。
しかし立法院内では、一部の指導者たちによる決議に対する不満など、理想の“民主主義”の困難さに直面し、多くの課題を残していました。雨傘運動前の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)、周庭(アグネス・チョウ)との交流など、カメラは台湾、香港、中国の直面する問題、海を越えた相互理解の困難さ、民主主義の持つ一種の残酷さを映し出していきます。

1121jinma12また、金馬奨の授賞式で、傅榆監督はプロデューサーと共にトロフィーを受け取り、泣きながらのスピーチしました。
「青春は美しい時期です。でも色々な間違いも犯しやすい時でもあります。国と国もそうです。私は台湾が独立した国家と認められる日を期待しています。私は台湾人です」
という作品と連動してのスピーチでしたが、最後の部分が“政治的発言”として騒動の発端となりました。
この後、中国から参加していた俳優たちが"ひとつの中国"を意図した言葉を選んで発言し、会場やプレスセンターに波紋を起こしましたが、金馬奨主席の李安(アン・リー)の神対応で授賞式は無事に終わりました。

1124lianしかしながら、この波紋は収まらず、授賞式後の中国から参加した俳優達のほとんどがアフターパーティをボイコット、翌年2019年の金馬奨は中国が不参加ということになりましたが、これまた李安監督の人柄と見識、全ての映画人を包み込む包容力で「今年は参加作品が少なくなったのはもちろん残念ですが、我々の両手は永遠に開かれています。華語の映画や監督を歓迎します。外の世界のことは我々はコントロールできません。しかし、映画人である我々にとって、互いを信じ、愛する大家族が存在する事を大切に思います。世界が我々映画を製作する者をもう少し尊重してくれるよう、願ってやみません」と語り、まさに台湾映画界の、いや世界の映画人にとっての“宝”という存在感を示して授賞式を成功させました。

話が金馬奨に逸れましたが、この後、 傅楡は自己の歩みと台湾の政治の歩みを綴った書籍「 我的青春 ,在台灣 」 (わたしの青春、台湾 )を出版しました。
台湾という息吹の中で、ともに未来を描き、迷い、空っぽになり、ともに理想求めもがく、“私たち”の青春の物語は、何を問いかけてくるのか…。この邦訳版も、映画公開にあわせ10月23日に五月書房新社から発売が決定しました。

0901taiwan『私たちの青春、台湾(原題:『我們的青春,在台灣』)』
監督:傅楡(フー・ユー)
出演:陳為廷(チェン・ウェイティン)、蔡博芸(ツァイ・ボーイー)
製作・出品:七日印象電影有限公司 7th Day Film
プロデューサー:洪廷儀(ホン・ティンイー)
主題歌:《我們深愛的青春 Our Beloved Youth》詞 /曲 / 演唱 : 楊彝安(ヤン・イーアン)
原題:我們的青春,在台灣-Our Youth In Taiwan
後援:台北経済文化代表処台湾文化センター
日本語字幕:吉川龍生
台湾語協力:劉怡臻
提供・配給・宣伝:太秦

映倫:G48630
2017|台湾|カラー|DCP|5.1ch|116分
公式サイト: www.ouryouthintw.com

■STORY
2011年、魅力的な二人の大学生と出会った。
台湾学生運動の中心人物・陳為廷(チェン・ウェイティン)、台湾の社会運動に参加する人気ブロガーの中国人留学生・蔡博芸(ツァイ・ボーイー)。やがて為廷は林(リン・)飛帆(フェイファン)と共に立法院に突入し、ひまわり運動のリーダーになった。
“民主”が台湾でどのように行われているのか伝えたいと博芸が書いたブログは、書籍化され大陸でも刊行される人気ぶりだ。
彼らが最前線に突き進むのを見ながら、「社会運動が世界を変えるかもしれない」という期待が、私の胸いっぱいに広がっていた。
しかし彼らの運命はひまわり運動後、失速していく。
ひまわり運動を経て、立法院補欠選挙に出馬した為廷は過去のスキャンダルで撤退を表明。大学自治会選に出馬した博芸は、国籍を理由に不当な扱いを受け、正当な選挙すら出来ずに敗北する。
それは監督の私が求めていた未来ではなかったが、その失意は私自身が自己と向き合うきっかけとなっていく——。

0901book■書籍発売情報
傅楡監督の人生から、民主化への歩みを書く。
傅楡は華僑の両親を持ち、台湾で生まれた。しかし台湾語を話せない傅楡は、小学校のクラスメイト達からいじめにあった。思春期を迎える頃、周囲には「中華民国防衛戦」のスローガンが流行していた。そしてアイドルに夢中だった中学時代、台湾は史上初の総統直接選挙に熱狂していた――。
戒厳令は解除され、台湾は民主化へと歩みはじめたが、その道程は困難の連続であった。
本書では民主化への歩みと共に、葛藤、挫折を繰り返しながら成長した、傅楡の人生を振り返る。彼女は「この本を読んでくれた人が、自国の政治、歴史などについて考えてくれる、一助となる事を心より願う。これこそが、わたしが本書に対して抱く最大の希望である」と、読者へ語りかける。
書籍名:わたしの青春、台湾
発売日:10月23日
翻訳監修:関根謙(慶應義塾大学名誉教授)、吉川龍生(慶應義塾大学教授)
本体価格:1,800円+税 ISBN:978-4-909542-30-4 発行:五月書房新社

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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