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2020/11/03

台湾ドキュメンタリー映画『私たちの青春、台湾』初日舞台挨拶レポート

1103ouryouth1金馬奨最優秀ドキュメンタリー賞受賞した映画『私たちの青春、台湾』の初日舞台挨拶が、10月31日にポレポレ東中野で行われました。
監督の傅楡(フー・ユー)が台北からオンラインで参加し、ポレポレ東中野に登壇した字幕を担当した吉川龍生先生(慶應義塾大学)と対談。

吉川先生はまず映画の見せ場ともなっている、2014 年 3 月 18 日のひまわり運動の立法院突入の瞬間に監督が立ち会えなかったことについてどう感じているかを問い、「本作の主人公のひとりでもある陳為廷がこの時を迎えるために自分はカメラをまわしていたのに、自分が立ち会えなかった事にはいまでも映画監督として反省している。」と傅楡監督は、後悔の念をにじませていました。

「監督自身が後半から主人公のひとりとして登場するのが本作の面白さ」と吉川先生が語ると、「主人公は陳為廷、蔡博芸の二人であったが、編集の段階で何かが足りないと感じ、それは自分自身であると気付いた。そしてその気付きは作品にとっても、自分自身にとっても重要なものになった」と監督が答えた。

1103ouryouth22018年金馬奨授賞式で監督の傅楡が涙を流しながら、「いつか台湾が“真の独立した存在”として認められることが、台湾人として最大の願いだ」とスピーチをしたことは大きなニュースとなりました。
「映画を撮り終わったあと自分は高揚しており、なんだってできるようない大きなエネルギーに包まれていました。でもあれから様々なことがあり、今考えるとあの頃の自分はなにか焦ってしまっていたのかもしれません。その後、海外巡回上映などもあり、私自身はとても疲れてしまいました。いまはまだ新しい映画を作る気持ちにはなれませんが、私はドキュメンタリー制作会社に所属しており、同僚と一緒に台湾にとって重要なテーマとなる作品の企画を作っている所ではあります。」
と、本作が監督自身にもたらした影響と現在の心境を語った。

日本公開に対し、「台湾、香港、中国に社会運動に関するドキュメンタリー映画ということにあり、日本の方にはどう受け止められるのかが気になっています。この作品は金馬奨授賞式でも話しましたが、「多くの人々はこの映画が政治を語っているだけのものだと思うでしょうが、実はそれよりもさらに広く、青春を論じて」います。是非日本でも多くの方にご覧頂き、感想をSNSでシェアして皆でそれを共有してほしいです。
私もそうした感想を読みたいので、是非映画をご覧になってもっと台湾について知りたいと思った方は、私自身について語った「わたしの青春、台湾」(五月書房新社)も手にとって頂ければうれしいです。」と話し、大きな拍手とともに初日舞台挨拶は終了しました。

0901taiwan2■STORY
2011年、魅力的な二人の大学生と出会った。
台湾学生運動の中心人物・陳為廷(チェン・ウェイティン)、台湾の社会運動に参加する人気ブロガーの中国人留学生・蔡博芸(ツァイ・ボーイー)。やがて為廷は林飛帆(リン・フェイファン)と共に立法院に突入し、ひまわり運動のリーダーになった。“民主”が台湾でどのように行われているのか伝えたいと博芸が書いたブログは、書籍化され大陸でも刊行される人気ぶりだ。
彼らが最前線に突き進むのを見ながら、「社会運動が世界を変えるかもしれない」という期待が、私の胸いっぱいに広がっていた。
しかし彼らの運命はひまわり運動後、失速していく。
ひまわり運動を経て、立法院補欠選挙に出馬した為廷は過去のスキャンダルで撤退を表明。大学自治会選に出馬した博芸は、国籍を理由に不当な扱いを受け、正当な選挙すら出来ずに敗北する。
それは監督の私が求めていた未来ではなかったが、その失意は私自身が自己と向き合うきっかけとなっていく——

0901book■書籍発売情報
映画監督・傅楡、そして台湾の、等身大の物語
傅楡は華僑の両親を持ち、台湾で生まれた。5歳の時に戒厳令が解除され、台湾は民主化へと動き出す。思春期を迎える頃、周囲には「中華民国防衛戦」のスローガンが流行し、アイドルに夢中だった中学時代、台湾は史上初の総統直接選挙に熱狂していた。
やがて彼女はドキュメンタリー映画と出会い、「ひまわり運動」を撮り始める——。
本書では、葛藤、挫折を繰り返しながら成長する、台湾の民主化の歩みと傅楡自身の人生を振り返る。彼女は「この本を読んでくれた人が、自国の政治、歴史などについて考えてくれる、一助となる事を心より願う。これこそが、わたしが本書に対して抱く最大の希望である」と、読者へ語りかける。

書籍情報
書籍名:わたしの青春、台湾
語り:傅楡 筆記・構成:陳令洋 翻訳監修:関根謙(慶應義塾大学名誉教授)、吉川龍生(慶應義塾大学教授)
翻訳:藤井敦子、山下紘嗣、佐髙春音 翻訳協力:劉怡臻
発売日:10月23日(金) 本体価格:1,800円+税  ISBN:978-4-909542-30-4  発行:五月書房新社

『私たちの青春、台湾』は、ポレポレ東中野で公開中、以後全国順次公開!

※『私たちの青春、台湾』に関するこままでの記事

2020/09/01
台湾のドキュメンタリー映画『私たちの青春、台湾(原題:『我們的青春,在台灣』)』10月に日本公開決定!
http://www.asianparadise.net/2020/09/post-7235c0.html

2018/11/21
第55屆金馬獎受賞式&プレスセンター編
http://www.asianparadise.net/2018/11/55-eca8.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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