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2021/03/05

香港のアーチスト何韻詩(デニス・ホー)のドキュメンタリー映画『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』6月よりシアター・イメージフォーラムにて緊急公開決定!

0303dennis1昨年の東京フィルメックスで上映された香港のアーチスト何韻詩(デニス・ホー)のドキュメンタリー映画『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』が、6月よりシアター・イメージフォーラムにて緊急公開されることになりました。
何韻詩(デニス・ホー)は、香港ポッブス界の人気アーチストですが、自由と民主主義を守ろうとする運動家としても活動しています。
この映画を撮ったのは、長年、中国で映画制作を行い、香港でも長い時間を過ごしたというアメリカ人監督スー・ウィリアムズ。
2018年に撮影を開始し、2019年末まで継続。2020年3月に完成しました。

2014年に香港で起きた「雨傘運動」。
警官隊の催涙弾に対抗して雨傘を持った若者たちが街を占拠したこの運動に、一人のスーパースターの姿がありました。彼女の名前は何韻詩。同性愛を公表する香港のスター歌手である彼女は、この雨傘運動でキャリアの岐路に立たされていました。
彼女は、中心街を占拠した学生たちを支持したことで逮捕され、中国のブラックリストに入ってしまいます。次第にスポンサーが離れていき、公演を開催することが出来なくなった彼女は、自らのキャリアを再構築しようと、第二の故郷モントリオールへと向かいます。

0303dennis2スー・ウィリアムズ監督による長期密着取材によって浮かび上がるのは、香港ポップスのアイコンであった彼女が、香港市民のアイデンティティと自由を守るために声を上げる一人のアーティスト、そして民主活動家へと変貌していく様です。
その物語は、歪な関係にある香港と中国、過去30年間の情勢を見事に反映しています。
そして、2019年6月。香港で逃亡犯条例改正に反対するデモが起き、彼女は再び岐路に立たされました。数百万のデモ参加者が街頭に繰り出した時、彼女は催涙ガスと放水砲が飛び交う通りに立ち続け、デモ参加者を守ろうとします。そして、国連やアメリカ議会で香港の危機的状況について訴え、自由と民主主義を守ろうとする人々の姿を世界に発信していきました。
自由を求める香港の人々の声が、何韻詩という存在に重なり、その願いが一つの歌となって響き渡ります。
映画の幕は閉じますが、香港の闘いはまだ終わっていない…!

◆スー・ウィリアムズ監督プロフィール
アムブリカ・プロダクションズの創設者で、30年間に渡りドキュメンタリー映画制作に従事している。
インパクト・パートナーズと共同制作の「デス・バイ・デザイン」ではエレクトロニクス産業がもたらす環境への影響を調査。
本作は2016年にアルジャジーラで放映され、世界30カ国の映画祭で上映。現在はオンデマンドで視聴可能である。
過去の作品には、高く評価された中国三部作「チャイナ・イン・レボリューション」「ザ・マオ・イヤーズ」「ボーン・アンダー・ザ・レッド・フラッグ」の他、「チャイナ・イン・レッド」「ヤング・アンド・レストレス・イン・チャイナ」が、PBS/フロントラインでプレミア放映された。
PBSのシリーズ、アメリカン・エクスペリエンスで絶賛されたバイオグラフィー2作品「エレノア・ルーズベルト」「メアリー・ピックフォード」で監督を務めた。
受賞歴には、2016年ボストン・グローブ紙フィルムメーカー・オブ・ザ・イヤー賞、シネ・ゴールデン・イーグルス賞、国際映画ビデオフェスティバル賞、クリス賞、エドガー・デール最優秀脚本賞、等がある。

◆何韻詩プロフィール
1977年香港生まれ。シンガーソングライター。
11才の時に家族とカナダへ移住。9才の時にコンサートで見たアニタ・ムイ(梅艷芳)に夢中になり、1996年に香港の歌唱コンテストに出場したことがきっかけで歌手の道へ。
敬愛するアニタ・ムイへの弟子入りも叶い、1999年にはアニタ・ムイのアルバムでデュエットしたりコンサートにも参加。
2001年にEP(マキシシングル)デビューし、数々の音楽賞を総ナメにして香港音楽シーンを賑わす存在に。
2003年に敬愛するアニタ・ムイが病死の後、香港ポッブスの中核を担う歌手としてワールドワイドに音楽活動を続ける中、映画や舞台など女優としても活躍。
また、香港では数少ない社会運動に積極的に参加し主張するアーチストになる。
2012年のLGBTパレードに参加したデニスは、舞台上で自ら同性愛者であることを表明。
2014年、雨傘運動を支持し、デモに参加し最前線で座り込みを続けたデニスは逮捕され、中国から封殺、所属していたレコード会社からも契約を打ち切られる。しかし根強い人気を持つデニスは、インディーズ歌手としてチケット秒殺で4日間の香港コロシアムコンサートを成功させ、現在も社会活動と独自の音楽活動を続けている。

『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』
監督・脚本・プロデューサー:スー・ウィリアムズ
制作総指揮:ヘレン・シウ 
共同制作:ジュディス・ヴェッキオーネ
編集:エマ・モリス 撮影:ジェリー・リシウス
字幕:西村美須寿 字幕監修:Miss D 
協力:TOKYO FILMeX、市山尚三
配給・宣伝:太秦
【2020/アメリカ/ドキュメンタリー/DCP/83分】©Aquarian Works, LLC
公式サイト:deniseho-movie2021.com(3月中旬オープン)
公式Twitter:@deniseho_movie
2021年6月よりシアター・イメージフォーラムにて公開

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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