2021大阪アジアン映画祭 日台合作『ホテルアイリス』〜金門島の永瀬正敏、李康生(リー・カンシェン)、馬志翔(マー・ジーシアン)
大阪アジアン映画祭で上映された『ホテルアイリス』は、小川洋子の原作を奥原浩志監督が台湾と共同で映画化した作品です。少女と老人の究極のエロティシズムを描いた原作を、登場人物の年齢設定を変え、舞台を台湾の金門島にして展開。
ロシア文学の翻訳家を永瀬正敏、若い女性を台湾の陸夏(ルーシャ)、ふたりを取り巻くのは李康生(リー・カンシェン)と馬志翔(マー・ジーシアン)という配役ですから、台湾映画ファンにとってはたまりません。
すでに2回の上映は終わっていますが、一般公開を期待しつつ、監督インタビューも含めてご紹介します。
母親が経営する小さなホテルを手伝う主人公のマリは、あきらかに娼婦と見られる女性を罵倒する男を見かけ、興味を持ちます。男の後をつけると、島で一人暮らしていることがわかりますが、地元の人たちからよからぬ噂が聞こえてきます。
それでも強く男にひかれたマリは、彼に誘われるまま家へ…。
ここから、マリと男の二人だけの世界と、不審死を遂げたマリの父の思い出などが綴られていくのですが、永瀬正敏の色気と陸夏が持つ透明感とミステリアス感にグイグイ引きこまれていきます。
なぜ台湾の金門島でこの映画を撮ったのかということについては、公式インタビューでも監督が話しているように、たまたま遊びに行った時に頓挫していたこの企画にぴったりの場所だった、というのが理由だそうです。
潮の満ち干の関係でで歩いて渡れる時もある島なんて、なかなかないですよね。
そして、監督は実際にホテルアイリスとして設定されている民宿に泊まったそうで、街歩きはロケハンに変わった、と言っていました。
モデル出身で演技経験のない陸夏には、クランクイン前に演技レッスンをしたそうですが、この指導をしたのが俳優で監督・脚本家の蔭山征彦さん。
エンドクレジットでこれを知ってすぐに蔭山さんにLINEで聞くと、2018年のことだと言っていました。
陸夏については、「フレッシュだけど、芯のある人だなぁと思った」ということです。
監督インタビューでは、馬志翔と李康生のキャスティンのこと、李康生の現場に必ず付いてくるという蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督のことも、たくさん話していただき、とても興味深く楽しかったです。
このインタビューは、後日Podcastで配信しますので、ぜひお聞き下さいね。
大阪アジアン映画祭の作品紹介ページ(公式インタビューのリンクあり)
https://www.oaff.jp/2021/ja/program/t05.html
★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。
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