『夕霧花園』の林書宇(トム・リン)監督インタビュー!
ご自身の企画ではなく監督として迎えられたのは『星空』に続いて2作めになりますが、どんな題材でも見事に林書宇の世界として創り上げてしまう演出術は、本作でも変わりません。
ビッグバジェットの本作ですが、「どれほど豊富な予算があっても足りない」と、監督は笑って言います。
そして、予算の分だけプレッシャーも大きいとも…。
ヒロインを世代で分けて演じた李心潔(リー・シンジエ)と張艾嘉(シルヴィア・チャン)とは、一緒に役を創り上げた、と言うより話し合いながら共にヒロイン像を見つけたのだそうです。
また、日本語と英語の台詞を完璧に入れただけでなく、相手の役もしっかり把握した状態で撮影に臨んだ阿部寛のプロフェッショナルな取り組みを、絶讃していました。
本作では「庭園」が重要な役割を果たしていますが、このセットと美術もかなりこだわったそうです。
阿部寛が日本人の平均よりかなり高身長のため、彼に会わせようという監督と、規定の日本家屋のサイズを守るべきだという美術監督とはかなりの丁々発止があったそうです。
日本での公開にあたり、美術監督は日本人の反応に緊張感を持っているということですので、ぜひこの点についてもじっくりご覧下さい。
今回のオンラインインタビューで監督が背景画像に使っていらした美しい山の写真が気になっていたので、最後に聞いてみました。
そうすると、これはやはり映画のロケ地であるマレーシアのキャメロンハイランド。
「僕が撮ったんだよ。実はここで張艾嘉が運転する車を止めるというシーンを撮影したのだけど、時間の関係でカットしたんだ」とおっしゃっていました。
このインタビューは、7月26日よりPodcast配信しますので、ご期待下さい。
『夕霧花園』
原作:陳團英(チェン・ドゥアンイン)
監督:林書宇(トム・リン)
出演:李心潔(リー・シンジエ)、阿部寛、張艾嘉(シルヴィア・チャン)、ジョン・ハナー、ジュリアン・サンズ
提供:マクザム/太秦
配給:太秦
2019 年/マレーシア/120 分
後援:在京マレーシア大使館
協力:大阪アジアン映画祭
字幕:川喜多綾子
字幕監修:山本博之
公式サイト:http://yuugiri-kaen.com
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◆ストーリー
1980年代、マレーシアで史上二人目の女性裁判官として活躍するユンリンは、キャリアアップのため連邦裁判所事を目指していた。
彼女はかつて愛した中村がとある財宝にまつわるスパイとして指弾されているのを知り、彼の潔白の証拠を探すことを決意する。ユンリンにとって忘れることのできない約30年前の記憶を手繰り寄せ、想いが交差していく――。
※これまでの『夕霧花園』に関する記事とPodcast音声
2021/07/12
この夏の台湾映画+α公開ラッシュ!気ままにトーク~前編
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2019/09/10
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