2021台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜新鋭と精鋭の挑戦」第6回短編スペシャル『猫とハエ』『ロブスターキッド』『弱くて強い女たち』オンライン開催! 短編映画の魅力を堪能した観客たち!
オンラインによる台湾映画上映&トークイベント、新作と未公開作品で台湾映画の「精鋭と新鋭の挑戦」を伝えていく第六回は、短編スペシャル『猫とハエ(原題:貓與蒼蠅)』 『ロブスターキッド(原題:龍蝦小孩)』『弱くて強い女たち(原題:孤味)』の3作を上映しました。
台湾の映画祭、金馬影展や台北電影節では短編映画の上映が多く、チケットがあっという間に売り切れます。その理由は劇場で公開されることがあまりなく映画祭が貴重な機会であること、新しい才能=監督や俳優に興味津々であること。
若いクリエイターはまず製作費が少なくてすむ短編を作り、それがプロデューサーの目にとまり長編デビューへのきっかけになることが多いからです。
『夕霧花園』の林書宇(トム・リン)、『親愛なる君へ』の鄭有傑(チェン・ヨウジエ)、『紅衣小女孩』の程偉豪(チェン・ウェイハオ)ほか、ここから巣立った監督は枚挙にいとまがありません。
今回は、この短編映画3作をそれぞれに味わっていただけたようで、映画の舞台となっている高雄、台南、台北に思いを馳せている声もアンケートに多くありました。
「3本ともクオリティが高くて、さすが台湾映画、『ロブスターキッド』の主演の張嘉方も素晴らしかった」「『ロブスターキッド』は、ユーモアとアクションを短い時間でちりばめ監督の才能を感じた」「お祖母さんに焦点を当てた『弱くて強い女たち』短編もとても良かった」「いずれも作家性を強く感じる作品で興味深かった。『猫とハエ』は特に俳優が演じているとは思えないリアリティを感じた」「『弱くて強い女たち』の孫娘役がとてもよかった」「『ロブスターキッド』の悲惨な環境の中でも自分を奮い立たせて明るい笑顔を携える主人公の笑顔に救われた」「長編に負けない見応えがあり、どれも台湾の社会情勢や生活が感じられ大変興味深かった」「若手監督の登龍門と言うだけあっていずれの作品もクオリティが高く、有名無名問わず配役の素晴らしさにも意気込みを感じた」。
また、アフタートークでは作品解説と監督ふたりの動画メッセージ、この秋の映画祭情報をお伝えして、たいへん役立ったという声をたくさんいただきました。
「情報が過不足なく、しかもネット上では得られない貴重な情報も含めて解説され、とてもありがたかった」「それぞれの作品の背景、作り方がよく分かり、作品の理解が深まった」「話がいつも丁寧で、単に情報だけ、というのではなく、作り手に寄り添っているからなのだと思う」「3作品共に細かい所まで説明して頂きありがたい」「それぞれの作品の気になったところを監督が答えられたのでよかった」「監督のビデオメッセージもこの上映会ならではの特典で、とても嬉しい」「各映画祭の話題など、毎度勉強になる」「新作情報がありがたい」
『猫とハエ』は、2020年の高雄電影節でお披露目され、海外の映画祭で上映、台湾では先日発表された台ペン映画アワード金穗獎で審査員特別賞と、ヒロインの潘之敏(パン・ズーミン)が最優秀俳優奨を獲得。
そして、台北電影節と高雄電影節のコンペティションにノミネートされている注目の短編です。
監督は、これまで短編映画やテレビ映画で期待されている新鋭、曹仕翰(ツァオ・シーハン)。
この作品は、プロデューサーから漁港や船を舞台にしたものを撮ってみないかとと言われ、高雄の漁港をリサーチしたそうです。
監督は高雄出身でありながらこれまで知らなかった漁港の状況や船員の生活を調べ、彼らの仕事は危険と隣り合わせで、気候や自然という厳しい現実にも常に向きあわなければならないけれど、彼らがとても自由で素晴らしいということを知ったそうです。
彼らは、自分たちが心地よいということを一番に考えていて、午後に仕事が終わって帰ってきたら酒を飲んで嫌なことは忘れ、明日またがんばろうという生活。監督はこういう彼らにとても惹きつけられたということで、この物語を作りました。
映画に出てくる船員たちはインドネシアとフィリピンのからの外国人労働者ですが、実際にはベトナムや最近だと東アフリカの人たちが増えているそうです。
そして、出演しているのは本物の船乗りたちと、工場で働く外国人労働者たち。
監督は、リアルな生活を描きたかったのでこういう人選にしたのですが、都合のつく船員だけでは足りなかったので、工場労働者にも参加してもらったと言っていました。
そして、彼らの演技指導は、『セデック・バレ』で素人の原住民達を指導したスタッフが担当したそうです。
狭いスペースで寝泊まりしている船員たちは、言葉や生活習慣の違いから、小さな事でも争いごとが起こり、時には事件のような大きなトラブルに発展する事もあるようです。
劇中で扇風機の争奪戦がありますが、これも実際のエピソードを描いたものだと、監督が言っていました。
時には警察の捜査が入ることもありますが、多くは映画にも出てくる彼らの世話役が仲裁し、当事者間で解決しているそうです。
そして、その世話役を演じた莊益增(ジュアン・イーゼン)は、監督が脚本段階から希望していた俳優でした。
莊益增は『大仏+』や『1秒先の彼女(原題:消失的情人節)』、『同級生マイナス(原題:同學麥娜絲)』をはじめ映画やドラマの名優ですが、『無米楽』などのドキュメンタリーを撮っている監督でもあります。
監督は、莊益增の撮るドキュメンタリーにも演技にも説得力があるので、この役はぜひお願いしたいと思ったそうです。役名もそのまま莊さんとしているのは、リスペクトの証しです。
さすがの名演で、物語をビシッと締めています。
一方の廃船で船員たちを相手にからだを売って生活しているネコを演じているのは、潘之敏(パン・ズーミン)。
監督は、ベッドシーンもあることから、この役は自分との信頼関係が重要だと思い、大学で映画を学んでいる頃からの友人、同級生である潘之敏にオファーしました。
潘之敏と言えば、名作『河豚』のヒロインで脚本にも参加している才女。『縄の呪い(原題:粽邪)』や歴史ドラマ『一把青』、そして去年公開された日本映画『戀戀豆花』にも出ています。
今回の役では監督と相談して10キロも体重を増やして取り組み、難しい役をこなしています。
この映画で映しだされる高雄の港はとても味わいがありますが、撮影の為に借りる船を探すのはかなりたいへんだったそうです。特に、ネコが生活する廃船。雰囲気がぴったりの船があったのですが、アンモニア臭が激しくて使えなかったりしましたが、高雄のフィルムコミッションの協力でなんとか見つかったと言っていました。
また、美しい夕景を撮る為にスタンバイしていたら、船の移動の時間になってしまったりと、苦労も多かったようです。
そして、一番驚いたのは、なんと90%フィルムで撮影したそうです。
フィルム撮影はコストと手間がかかりますから、今はみんなデジタルに移行しています。
そんな中で、監督は撮り直しのきかない、費用もかかるフィルムの味にこだわり、撮ったフィルムをデジタル化して本作を完成させました。
味わい深い映像だと感じたのは、こういう手間がかかっていたからなのですね。
間もなく発表される台北電影節での結果が楽しみです。
では、曹仕翰監督からのメッセージをご覧下さい。
◎曹仕翰監督ムービーメッセージ
「この短編は漁港の外国人労働者と発達障害の女性の話です。
結末はあまりはっきり描かず、皆さんに想像してもらうようにしていますが、それは明らかにしないことによって人間の本当の姿が見えるのではないかと思い、このような形にしました。
ありがとうございます」
続いては、去年台湾でナンバーワン・ヒットを飛ばした素晴らしいヒューマンドラマ、長編版の『弱くて強い女たち(原題:孤味)』の許承傑(シュー・チェンジエ)監督による『ロブスターキッド(原題:龍蝦小孩)』 です。
これは監督がニューヨークに留学していた時の作品で、同じ年に東京と横浜で開催されたSHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIAで上映されました。
この物語は、監督が実際に子供の頃に経験したことをベースに作られています。両親の離婚で、別れたお母さんに会いたくて家出をした時、駅で財布をなくしたことに気づき、困り果てているところをお坊さんに助けられたということです。
そして、アクションと冒険ものが好きなので、この様な作品に仕上がりました。
監督の経験は、6〜7才の頃だったそうですが、映画にするにあたりもう少し主人公の年齢を10才〜13才くらいに設定を上げました。
ただ、キャスティングには難航し、学校があったりでなかなかその年齢の子が見つからず、最終的に張嘉方(チャン・ジアファン)に決まったのですが、なんと彼女は撮影当時25才だったそうです。
とても見えませんね。
この作品で海外の映画祭を回った時、どこでもこの話題で観客をびっくりさせた、と監督が笑っていました。
張嘉方(チャン・ジアファン)は、2013年に大阪アジアン映画祭でも上映された『ポーとミーのチャチャ(原題:寶米恰恰)』でデビューして、大ヒットドラマ『想見你(時をかける愛)』にも出ていますが、最近の情報が見つからないので、気がかりです。
そしてお坊さん役の李柏樺(オリバー・リー)、とても存在感のあるワケあり僧侶役ですが、どんな人が検索しても全くヒットしません。
監督にお聞きすると、色々な俳優に当たったけれどスキンヘッドという条件を受け入れられず、なかなか見つからなかったそうで。ある日テレビのCMでたまたまスキンヘッドの彼を見て、この人ならばこのままいける、ということでオファーしたそうです。
実は彼は一時期ミャンマーで出家していたことがあるそうで、納得の存在感でしたね。
監督はこの僧侶役がおもしろいのでスピン・オフの作品を撮りたいと思ったのですが、実現できていません。
そして、李柏樺はその後芸能活動はしていないと思う、ということでした。
それにしても、監督がアクション好きとは意外でした。
アクションはかなり経費がかかるので、本作ではほんの少しだけでしたが、かなりリアリティがあるシーンの為、撮影時にそれを見ていた人が通報して警察が来たそうです。
その為に、あまりテイクを重ねられませんでしたが、準備をしっかりしていたので満足できるアクションが撮れたと監督は言っていました。
そして、いまNetflixでも配信中の2020年度興行成績トップの『弱くて強い女たち(原題:孤味)』のもととなった短編。
長編版をご覧になった方も多いと思いますが、そのもととなった本作は、こちらも監督の実体験からヒントを得て制作されました。
この短編はニューヨヘクの大学院の卒業制作で、監督の母方のお婆さんがお爺さんの葬儀をお爺さんの恋人と執り行ったという特別な経験をもとにしたそうです。
とても親しかったお婆さんが、どうやってこの難題に向き合ったのかを描こうというのが、制作のきっかけだということです。
ただ、その時は長編にするという構想は全くなかったとおっしゃっていました。
というのも、おばあさんが主役の映画は、商業映画としての成立が難しいからです。
でも、この短編の制作でクラウドファンディングで資金を集めた経験があることと、この短編を見た台湾の観客の多くが共感してくれたということで、プロデューサーから長編化の可能性もあると言われ、決断したそうです。
従って、短編と長編あわせて3年くらいこの作品の製作にかけたことになります。
短編も長編も、主役は陳淑芳(チェン・シューファン)。
監督はニューヨークから戻って来たばかりで、年配の俳優をあまり知らなかったため、キャスティング・ディレクターに協力してもらいました。そして最初に挙げてくれた候補が陳淑芳で、その意志の強そうな目と温かさに、すぐにこの人だ、と思ってオファーしたということです。
新人監督との仕事も多い陳淑芳は、脚本を気に入りすぐに受けてくれたことは、とても幸運だったと、監督が言っていました。
陳淑芳の素晴らしい演技は、昨年の金馬奨で主演女優賞、もう1本『親愛なる君へ(原題:親愛的房客)』では助演女優賞というダブル受賞を果たしたことで証明されました。
デビューから60年余り、これまで数え切れないほどの映画やドラマに出演して、80才にして初ノミネート&初受賞、本当に2020年は陳淑芳イヤーでした。
今年は3作の映画に出演し、まだまだ活躍を続けるでしょう。
そして孫娘役の王真琳(ワン・チェンリン)。去年この上映会でお披露目し、今年は台湾巨匠傑作選で全国公開され9月3日にDVDがリリースになった『よい子の殺人犯(原題:最乖巧的殺人犯)』のイチゴちゃん役を演じた人です。
去年東京国際映画祭で上映された『悪の絵(原題:惡之畫)』にも出演していました。
本作でもとても良かったので、なぜ長編版に続投しなかったのか、監督に聞いてみました。
長編版は、主人公のお婆さんの娘達のエピソードが綴られますが、この娘達の年齢設定が30〜40代のため、孫はどうしても10代でなくてはなりません。
監督は王真琳をとても高く評価していたので、泣く泣く彼女を諦めたそうです。
そして、長編のプレミアの時に彼女を招待したら、とても気に入ってくれたと言っていました。
王真琳の新作は、10月9日から台湾で放送が始まる、黄秋生(アンソニー・ウォン)主演ドラマ『四樓的天堂』。メインキャストなので、どんな演技を見せてくれるのか、楽しみですね。
本作では、主人公の気持ちを表す主題歌が、とても効果的に使われています。
この曲は、実は短編と長編では歌詞は同じですが、短編では王希文(ワン・シーウェン)の作曲、長編では柯智豪(クー・チーハオ)の曲です。
なぜ曲だけ変えたのか、とても気になって監督にお聞きしたところ、短編の時は、ニューヨーク大学時代の先輩である王希文に依頼して、台湾の昔懐かしいテイストで作ってもらったそうです。
しかし、長編はお婆さんの話に娘たちのストーリーも加わり複雑な層が重なる内容なので、それにあわせて新たに柯智豪に作ってもらったという事になりました。
どちらも、とても素敵な曲ですね。
ご覧いただいた許承傑監督の『ロブスターキッド』、『弱くて強い女たち』、どちらもエビが出てきます。監督にとってエビに特別な意味が込められているのかどうか、聞いてみました。
そうしたら、「"エビ三部作"を作ったのです」と笑っていました。
ご友人にもそこを聞かれたそうですが、『ロブスターキッド』の終点台東はロブスターの産地であること、『弱くて強い女たち』の舞台となる台南は、エビ捲きが有名で主人公がこれを作り続けて娘達を育て上げたという設定です。
実際はたまたま、ということになりますが、監督はエビは大好きだと言っていました。
では、許承傑監督からもメッセージをいただきましたので、ご覧下さい。
◎曹許承傑傑監督ムービーメッセージ
「こんにちは『弱くて強い女たち』と『ロブスターキッド』の 監督 許承傑です 。
今回この2作を見ていただいてとてもうれしいです 。
この2作は、どちらも私が好きなものをテーマにした短編です 。
ひとつは少しアクションのある冒険もの、もうひとつは家庭を描いたたもの、この二作を通して、人と人との感情や暖かさを感じてもらえるとうれしいです 。
今回皆さんに見てもらえるのに コロナのため東京に行かれないのは残念です 。
新作ができたらたくさんの皆さんと現場で交流できたら良いなと思っています」
ここからは、秋の映画祭情報をお伝えします。
台湾では、コロナの影響で台北電影節が延期になったため、秋に大きな映画祭が集中することになりました。
まずは、9月23日から10月7日に開催の台北電影節のオープニングとクロージング作品をご紹介します。
オープニングは九把刀(ギデンズ)監督の『月老』。
月老というのは、台湾の縁結びの神様のことです。
九把刀の小説を黃立成(ホアン・リーチェン)のプロデュースで映画化、これまでの青春映画や学園ホラーとは違う、九把刀にとって初めてのラブストーリーです。
本作は突然の死で月老(縁結びの神)になった青年が、ミッションのため冥界とこの世を行き来するというストーリーで、主人公を九把刀作品でお馴染みの柯震東(クー・チェンドン)が演じます。
共演は宋芸樺(ビビアン・スン)、そして『返校』などで急成長の王淨(ワン・ジン)が加わりました。
また、馬志翔(マー・ジーシアン)が悪役で出演しているのも、楽しみです。
『月老』は、この後11月26日から先行ロードショー、12月2日から台湾全土で公開となります。
そしてクロージングは久々の陳柏霖(チェン・ボーリン)主演作『詭扯(Treat or Trick)』。
プチョン国際ファンタスティック映画祭では審査員特別賞を獲得し、台北電影奨では5部門にノミネートされています。
48時間以内にギャングの証拠品を回収するというミッション達成のため、主役の刑事 陳柏霖が不思議な村へ潜入するというストーリー。
共演は陳意涵(チェン・イーハン)、劉冠廷(リウ・グァンティン)、陳以文(チェン・イーウェン)、林鶴軒(リン・ハーシュアン)、侯彥西(ホウ・イエンシー)という豪華な布陣です。
台湾での一般公開は、11月12日から。
続いては高雄電影節、10月15日から31日まで 開催されます。
年度ごとに決めたテーマの作品を世界各国から集めて上映、今年は「謎幻樂園」、ミステリー&ファンタジーということでしょうか。
その他にも世界各国から新作や話題作の上映、2011年からスタートした国際短編映画コンペティションのノミネートが発表されました。
今年は91ヶ国からエントリーされた2422作から81作が選ばれ、ワールド部門、台湾部門、VR部門に分かれて競います。
先ほどご覧いただいた『猫とハエ』は、台湾部門にノミネートされています。
そして、11月11日から28日に開催される金馬影展、オープニングとクロージング作品が発表されました。
オープニングは何蔚庭(ホー・ウェイティン)監督の『青春弒戀』。
台北の西門町や萬華地区一帯を舞台に、現代とレトロが融合する中で全く知らないZ世代の6人のメインキャラクターが出会い、事件が起きるという内容です。
主演の林柏宏(リン・ボーホン)と林哲熹(リン・ジャーシー)、李沐(リー・ムー)、陳庭妮(アニー・チェン)、姚愛寗(ヤオ・アイニン)という素晴らしい若手キャスト達が火花を散らします。
このオープニングの後、11月19日から台湾で一般公開となります。
クロージングは、先日亡くなった台湾映画界のレジェンド李行(リー・シン)の映画スピリットと人生を綴ったドキュメンタリー『行影.不離』です。
何平則(ホー・ピンザ)監督が、李行監督の作品と台湾映画の発展との密接な関係の深い分析に加え、偉大な監督のリアルな人生を捉える貴重な作品。
これに加えて、李行監督の代表作『秋決(Execution in Autumn)』のデジタルリマスター版ほかを上映予定です。
上映作品のラインナップはまだ発表されませんが、東京国際映画祭は10月30日(土)〜11月8日(月)の開催です。
今年はAmazon Prime Videoの協賛により、短編の審査によって才能ある新人監督を発掘する「Amazon Prime Video テイクワン賞」が、新たに設立されました。
日本でも短編映画が注目され、新人監督発掘の道筋ができるというのは、とてもうれしいニュースです。
今年は、会場が日比谷・銀座地区になり、角川シネマ有楽町、シネスイッチ銀座、東京国際フォーラム、TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ 日比谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、有楽町よみうりホールほかになります。 昨年から東京国際映画祭と連携することになった東京フィルメックスは、10月30日から 11月7日の開催予定です。
今年からプログラム・ディレクターが市山尚三さんから神谷直希さんに交代になりました。
開催についての詳細はこれから発表されると思いますので、公式サイトなどをチェックして下さい。
福岡では、「台湾映画祭2021」が、10月15日から17日に福岡アジア美術館8F「あじびホール」で開催されます。
上映作品は、原住 民のゲイの青年と彼の生き方や彼を取り巻く仲間、家族の人間模様を描いた『アリフ・ザ・プリン(セ)ス(原題:阿莉芙)』孤独な男と女の愛と喪失、再生の物語が少ない台詞と美しい映像で綴られる『河豚』、、アニメオタクの主人公の恋と孤独、貧困家庭や引きこもりなどの社会問題も盛り込んだ『よい子の殺人犯(原題:最乖巧的殺人犯)』環境汚染と腐敗政治を描いた社会派ミステリー『HIGH FLASH 引火点(原題:引爆點)』、の4作です。
お近くの方は、ぜひご覧下さい。
では、最後に最新情報をお伝えします。
台湾文化センターと日本映像学会アジア映画研究会の共催による「よみがえる台湾語映画の世界」が、10月2日(土)のアテネ・フランセ文化センターと、10月15日(金)~17日(日)に 国立映画アーカイブ 小ホールで開催されます。
1960年代に人気を博した7本の台湾語映画(台語片)がデジタル復元され、日本語字幕付きで現代によみがえります。
10月2日(土)のアテネ・フランセ文化センターでは『チマキ売り』の記念上映と、国際シンポジウムが行われます。
どちらも申込制ですので、詳しくは、こちらをご覧下さい。
そして、世界の巨匠侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督を、フランス映画を代表する映画監督のオリヴィエ・アサイヤスが追った伝説のドキュメンタリー映画『HHH:侯孝賢 デジタルリマスター版』が、9月25日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開になります。
この映画は、第20回東京フィルメックス特別招待作品フィルメックス・クラシックで上映され、今春「台湾巨匠傑作選2021 侯孝賢監督デビュー40周年記念 ホウ・シャオシェン大特集」でもプレミア上映になり、特に注目を集めて、待望の劇場初ロードショーが決まりました。
内容は、台湾ニューシネマをフランスに紹介してきたオリヴィエ・アサイヤス監督が台湾を訪れ、素顔のホウ・シャオシェン監督に迫ったもの。
取材当時、侯孝賢監督は『フラワーズ・オブ・シャンハイ(原題:海上花)』(98)の脚本を執筆中でした。朱天文(チュウ・ティェンウェン)、呉念真(ウー・ニェンチェン)ら侯孝賢監督と共に台湾ニューシネマを牽引した映画人たちへのインタビューを中心に、『童年往事 時の流れ』(85)『冬冬の夏休み』(84)『悲情城市』(89)『戯夢人生』(93)『憂鬱な楽園』(96)の映像と共に侯孝賢監督とアサイヤス監督が作品にゆかりのある鳳山、九份、金瓜石、平渓、台北をめぐります。
このアフタートークは、映像として10月31日までアーカイブ配信しています。
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=39b2b26bb54a5a19d137adafeca119ac
また、曹仕翰(ツァオ・シーハン)監督のインタビュー音声は、9月27日(月)から、許承傑(シュー・チェンジエ)監督のインタビュー音声は、10月4日(月)からPodcastで配信予定です。
どうぞ、お楽しみに!
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