第17回大阪アジアン映画祭オープニング&クロージング作品決定!
3月10日(木)から20日(日)に開催する、第17回大阪アジアン映画祭の、オープニング作品、クロージング作品が決定しました。
オープニング作品は、中国・日本・韓国合作『柳川』(監督:張律(チャン・リュル))、クロージング作品は、デンマーク・ノルウェー・日本合作『MISS OSAKA(原題)』(監督:ダニエル・デンシック (DanielDENCIK))と、くしくも外国人監督が日本を舞台に撮影した作品で開幕し、閉幕します。
そして、『柳川』には池松壮亮、中野良子、『MISS OSAKA(原題)』には南果歩、森山未來、阿部純子が重要な役で出演、いずれの作品も日本から実力派俳優が参加しています。
これまで大阪アジアン映画祭では、合作映画など映画制作・製作における国境を跨ぐ流れについて紹介してきましたが、そのことを象徴するような2作となりました。
オープニング作品『柳川』は3月10日(木)梅田ブルク 7 にて日本初上映、クロージング作品『MISSOSAKA(原題)』は、3月20日(日)ABC ホールにて日本初上映されます。
オープニング作品『柳川』
中年になり自分が不治の病であることを知ったドンは、長年疎遠になっていた兄・チュンを柳川への旅に誘う。柳川は北京語で「リウチュアン」と読み、2人が青春時代に愛した女性「柳川(リウ・チュアン)」と同じだった。
20年ほど前、チュンの恋人だったチュアンは、ある日突然、姿を消してしまったが、今は柳川で暮らしているという。誰にも理由を告げずに消えた彼女の存在は、兄弟の中で解けない謎になっていた。
2人は、柳川でついにチュアンと再会する。
監督・脚本を手掛けた張律(チャン・リュル)監督は中国出身の朝鮮族で、これまで韓国映画を送り出し、ヴェネチア、カンヌ、ベルリンなど世界の映画祭で高く評価されてきました。日本でも『キムチを売る女』『慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ』『春の夢』が劇場公開、OAFF では2019年に『群山:鵞鳥を咏う』が上映されています。
本作は『福岡』に続く、日本を舞台にした第2作であり、中国出身ですが韓国を中心に活動してきたチャン・リュル監督にとって、『豆満江』以来11年ぶりの中国語映画となります。
チュアンを演じるのは、張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『金陵十三釵』(2011)でデビューを果たし、今や中華圏で絶大な人気を誇る倪妮(ニー・ニー)。兄弟を演じる辛柏青(シン・バイチン)と張魯一(チャン・ルーイー)は『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』(妖猫伝)でも共演している実力派俳優。
さらに日本からは『アジアの天使』(OAFF2021 クロージング作品)など国際共同制作作品にも積極的に参加している池松壮亮と、『君よ憤怒の河を渉れ』などで中国での圧倒的な知名度を誇る中野良子が出演。
チャン・リュル監督にとって初めて中国スターを主演に迎えた作品であり、初めて日本人人気スターを起用した作品でもあります。
本作は2021年の平遥国際映画祭(開幕作品)と釜山国際映画祭で同日ワールドプレミア上映され、2022年秋、日本で一般公開予定。
クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』
24歳のイネスは自分に自信が持てず、「別の誰かになりたい」という願望をいつも抱いていた。恋人のノルウェー出張に同行したイネスは、大阪からやってきた謎めいた女性・マリアと出会う。そして、マリアの事故死をきっかけに、自分自身を葬りマリアになりすますことを決意。
新しい人生を求め、すべてを捨てて大阪へと旅立つイネス。ナイトクラブ“MISS OSAKA”の名刺を手にした彼女は、ネオンが輝くパラレルワールドの奥深くへと導かれていく。
イネスの、「別の誰かになりたい」という願望を追求する旅が始まる。
監督を務めるのは、作家としても活躍するデンマークの若き俊英、ダニエル・デンシック。本作ではプロデュースと脚本も手掛けています。
2014年、デンマークアカデミー賞の最優秀短編ドキュメンタリー賞を獲得。2015年、西アフリカのガーナとブルキナファソで撮影した初の長編劇映画『Gold Coast』はカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で上映されました。
長編2作目となる本作は、雄大なノルウェー北部と喧騒に包まれた街・大阪を舞台に、アイデンティティが溶け合う現代で、自分であること、人を愛することとは何かをテーマに据え、真実と虚偽が交差するスリリングなミステリー映画を作り上げています。
イネスを演じるのは、2020年にベルリン国際映画祭シューティング・スター賞を受賞したデンマークの新星、ビクトリア・カルメン・ソンネ(『ウィンター・ブラザーズ』『ビッチ・ホリデイ』)、恋人役のミケル・ボー・フォルスゴーは『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』でベルリン国際映画祭主演男優賞を獲得するなどデンマークのスター俳優。
そして日本から、ナイトクラブ“MISS OSAKA”の闇を彩るメンバーとして、森山未來(『オルジャスの白い馬』『アンダードッグ』)、阿部純子(『2つ目の窓』『リング・ワンダリング』)、南果歩(『伽倻子のために』『「オー・ルーシー! OH LUCY!」』)が出演。日本とデンマークの実力派俳優がここに集結しました。
また、音楽を手掛けるのは、サキソフォン奏者、作曲家の清水靖晃(TV ドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度について」)。そしてデンマークのプロデューサー、マイケル・ハスランド=クリステンセン(Michael HASLUND-CHRISTENSEN)のもと、日本側のコプロデューサーとして山本晃久(『スパイの妻』『ドライブ・マイ・カー』)が参加しています。
監督は「大阪は私がずっと魅かれていた場所です。少年時代には、まったく別世界のような気がしていました。私はこの映画に子どものころから抱いてきたテーマを詰め込みました。それは、運、運命、偶然の産物、偽物と本物、アイデンティティを変えるということ、つまり人生という冒険についてです」と、コメントを寄せています。
2022年内、日本で一般公開予定。
※第17回大阪アジアン映画祭に関する記事
2022/01/31
第17回大阪アジアン映画祭開催概要、オンライン座・オープニング作品決定!
http://www.asianparadise.net/2022/01/post-89b86b.html
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