2022大阪アジアン映画祭 香港映画『はじめて好きになった人(原題:喜歡妳是妳)』吳詠珊(キャンディ・ン)・楊潮凱(ヨン・チウホイ)監督インタビュー
https://www.oaff.jp/2022/ja/ で上映された香港映画『はじめて好きになった人(原題:喜歡妳是妳)』の吳詠珊(キャンディ・ン)・楊潮凱(ヨン・チウホイ)監督に、オンラインインタビューしました。
本作は、2003年の香港を舞台に、女子校の同級生ふたりの愛を描いた物語で、ABCテレビ賞を受賞しました。
監督の楊潮凱(ヨン・チウホイ)は、TVBで俳優や司会者をつとめていてますが、今回は大学時代の同窓生である吳詠珊(キャンディ・ン)と共同
監督としてのデビューになります。
これまで台湾では多くの優れた青春映画がありましたが、最近は少なくなっていて、かつてあまり多くなかった香港で、近年青春映画が次々と生まれてきているという、とてもおもしろい現象があります。
台湾の『あの頃、君を追いかけた(那些年 我們一起追的女孩)』が香港で歴代興行成績トップの座を獲得した時もありました。
ところが、香港映画界の中国化が進む中、ローコストで"純香港映画"を撮ろうという若い監督が増えてきて、大阪アジアン映画祭でもそういった青春映画が毎年紹介上映されています。
しかも本作は同性愛を扱った青春映画ですから、台湾映画のおはこが香港映画界へ…という図式が見えます。
今回監督たちは、金融危機やSARSという社会状況の中で自分たちが思春期を過ごした2003年を主な舞台に設定し、ジェンダーには拘束されない"愛とは何か"を探求したいと、この物語を作ろうと思ったそうです。
吳詠珊監督が女子校出身で、周りの友人の物語に感動しヒントを得たそうですが、楊潮凱監督は「主人公たちの考えをどう理解するかは男性のぼくにとって難しい。でも色々リサーチしていく上で共感を覚えるようになり、これを切り口として、リサーチから脚本の段階まで4〜5年かけてわかってきた。愛について理解を深められるようになった」と、語っていました。
色々伺う中で、日本でも台湾やタイのBLドラマが人気だったり、同性愛を描いた作品は圧倒的に男性同士の物語が多く、商業的にも成功例が多くなっている中、こういう選択肢はなかったのか、という質問をすると、大笑いされました。
「マーケティングは全く考えていなかった。それに僕は男子校でしたが、周りにカップルはいなかったし」と、楊潮凱監督。
この他、お二人が影響を受けた監督や作品、今後の展望などをお聞きしたインタビューは、後日Podcast配信します。
『はじめて好きになった人(原題:喜歡妳是妳)』
監督: 吳詠珊(キャンディ・ン)、楊潮凱(ヨン・チウホイ)
出演: 談善言(ヘドウィグ・タム)、楊偲泳(レンシ・ヨン)、黃修平(アダム・ウォン)、陳健朗(チャン・キンロン)
大阪アジアン映画祭の紹介ページ
https://www.oaff.jp/2022/ja/program/hk03.html
なお、『狂舞派3』シリーズの黃修平(アダム・ウォン)監督や『手巻き煙草(原題:手捲煙)』の陳健朗(チャン・キンロン)監督も出演していて、特に黃修平監督のモテモテ教師は注目です。
関西地区限定ですが、ABCテレビで放送されるときは、ぜひチェックして下さい。
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