2022台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜革新と継承〜」第4回『一人にしないで(原題:不想一個人)』オンライン開催! 俳優たちの演技と監督の演出力に賞賛の声!
2000年以降の台湾映画の新しい流れがどのように台湾映画の"いま"に繋がってきたのか、そして"いま"何が起きているのかをお届けする台湾文化センターとアジアンパラダイス共催のイベントシリーズ、第4回の今日上映するのは、社会の光のあたる所で活躍していても心の空洞を埋められない女性、陽の当たらない場所でわずかな光を求める男女が織りなすラブストーリー『一人にしないで(原題:不想一個人)』を上映しました。
本作は、7月9日に行われた台北電影奨で、范少勳の主演男優賞、撮影賞、美術デザイン賞、メイク&コスチュームデザイン賞にノミネートされ、撮影賞を受賞。昨年の金馬獎では温貞菱の助演女優賞と美術デザイン賞にノミネートされました。
アーロンとナイウェンの距離感、アーロンと金沙の距離感の描き方がとても胸に刺さり、味わい深い孤独感を表していましたね。
この若い3人の俳優は皆意外性の高い配役で、それぞれこれまでのイメージと殻を破った演技が印象的でした。
アンケートでもこの俳優達の演技には多くの観客から賞賛が集まり、アフタートークでお話しした監督の演出力に高い評価が寄せられました。(以下、回答の抜粋)
「役者ひとりひとりの表情が本当に良かった。その表情や細かな仕草で彼らの心の中がこちら側に伝わってくる」「3人の俳優の役どころが、今まで違ってて新鮮だった。それぞれの孤独な心理描写も良かった」「范少勲の目の演技に引き込まれ、間の取り方にグッと来た」「温貞菱の、セリフのない、ちょっとした演技がとても雄弁ですごい表現力」「監督がこだわったという俳優の目線の話が興味深った」「監督への細やかな取材を基にした解説や裏話がおもしろかった」「カメラワークやライティングにより画面が一層引き立てられ、まるで一枚の絵のように見えるシーンがたくさんあった」
作品全体の印象も、見終わった観客に委ねるオープン・エンディングにより、様々な印象や味わいを感じていただけたようでした。(以下、回答の抜粋)
「とても味わい深く、終わり方もどのような視点から物語を見ているかで異なる続きが想像できるところが面白かった」「人間模様もウェットになりすぎず、客観的になりすぎない程よいタッチがかえって、後からじわじわくるような不思議な余韻が感じられた」「ラストカットがとても印象的で心に残った」「BGMが全然使用されずに淡々と進むところと、説明を少なめにしてそれぞれの関係性や起こってる事を想像させていく演出に唸った」「3人それぞれの相手を求める気持ちや微妙な距離感に胸が痛くなった」
アフタートークでは本編の解説のほかに、先ごろ行われた台北電影賞の授賞式についてお話しし、台湾映画の奥深さを感じていただけ、人気俳優たちのエピソードも楽しんでいただけました。(以下、回答の抜粋)
「難しいシーンをどのように撮ったかなどを知ることができて、とてもよかった」「解説を聞くと、本当に映画に深みが増す」「映画制作時のエピソードや俳優たちの近況などがきけて良かった」「なるほど!と思える丁寧な解説」「台北電影節のリポートがたっぷり聞けて楽しかった」「受賞についての細かい情報がおもしろかった」
この映画は、昨年12月に台湾で公開され、今年3月の大阪アジアン映画祭でも上映されました。監督は、社会派作品で定評のある范揚仲(ファン・ヤンジョン)監督です。
2016年の台湾の脚本コンペティション優良電影劇本に入選した本作を、プロデューサーの黃江豐(ホアン・ジャンフォン)が気に入り、映画化に向けて進みました。
それまでリアルな社会問題をテーマにした作品を作っていた監督ですが、今回はそれに恋愛要素を加えようということになり、ロマンチックなラブストリーの中に残酷な現実を融合させた作品になりました。
まずは范揚仲監督のプロフィルをご紹介します。
1999年に映画製作の仕事をスタート、助監督時代を経て2011年に『那一年 曾做錯的事』が短編映画アワード金穗獎で最優秀劇映画賞を受賞、2013年の『權力過程』 は台北電影奨で助演女優賞、金鐘獎のテレビ映画部門で作品賞、監督賞、助演男優賞、脚本賞を獲得しました。
そして、8年ぶりの長編がこの『一人にしないで』です。
そして、監督の脚本を映画化した黃江豐(ホアン・ジャンフォン)プロデューサーについても、ご紹介します。
1997年に三池崇史監督が台湾と日本のスタッフ・キャストで撮った『極道黒社会 RAINY DOG(雨狗)』からキャリアをスタート。
2002年に台湾ミステリー映画の起点となった『ダブル・ビジョン(原題:雙瞳)』や『僕の恋、彼の秘密(原題:十七歲的天空)』、『ジャンプ!阿信(原題:翻滾吧!阿信)』、『祝宴!シェフ(原題:總舖師)』、『コードネームは孫中山(原題:行動代號:孫中山)』ほか多くの名作を手がけています。
台湾では監督が脚本アワードに入賞し、そこから有能なプロデューサーが若い才能を見出してその監督を育てるという、好循環があります。
黃江豐プロデューサーと范揚仲監督は以前から関わりがありましたが、製作と監督という立場は今回が初めてだそうです。
本作は製作開始から公開までかなり時間がかかっています。それは、リサーチに時間をかけたからです。
脚本の改稿から実際に風俗の仕事をしている人たちにリサーチをし、書き上げてからもさらにリサーチは続いたそうです。
監督が取材する中で意外だったことは、風俗の仕事をしている女性たちが世間で伝えられているようなステレオタイプではなかったこと。
そうして、彼女たちのリアルな生活や習慣などを映画の中に反映させました。
具体的な例としては、こういう仕事だから肌を見せるのにあまり抵抗はないだろうと思いがちですが、実はそうではないということ。
彼女たちは、実はギリギリまで肌を見せることをしたがらないのだそうです。
映画の中で、あとでカットしたそうですが金沙が客と一緒にお風呂に入るシーンがあり、そこでは金沙は服を着たまま客の身体を洗いました。
それに対して、スタッフから服を着ているのは不自然だという声も上がりましたが、実際の彼女たちは服を着ていることがリアルだというリサーチ結果の反映でした。
最初にメインキャスト3人の心の距離感の描きかたが胸に刺さったと申し上げましたが、これはカメラマンの力が大きかったそうです。さすが、撮影賞受賞だけありますね。
監督はカメラマンと、心の距離感をビジュアル的にどう見せるかを話し合い、 俳優には社会的立場を目の位置で表すようにリクエストした、と言っています。
アーロンとナイウェンではナイウェンのほうが上なので、アーロンはナイウェンを見上げる。金沙の場合はアーロンが見下ろすという演出。
この事は、撮影前にも撮影中にもしっかりキープするように俳優たちに話し、目線の上下でそのふたりの関係性や距離感、孤独、寂しさなどを表したというわけです。
主演の范少勳のキャスティングポイントは、純真さ、だそうです。
オーディションの時はすでに20代になっていましたが、純粋さがあり、とても良いと思ったということです。
そして、徒歩で台湾一周したという話を聞き、すごいパワーを持っているなと監督は驚きましたた。そういうやり遂げるパワーを持っているのは、今回の役にふさわしいと思ったそうです。
全力で役に知り組むところが素晴らしいと褒め讃え、経験や技術はまだですが、全身全霊で役に向かい合ったので、観客にもアーロンの心模様が伝わったのではないか、と言っていました。
范少勳の演技で特に印象的だったのは、オークションに参加した後、パーティーで外で煙草を吸うシーン。そこで自分が置かれた環境やコンプレックス、セレブたちの世界には場違いで溶け込めないという感情がよく出ていたということです。
もう一つ、金沙とのソファでのシーン。身体を重ねようとするけど彼の心にはすでに他の人がいるため「妹みたいに感じる」と言います。ここはとても良い演技だったと、言っています。
范少勳は、昨年この上映&トークでご覧いただいた主演作『僕らの後半戦』が『運命のマッチアップ』というタイトルで今公開中ですが、この作品で2019年に金馬奨の新人賞を獲得しました。
モデルから俳優へという若手イケメン俳優の王道ルートを進んできましたが、日本のドラマファンの皆さんは「HIStory2-越界」で彼を知った方も多いと思います。
ドラマ「通靈少女2 」でも主役、2021年ののドラマ版『悲しみよりもっと悲しい物語(原題:比悲傷更悲傷的故事)』に主演するなど順風満帆。
今年は映画『初戀慢半拍 Mama Boy』に主演ドラマ2作が控える、勢いが止まらない期待の星です。
画廊のオーナー役は、とにかく美しいと言うことが重要だったので、莫允雯はぴったり。オーディションで話していると、爆発しそうな力を感じたことが決め手だったと、監督が言っています。
特に、高速道路上のシーンでは、車から降りて感情を爆発させる表現が、監督が欲しいと思った演技そのものでした。
高速道路上なので撮影は色々たいへんですが、彼女のお陰で撮影もとても早く終わった、ということです。
莫允雯は映画の経験が少なく、今回は勇気も必要な役でしたが、準備段階で監督と范少勳と3人で心の対話という方法をとり、これがナイウェンの役作りや演技の助けになったのではないか、と監督が言っていました。
台湾とアメリカのミックスという美貌の莫允雯は、ドラマ『いつでも君を待っている』が日本でも放送されているので、ご存知の方が多いかも知れませんね。
アイドルドラマのゲストや助演が多かったのですが、2019年の『いつでも君を待っている』が本格的なヒロインデビュー。2020年の金鐘獎で主演女優賞にノミネートされ、本作で映画初ヒロインとなりました。
新作ドラマ『恋愛は科学!? -What is Love?-』が、7月5日からホームドラマチャンネルで放送中です。
温貞菱は3人の中で一番経験が豊富で、監督はこれまでずうっと注目して色々な作品を見てきていたので、彼女に決めたそうです。
表情の切り替えが素晴らしく、金沙は元気なキャラクターですが、次のシーンで すぐに静かにアーロンを慰めたり、切り替えと金沙の内面をしっかり表現できていて凄い。
アーロンとのソファでのシーンも、感情をぶつけたり押さえたりという演技が素晴らしかった、と絶讃しています。
この温貞菱、若手女優では群を抜いた演技力で、多くの監督が"使いたい女優"としてオファーが絶えず、様々な役を演じています。
ドラマはアイドルドラマではなく、公共電視の文芸作品や社会派ドラマの出演がメインで、デビュー4年目で『曉之春』により金鐘獎の助演女優賞、2017年には『最後的詩句』で主演女優賞を受賞。昨年は歴史大作ドラマ『斯卡羅』で堂々の主演を果たしました。
映画も『共犯』、『血觀音』、『ひとつの太陽(原題:陽光普照)』など話題作に出演し、2019年の『ひとつの太陽』で、2021年は本作で金馬奨の助演女優賞にノミネートされています。
若い3人を支えるのが、ベテランの陳以文(チェン・イーウェン)と、個性派の納豆(ナァドゥ)。
監督でもあり、俳優としては多くの受賞歴のある陳以文、鍾孟宏(チョン・モンホン)作品で俳優としての地位を確立した納豆は、抜群の演技力と存在感で、本作に厚みを加えています。
監督は、若いメインキャストたちを支えたり、時にはサポートできるベテランが必要だと思い、演技力のあるこの二人をオファーしたと言っていました。
そして、とてもスペシャルなキャスティングがあります。
アーロンの父親役です。
台湾ではこの年代の俳優が少なく、ちょっと悪い感じもある役なので、探すのに時間がかかったそうです。
実は、この方、俳優としてのキャリアも長いのですが、照明のプロである虞金寶(ユー・ジンバオ)。
仲間の仕事で彼の写真を見て、イメージにピッタリだったのでお願いしたということです。
監督のオファーに、脚本を読んで迷うことなく承諾してくれたということで、とても味のあるお父さんを演じていましたね。
撮影でたいへんだったのは、やはりベッドシーンだそうです。
色々な制約もあり、監督と俳優たちがよく話し合い、時間をかけて信頼関係を作って臨んだということです。
監督たちがどのようにベッドシーンを作るか、細かいプランを俳優達たちに見せて、彼らが納得できるようにして撮影しました。
さらに、撮影前の数日間、監督と俳優たちは一緒に生活をして、映画の中のことを経験する時間も作ったそうです。
それによって、みんなの信頼関係が強まりました。
この共同生活は、仕事と言うよりみんなで遊んでいたという感じ。とにかくお互いを知るということが大切だったので、この方法をとった、ということです。
そして、范揚仲(ファン・ヤンジョン)監督からのメッセージをご覧いただきました。
ここからは、7月9日に行われた台北電影獎の発表授賞式についてお伝えします。
台北電影賞は、長編劇映画、短編、ドキュメンタリー、アニメーションの4つのジャンルそれぞれ作品賞が選ばれ、その中から一番優れた作品に最高賞である100万元大賞が贈られます。
今年はその100万元大賞を、ドキュメンタリー映画『神人之家』が獲得しました。
台北電影賞の歴史の中で、ドキュメンタリー映画が100万元大賞を受賞することが多く、24回のうち12作、半数をドキュメンタリーが占めています。
百万元大賞とドキュメンタリー映画賞、編集賞を受賞した『神人之家』は、20年ぶりに故郷へ帰った盧盈良(ルー・インリャン)監督が、家族と向き合い、小学生の頃から霊能力者だった兄との再会を記録した作品です。
監督は一貫して社会と弱者たちを描記録し、今回は「家族、土地、信仰を誠実かつ細やかに構成し、挑発的ではなく、感動的に仕上げた。 制御された感情と記録のバランスはとても深遠だ」という評価でした。
監督は「審査員の皆さんの温かい心は、我々にとって大きな励みになります」とスピーチしていました。
長編劇映画賞は、昨年の金馬奨でも好成績を残した『美國女孩(アメリカン・ガール)』。
日本では昨年の東京国際映画祭で上映されました。
2003年のSARSが流行した台湾を舞台にした家族の物語ですが、「堅実で奥深い脚本と演出、豊かで繊細な演技、そしてすべての技術的な分野における高い水準で質の高い作品に仕上がっている」という授賞理由でした。
阮鳳儀(ルアン・フェンイー)監督は、「新人監督にチャンスをくれた製作会社に感謝します。また次の新人監督がここに立つことを望みます」と語っていました。
3作目の監督作『月老』で初の監督賞受賞となった九把刀(ギデンズ)は、トロフィーを受け取ると「柯震東が受賞したのを見て、私にもチャンスがあるのではないかと思いました」と場内を笑わせ、「数日前に、妻から2つめの賞をもらいました」と、第二子の誕生を報告、とても嬉しそうでした。
授賞理由は「独特なストーリーとスタイルで芸術的価値と商業性を融合させた。脚本、演技、メイク&コスチューム、美術、特殊効果などの統合は、監督の手腕と常に新しいアイデアを求める真摯な姿勢の表れだ」ということです。
『あの頃、君を追いかけた(原題:那些年,我們一起追的女孩)』で鮮烈なデビューをし、期待の中で事件と自粛期間を経て復帰という波瀾万丈の柯震東(クー・チェンドン)ですが、『月老』で様々な経験による成長がもたらした初の主演男優賞。
授賞理由は「自信とカリスマ性を持ち、自然な演技だった。 説得力ある役作りで、観客をドラマに引き込むことに成功している」
名前を呼ばれた時は"まさか"という顔で、全く予想していなかったらしく、スピーチの準備をしていなかったそうです。
「審査員と制作チーム、監督、そして2人のヒロイン王淨(ワン・ジン)と宋芸樺(ビビアン・ソン)、家族に感謝します」とあっさりした内容でした。
受賞者はすぐにプレスルームに行くので、九把刀の監督賞受賞をそこで聞いた彼は、膝を落とし「信じられない!」と興奮していたそうです。
2014年の『EXIT(原題:迴光奏鳴曲)』に続き、同じ錢翔(チェン・シャン)監督の『修行』で二度目の主演女優賞を受賞した陳湘琪(チェン・シアンチー)は、ステージに上がるとまず「あなたは永遠に私の最優秀監督です」と錢翔監督に向けて思いを述べ、「この賞を両親に捧げます。二人は見えないけど、きっと喜んでいるはず」と涙ぐみながら両親に感謝していました。
「浮気している夫と向き合う中年妻の憂鬱と不安を、わずかなセリフで見事に描ききっている。 台詞のないシーンが多い中、生きた女性像を見事に表現した」という授賞理由です。
日本でもNetflixで配信が始まった『呪詛(原題:咒)』で初の助演男優賞を獲得した高英軒(ガオ・インジュエン)は、長年映画、ドラマ、舞台でキャリアを積んできました。
「天国の父に感謝します。24年、5つのステップを超えてきた…。2年前にこの仕事を諦めようと思ったこともある。でもこの映画で受賞の機会をもらえました。ノミネート者はみな凄い、僕は優秀な俳優ではないけれど、今日は幸運に恵まれました。ありがとうございます」と、涙ながらにスピーチしました。
大逆転の授賞理由は、「淡々とした演技が細かくリアルで魅力的、目を見張るものがあった」ということです。
昨年の金馬奨に続き、『阿修羅/アシュラ(原題:該死的阿修羅)』で助演女優賞に輝いた王渝萱(ワン・ユーシュアン)は、「2つの金をいただきましたが、私自身はまだこの金のように輝いてはいません。光を放てるようにこれからも努力します」とキラキラした笑顔でスピーチしていました。
「立体的なキャラクター作り、のびのびとした演技で物語を見事に支えた。 可鍛性の高い俳優として楽しみな存在だ」と、伸びしろに期待した授賞理由です。
同じく昨年の金馬奨に続き、『アメリカンガール(原題:美國女孩)』で新人賞を獲得した方郁婷(ケイトリン・ファン)。
まだ16才ながら、金馬奨でも台北電影奨でも主演女優賞にもノミネートされた演技力は本当に凄いですね。
「ベテランをを相手に堂々とした演技を見せ、心に響くものがあった。 エネルギーに満ち溢れた表現で、今後が楽しみだ」という授賞理由です。
「オーディションから撮影、そしてここまで来ましたが、夢のような旅です。林嘉欣(カリーナ・ラム)さんには色々指導してもらい、ずうっとサポートして励ましてくれました」と、会場にはいないママ役に感謝していました。
さて、今年のパフォーマンスゲストは、四分衛(Quarterback)。
「酒矸倘賣無」、「抉擇」、「魯冰花」、「盡在不言中」、「I Love U」のメドレーで、親子の情を描いた数々の台湾映画の名シーンがスクリーンに映し出されました。
ボーカルの阿山こと陳如山(チェン・ルーシャン)は、2018年に映画『先に愛した人(原題:誰先愛上他的)』で邱澤の恋人役として俳優にも挑戦、その後もドラマ『HIStory3 那一天~あの日(原題:HIStory3-那一天)』や『歩道橋の魔術師(原題:天橋上的魔術師)』、『四樓的天堂』、映画『つかみ損ねた恋に(原題:我沒有談的那場戀愛)』に出演していますが、やはり歌っている姿は素敵です。
プレゼンターのエピソードもご紹介しておきます。
100万元大賞を受賞して、『神人之家』の皆さんがステージに上がった時、編集賞を獲得した黃懿齡が邱澤(ロイ・チウ)にハグをリクエストし、盧盈良監督が「ダメだろう、新妻(許瑋甯)がすぐそこにいるのに」と笑って言いましたが、邱澤はしっかりハグしてあげました。
4年前『先に愛した人(原題:誰先愛上他的)』で邱澤が主演男優賞に輝いた時、プレゼンターが許瑋甯だったのですが、葉如芬(イエ・ルーフェン)プロデューサーが「これも映画祭の隠れた妙」と言っていました。
その許瑋甯(アン・シュー)は、莫子儀(モー・ズーイ)と長編劇映画賞のプレゼンターをつとめましたが、昨日SNSで結婚を報告した莫子儀と、お互いにお祝いニュアンスの静かなやりとりをしていたのが印象的でした。
このふたりは2014年に『台北セブンラブ(原題:相愛的七種設計)』で恋人役で共演していて、莫子儀がSNSの結婚報告で書いた「一緒に年をとっていこう」という言葉を許瑋甯が引用して「私たちも一緒に年を取ってきたけど…」と言っていたのがおもしろかったですね。
ドキュメンタリー映画賞のプレゼンターを担当した朱芷瑩(チュー・ジーイン)と施名帥(シー・ミンシュアイ)も熱愛中らしく、なんとなくゴールイン間近?と思わせるやりとりをしていたと、台湾の新聞が報じています。
その他、一昨年に結婚し近々披露宴をするという楊祐寧(ヤン・ヨウニン)と今年の初めに結婚した楊謹華(シェリル・ヤン)が撮影賞のプレゼンターだったり、受賞以外にも、色々おめでたい雰囲気に包まれていた今年の授賞式でした。
この他豪華プレゼンターの写真は、アジアンパラダイスに掲載してありますのでご覧下さい。
最新情報。
今回の台北電影節でのオープニング作品としてがいち早く上映された『初戀慢半拍』が、8月26日から台湾で一般公開になります。
この映画は『台北の朝、僕は恋をする(原題:一頁台北)』、『Will You Still Love Me Tomorrow?(原題:明天記得愛上我)』に続く陳駿霖(アーヴィン・チェン)監督のロマンティックなラブストーリー。
徐若瑄(ビビアン・スー)と柯震東(クー・チェンドン)のダブル主役で、アラサーのマザコン青年が従兄弟に紹介された年上の女性にひと目ぼれする物語です。
今日ご覧いただいた『一人にしないで』の范少勳(ファン・シャオシュン)は憧れのビビアン・スーとの共演でとても緊張したそうです。
そして日本では近いところでは劇場公開作品がありませんが、台北電影賞で高英軒(ガオ・インジュエン)の助演男優賞と美術デザイン賞を獲得した『呪詛(原題:咒)』が、Netflixで配信が始まりました。
高雄を舞台に、ある宗教施設でタブーを破って呪いを受けた女性が、6年後にあの時ののろいが自分の娘に降りかかったと知り、必死で我が子を守ろうとするのだが…というホラー。
3月に公開された台湾では1億7千万を売り上げ、今のところ今年一番の大ヒット作で、台湾の歴代ホラー映画でも群を抜いた成績です
台北電影節のベストマーケティング賞を受賞し、Netflixでも日本をはじめ5ヶ国でトップヒット、すでに続編の製作も発表されています。
このアフタートークは、映像として10月31日までアーカイブ配信します。
どなたでもご覧になれますので、ぜひどうぞ。
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=3f703699765733b6a8aaaa9f1a444e11
また、今回お話しを伺った范揚仲(ファン・ヤンジョン)監督のインタビュー音声は、7月26日(火)からPodcastで配信予定です。
そして、次回は8月20日(土)14時から。
珠玉の新作短編スペシャル『旅立ち(原題:姊姊)』『ゴッドハンド(原題:手事業)』『聞いちゃいない(原題:講話沒有在聽)』です。
どれも素晴らしい作品で、日本ではなかなか見る機会のない短編映画を、ぜひご覧下さい。
トークは本編解説、家族を描いた映画から見える台湾の生活と習慣。
詳細は7月24日に台湾文化センターとアジアンパラダイスでお知らせします。
どうぞ、お楽しみに!
★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。
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