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2022/07/10

2022年第24回台北電影奨授賞式と受賞者、パフォーマンスとプレゼンターエピソード!

0710tff_20220710205001 7月9日に台北の中山堂で行われた2022年第24回台北電影奨授賞式は、既報の通り最高賞の百万元大賞はドキュメンタリーの『神人之家』が受賞しました。
『神人之家』はこれにドキュメンタリー映画賞、編集賞と併せて三冠、昨年もドキュメンタリー『捕鰻的人』が百万元大賞を獲得し、『神人之家』は観客賞にも選ばれているので、台北電影奨と台湾の観客の特徴的な一面が見えた結果だと思います。
そして、『月老』が監督賞、主演男優賞、視覚効果賞、『素還真』はアニメーション映画賞、メイク&コスチュームデザイン賞、技術賞のアフレコ賞、『阿修羅/アシュラ(原題:該死的阿修羅)』は脚本賞、助演女優賞、音楽賞と、皆3つのトロフィーを獲得しています。

0709tff2 台北電影奨は、授賞式終了後にプレスルームでの会見で総評が明らかにされるのが定例となっており、今回も審査委員長の葉如芬(イエ・ルーフェン)が質問に答える形で決定までの経緯が明かされました。

一番難しかったのは主演男優賞。
45分の討論の末、第一回投票で『月老』の柯震東(クー・チェンドン)、『修行』の陳以文(チェン・イーウェン)、『一人にしないで(原題:不想一個人)』の范少勳(ファン・シャオシュン)が競いましたが、誰も過半数に届かず、2回目の投票で柯震東が9票で陳以文に競り勝ち、初受賞を決めたそうです。

主演女優賞は『アメリカンガール(原題:美國女孩)』の林嘉欣(カリーナ・ラム)と『修行』の陳湘琪(チェン・シアンチー)が最初の投票で6対6、2回目の討論の後1票差で陳湘琪が『EXIT(原題:迴光奏鳴曲)』に続き二度目の受賞。

助演男優賞は、最初『呪詛(原題:咒)』の高英軒(ガオ・インジュエン)は得票数が一番少なかったものの、2回目で大逆転が起こり、8票獲得して『月老』の馬志翔(マージーシアン)を破りました。

監督賞は、『月老』の九把刀(ギデンズ)が、1回目で12票獲得してすんなりと受賞を決めたそうです。

助演女優賞は『阿修羅/アシュラ(原題:該死的阿修羅)』の王渝萱(ワン・ユーシュアン)、新人賞の『アメリカンガール(原題:美國女孩)』の方郁婷(ケイトリン・ファン)は、どちらも1回目の投票で10票獲得し、さすが昨年の金馬奨受賞者という強さを見せたようです。


0710lu 百万元大賞とドキュメンタリー映画賞、編集賞を受賞した『神人之家』は、20年ぶりに故郷へ帰った監督が、家族と向き合い、小学生の頃から霊能力者だった兄との再会を記録した作品です。
盧盈良(ルー・インリャン)は一貫して社会と弱者たちを描記録し、今回は「家族、土地、信仰を誠実かつ細やかに構成し、挑発的ではなく、感動的に仕上げた。 制御された感情と記録のバランスはとても深遠だ」という評価でした。
監督は「審査員の皆さんの温かい心は、我々にとって大きな励みになります」とスピーチしていました。

0710american 長編劇映画賞は、昨年の金馬奨でも好成績を残した『美國女孩(アメリカン・ガール)』。
2003年のSARSが流行した台湾を舞台にした家族の物語ですが、「堅実で奥深い脚本と演出、豊かで繊細な演技、そしてすべての技術的な分野における高い水準で質の高い作品に仕上がっている」という授賞理由でした。
プロデューサーの苗華川が、エグゼクティブ・プロデューサーの林書宇(トム・リン)監督に「若い私たちのチームを信頼してくれてありがとうございます」と謝意を述べ、阮鳳儀(ルアン・フェンイー)監督は、「新人監督にチャンスをくれた製作会社に感謝します。また次の新人監督がここに立つことを望みます」と語っていました。

0710jiubaodao 3作目の監督作『月老』で初の監督賞受賞となった九把刀(ギデンズ)は、トロフィーを受け取ると「柯震東が受賞したのを見て、私にもチャンスがあるのではないかと思いました」と場内を笑わせ、「数日前に、妻から2つめの賞をもらいました」と、第二子の誕生を報告、とても嬉しそうでした。
授賞理由は「独特なストーリーとスタイルで芸術的価値と商業性を融合させた。脚本、演技、メイク&コスチューム、美術、特殊効果などの統合は、監督の手腕と常に新しいアイデアを求める真摯な姿勢の表れだ」ということです。

0710ke 『あの頃、君を追いかけた(原題:那些年,我們一起追的女孩)』で鮮烈なデビューをし、期待の中で事件と自粛期間を経て復帰という波瀾万丈の柯震東ですが、『月老』で様々な経験による成長がもたらした初の影帝。
授賞理由は「自信とカリスマ性を持ち、自然な演技だった。 説得力ある役作りで、観客をドラマに引き込むことに成功している」
名前を呼ばれた時は"まさか"という顔で、全く予想していなかったらしく、スピーチの準備をしていなかったそうです。
「審査員と制作チーム、監督、そして2人のヒロイン王淨(ワン・ジン)と宋芸樺(ビビアン・ソン)、家族に感謝します」とあっさりした内容でした。
受賞者はすぐにプレスルームに行くので、九把刀の監督賞受賞をそこで聞いた彼は、膝を落とし「信じられない!」と興奮していたそうです。

0710xianqi 2014年の『EXIT(原題:迴光奏鳴曲)』に続き、同じ錢翔(チェン・シャン)監督の『修行』で二度目の主演女優賞を受賞した陳湘琪(チェン・シアンチー)は、ステージに上がるとまず「あなたは永遠に私の最優秀監督です」と錢翔監督に向けて思いを述べ、「この賞を両親に捧げます。二人は見えないけど、きっと喜んでいるはず」と涙ぐみながら両親に感謝していました。
「浮気している夫と向き合う中年妻の憂鬱と不安を、わずかなセリフで見事に描ききっている。 台詞のないシーンが多い中、生きた女性像を見事に表現した」という授賞理由です。

0710gao 日本でもNetflixで配信が始まった『呪詛(原題:咒)』で初の助演男優賞を獲得した高英軒(ガオ・インジュエン)は、長年映画、ドラマ、舞台でキャリアを積んできました。
「天国の父に感謝します。24年、5つのステップを超えてきた…。2年前にこの仕事を諦めようと思ったこともある。でもこの映画で受賞の機会をもらえました。ノミネート者はみな凄い、僕は優秀な俳優ではないけれど、今日は幸運に恵まれました。ありがとうございます」と、涙ながらにスピーチしました。
大逆転の授賞理由は、「淡々とした演技が細かくリアルで魅力的、目を見張るものがあった」ということです。

0710yuxuan 昨年の金馬奨に続き、『阿修羅/アシュラ(原題:該死的阿修羅)』で助演女優賞に輝いた王渝萱(ワン・ユーシュアン)は、「2つの金をいただきましたが、私自身はまだこの金のように輝いてはいません。光を放てるようにこれからも努力します」とキラキラした笑顔でスピーチしていました。
「立体的なキャラクター作り、のびのびとした演技で物語を見事に支えた。 可鍛性の高い俳優として楽しみな存在だ」と、伸びしろに期待した授賞理由です。

0710fan 同じく昨年の金馬奨に続き、『アメリカンガール(原題:美國女孩)』で新人賞を獲得した方郁婷(ケイトリン・ファン)。
まだ16才ながら、金馬奨でも台北電影奨でも主演女優賞にもノミネートされた演技力は本当に凄いですね。
「ベテランをを相手に堂々とした演技を見せ、心に響くものがあった。 エネルギーに満ち溢れた表現で、今後が楽しみだ」という授賞理由です。
「オーディションから撮影、そしてここまで来ましたが、夢のような旅です。林嘉欣(カリーナ・ラム)さんには色々指導してもらい、ずうっとサポートして励ましてくれました」と、会場にはいないママ役に感謝していました。

0710pili そして、霹靂布袋戯の新作映画『素還真』にも触れておきたいと思います。
今回アニメーション映画賞、メイク&コスチュームデザイン賞、技術賞(アフレコ)の三冠に加えて、アウト・オブ・コンペのメディア推薦賞、Line Today観客選抜ポスター賞と、5つの賞を受賞。
本作は、霹靂布袋戯の口白師と呼ばれる声優、黃文擇(ホアン・ウェンザ)の遺作になりました。
一人で全てのキャラクターの声を演じ分ける技術は、台湾伝統芸能の至宝です。
霹靂の五代目社長である黃亮勛(ホア・リャンシュン)は、「黃文擇の貢献に感謝します。また、叔父の黄文生さんのご尽力に感謝します。皆さんが人形劇を楽しんでくれることを願っています」とスピーチしていました。

0710quarterback さて、今年のパフォーマンスゲストは、四分衛(Quarterback)。
「酒矸倘賣無」、「抉擇」、「魯冰花」、「盡在不言中」、「I Love U」のメドレーで、親子の情を描いた数々の台湾映画の名シーンがスクリーンに映し出されました。
ボーカルの阿山こと陳如山(チェン・ルーシャン)は、2018年に映画『先に愛した人(原題:誰先愛上他的)』で邱澤の恋人役として俳優にも挑戦、その後もドラマ『HIStory3 那一天~あの日(原題:HIStory3-那一天)』や『歩道橋の魔術師(原題:天橋上的魔術師)』、『四樓的天堂』、映画『つかみ損ねた恋に(原題:我沒有談的那場戀愛)』に出演していますが、やはり歌っている姿は素敵です。

0710yeroy また、プレゼンターのエピソードもご紹介しておきます。
100万元大賞を受賞して、『神人之家』の皆さんがステージに上がった時、編集賞を獲得した黃懿齡が邱澤(ロイ・チウ)にハグをリクエストし、盧盈良監督が「ダメだろう、新妻(許瑋甯)がすぐそこにいるのに」と笑って言いましたが、邱澤はしっかりハグしてあげました。
4年前『先に愛した人(原題:誰先愛上他的)』で邱澤が主演男優賞に輝いた時、プレゼンターが許瑋甯だったのですが、葉如芬(イエ・ルーフェン)プロデューサーが「これも映画祭の隠れた妙」と言っていました。

0710moshu その許瑋甯(アン・シュー)は、莫子儀(モー・ズーイ)と長編劇映画賞のプレゼンターをつとめましたが、昨日SNSで結婚を報告した莫子儀と、お互いにお祝いニュアンスの静かなやりとりをしていたのが印象的でした。
このふたりは2014年に『台北セブンラブ(原題:相愛的七種設計)』で恋人役で共演していて、莫子儀がSNSの結婚報告で書いた「一緒に年をとっていこう」という言葉を許瑋甯が引用して「私たちも一緒に年を取ってきたけど…」と言っていたのがおもしろかったですね。

07100710shizhu ドキュメンタリー映画賞のプレゼンターを担当した朱芷瑩(チュー・ジーイン)と施名帥(シー・ミンシュアイ)も熱愛中らしく、なんとなくゴールイン間近?と思わせるやりとりをしていたと、台湾の新聞が報じています。
その他、一昨年に結婚し近々披露宴をするという楊祐寧(ヤン・ヨウニン)と今年の初めに結婚した楊謹華(シェリル・ヤン)が撮影賞のプレゼンターだったり、受賞以外にも、色々おめでたい雰囲気に包まれていた今年の授賞式でした。

プレゼンターの皆さんの写真をどうぞ!
0710joema 0710chenyijie 0710yanjian 0710peiyuwen 0710yoyojinhua 0710liublue 0710yuweizhuan 0710baibaidahe 0710zhenjanel 0710peiyushuhao 0710wangfan 0710fuyao 0710lirenester

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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