2022台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜〜革新と継承〜」第6回『もう一度君を追いかけて(原題:跟你老婆去旅行)』暖かい心に包まれた観客!
2000年以降の台湾映画の新しい流れがどのように台湾映画の"いま"に繋がってきたのか、そして"いま"何が起きているのかをお届けする台湾文化センターとアジアンパラダイス共催のイベントシリーズ、第6回は青春ラブストーリー『もう一度君を追いかけて(原題:跟你老婆去旅行)』を上映しました。
本作は2019年に台湾で大ヒットした映画、日本でも公開された『悲しみよりもっと悲しい物語(原題:比悲傷更悲傷的故事)の製作チームが、がらりと雰囲気の変えて作った青春ラブコメディですが、ほろりとするところもあり、2021年度の興行収入11位という好成績をあげました。
陳妍希(ミシェル・チェン)、張書豪(チャン・シューハオ)、鳳小岳(リディアン・ヴォーン)が歌うシーンも貴重です。
豪華なキャストと懐かしい音楽、笑って泣いて…のストーリー、ご覧になった皆さんにたいへん喜んでいただけました。
「美しいカナダの紅葉と真っ直ぐなキャラクターたちのストーリー、とても楽しめた」「何ということのない物語も丁寧な撮影と俳優さんたちの気持ちの良いお芝居で気分良く観られた」「笑えるところ、泣けるところがあってとても楽しめた。伏線もきちんとしていて驚きもあった」「主役の3人の演技が素晴らしい」「久しぶりの青春映画にほっこり」「楽しく心温まる1本」「見終わると暖かい気持ちになり、カナダの風景も綺麗で癒された」「コメディとシリアスの塩梅が良くて楽しかった」「ミシェル・チェンのポニーテールは最強」「久しぶりに王道の恋愛映画を観た」「ストーリーの展開がとても良くて、心穏やかに見られる作品」
そして、本編の解説は作品を楽しむ上でお役に立てたようで、最近青春ラブストーリーが減っている現状についてのトークも興味を持って聞いていただけました。
「詳しく丁寧な映画解説が過去に観た映画と繋がっていく」「出演者、監督の説明など内容が濃くてとても良かった」「撮影時の裏話や苦労が興味深かった」「台湾のラブコメ・青春ものが好きなので現状の解説は興味深かった」「監督・俳優・作品・近年の傾向など、いろいろ紹介されてよかった」「台湾映画の系譜や現状が知れてとても興味深かった」「配信が台湾映画に与えている影響に関してはとてもためになった」「台湾映画界の最新情報に触れることができ、非常に有意義」「俳優の過去から現在までの情報がとても参考になる」「昨今の台湾映画のわかりやすい分析が勉強になった」
今年は台湾ホラーが注目されていますが、アンケートの回答を見てもやはり台湾映画の優れた青春映画や楽しいラブコメをお好きな方が多く、減って欲しくないジャンルですね。
この映画は『悲しみよりもっと悲しい物語』を撮り終わった後に、林孝謙(ギャビン・リン)監督には色々なところから次の作品の声がかかり、その中で李德和(リーダーハー)というベテランのプロデューサーと出会い、本作の元となった韓国のキム・ヒュンキューという監督の短編映画のことを知ったそうです。
この短編は15分ほどのコメディだったので、そこからイメージをふくらませて韓国のプロデューサーや『悲しみよりもっと悲しい物語』のプロデューサーによるプロジェクトがスタートしました。
脚本は、監督と名コンビの呂安弦(ロー・アンシュン)と共に4ヶ月くらいで書き上げ、その後の撮影からポスプロまで併せても1年でできあがったそうです。
そして、何故舞台をカナダにしたかというと、主人公の夫婦は結婚して4年、ケンカをして旅行に行くという設定なので、そう簡単にいかれる場所ではないところと、とても紅葉が美しいのでそれも撮ってみたいという思いがあったということです。
さらに、監督が大学生時代に3ヶ月滞在したことのある場所だったこともここを選んだ理由のひとつのようです。
今回はカナダのケベック州で撮影しましたが、ここの公用語はフランス語。
撮影時は監督の英語を現地スタッフにフランス語に訳して伝えてもらい、キャストたちには監督が中国語で話すという、3カ国語が飛び交いみんなで頑張ってコミュニケーションをとるという現場でした。
言語の部分だけではなく、カナダの撮影ルールが厳しいこともたいへんだったそうです。カナダでは1日の撮影時間は10時間まで。時間になったら撮影を中断して食事を優先。5日間撮影したら2日間休まなくてはならず、移動も仕事と見なされます。
2日間の休養日はみんなで観光したりしていたそうですが、時間が惜しいのでこのルールが適用されない台湾人スタッフだけで2日のうち1日は小型カメラを持って遊びながら風景だけの撮影をしたりしたということです。
期間中にハロウィンの日もあり、この日も仕事をしてはいけないということで3日間の休みができてしまいました。
その時は、飛行機でナイアガラの滝まで行って、キャスト3人が滝で遊ぶシーンを台湾人スタッフだけで撮ったのだそうです。
また、カナダの紅葉の時期は短く、楓の木は寒くなり雨が降った時に赤くなり、すぐに葉が落ちてしまうので、美しい紅葉の風景は、たくさんの人の技術や知恵を駆使してやっと撮れた苦労の結晶ということになります。
劇中でカナダ東部のケベックからナイアガラまで全長約800kmの「メープル街道」も登場し、阿誠が友人と妻の車を追いかけるシーンで美しい映像を楽しむことができますが、ここは「文化遺産の道」とも呼ばれ、フランスとイギリスによる開拓時代の名残があり、多くの史跡が見られるそうです。
さて、先ほどもお話ししたようにこの脚本は林孝謙監督と呂安弦の共同作業ですが、いつもは主に呂安弦が書いたものに監督の意見などを組み込んで完成させていくのですが、今回は異なる方法を用いたそうです。
映画の中では英語の台詞も多いので、英語の部分を監督が、中国語の台詞は呂安弦が担当するという分担でした。
さらに、監督は英語が得意でもネイティブではないので、ガイドのライアンを演じたマイク・スイに監修してもらったということです。
では、あらためて林孝謙監督についてご紹介します。
1980年生まれで、國立臺灣藝術大學卒業後、アメリカ留学ののち2010年に楊祐寧(ヤン・ヨウニン)主演の『街角的小王子』で長編映画デビュー。
2015年の柯佳嬿(アリス・クー)主演のコメディ『まごころを両手に(原題:五星級魚干女)』は、日本でDVDと配信でご覧いただけます。
そして、なんと言っても2018年のメガヒットとなった『悲しみより、もっと悲しい物語(原題:比悲傷更悲傷的故事)』で一挙に知名度が上がりました。
この映画は、メインキャストがとても豪華です。
『あの頃、君を追いかけた(原題:那些年,我們一起追的女孩)』の陳妍希(ミシェル・チェン)、『悲しみよりもっと悲しい物語(原題:比悲傷更悲傷的故事)の張書豪(チャン・シューハオ)、『九月に降る風(原題:九降風)』の鳳小岳(リディアン・ヴォーン)。
2000年代から日本でも公開された青春映画をはじめとする台湾映画で知られる顔ぶれで、本作では大学生から10数年後までを演じています。
まず、ヒロインの陳妍希は、2000年代のアイドルドラマ『君につづく道(原題:這裡發現愛)』、『笑うハナに恋きたる(原題:不良笑花)』などに出演し、2011年の映画『あの頃、君を追いかけた(原題:那些年,我們一起追的女孩)』で大ブレイク。台湾のミューズと呼ばれていましたが、主な活躍の場を中国に移し、本作は久しぶりの台湾映画になります。
結婚し一児のママとなってもその愛らしさは変わりません。
監督は、陳妍希を暖かい太陽のような女性で、周りの人に幸せをもたらす魅力があり、CDも出しているので今回のギター部のヒロインに適しているということでオファーしました。
今回久々に見せてくれているポニーテール姿について、実は『あの頃、君を追いかけた』の九把刀(ギデンズ)監督にお伺いをたてたそうです。九把刀監督は快く承諾してくれたので、私たちはまたあの最強のポニーテール姿を見ることができたわけです。
陳妍希の人柄については、監督が語ってくれたエピソードをご紹介しましょう。
彼女のクランクアップの日、劇中の小雅のように自らケーキを焼いてスタッフ・キャストにふるまい、感謝の気持ちを伝えたそうです。
また、初めて共演した張書豪も、「みんなが雑誌やスクリーンで見るそのままの人。優しくて暖かくて細かい気遣いで周りを和ませてくれる。今回共演できたことはとても良い経験だった」と絶讃していました。
その張書豪は、監督の前作『悲しみよりもっと悲しい物語』に続いて起用されましたが、その理由について「奥さんを取られる役なら"一番可哀想な歯医者さん"という称号を得た張書豪しかないだろう」と笑っていましたが、演技力と役作りに対するストイックなまでの真面目さを高く評価していたからです。
本人は、話を聞いてとてもおもしろいく挑戦し甲斐のある役で、前作と同じ信頼できるチームということもありNOという選択肢はなかったそうです。
張書豪はデビューから2作目のドラマで金鐘賞の主演男優賞を受賞し、2012年の映画『GF*BF(原題:女朋友·男朋友)』で台北電影獎の助演男優賞を獲得、金馬奨でも助演男優賞にノミネートされました。
多くの映画やドラマで主演も助演もこなし、役への取り組み方、演技の掘り下げ方はさすが易智言(イー・ツーイエン)監督の教え子です。易智言監督は陳柏霖(チェン・ボーリン)や桂綸鎂(グイ・ルンメイ)、張孝全(チャン・シャオチュアン)を発掘して育て、張書豪はその第二世代の教え子になります。
今回は英語の台詞とギターの弾き語りというミッションがあり、カナダでの休養日もほとんど遊びに出ることはなくみんなで食事に行く以外は一人で練習していたそうです。
それを見かねた鳳小岳(リディアン・ヴォーン)と陳妍希は、引きこもってばかりいないで出かけようと一緒に美術館や紅葉を見に連れ出したということです。
そして、さきほどお話ししたナイアガラの滝での撮影は、3人で手を繋ぎ肩を組み、大自然の中でお互いを感じあう時間があり、これが後の演技にもとても役立ち、今でもその感情を覚えているくらい印象深いと言っていました。
そしてもう一人、監督が親友の妻を旅行に連れて行ってしまう阿智は、海外の雰囲気を持っている俳優が良いと考えた時に、台湾とイギリスのミックスで海外生活も長い鳳小岳がふさわしいと思ったそうです。
演技力はもちろん、張書豪とは『GF*BF』で共演経験があり息もピッタリ。
そして、何か事が起きたらまっ先に飛び込んでいくような勇気があり、時にはちょっとクレイジーな所を見せるのも魅力だと監督が語っていました。
鳳小岳は2008年の映画『九月に振る風』でデビューし、『モンガに散る(原題:艋舺)』、『GF*BF(原題:女朋友·男朋友)』やドラマでも活躍し、中国へも活躍の場を広げ、本作は5年ぶりの台湾映画になります。
また、2021年は話題沸騰となったドラマ、Netflixでも配信されている『華燈初上 -夜を生きる女たち-(原題:華燈初上)』で台湾ドラマにも復帰しました。
現在は結婚してパパにもなっています。
『GF*BF』以来2度目の共演となる張書豪は、ずうっと良い友人として連絡をとりあっていたそうですが、結婚して子供もできた鳳小岳は、目の前のことに集中し、今をしっかり生きようという感じがすると、この10年の成長ぶりを語っています。
男同士なので、あまりそういうことを口に出しては言わないけれど、今回の共演はとても楽しかったし、さらに近しくなったと思う、と言っていました。
その他、大学時代のライバルとして禾浩辰(ハー・ハオチェン)がコメディアンぶりを発揮しています。
2014年にBruceの芸名で九把刀(ギデンズ)原作・脚本の『等一個人咖啡』で主役デビュー、Netflixで配信中の張書豪主演ドラマ『未来モール(原題:預支未來)』はじめ映画・ドラマで様々な個性を見せ、『悲しみより、もっと悲しい物語』に続いて林孝謙監督作品に出演しています。
2020年のこの上映会でも上映した『家へ帰ろう〜国会大脱出(原題:逃出立法院)』ではコメディセンスとアクション経験を生かし見事な主役ぶりでした。
さて、この映画では懐かしい台湾ポッブスがたくさん出てきます。
陳妍希が歌う張獄岳(チャン・チェンユエ)の「愛我別走」、陳綺貞(チア・チェン)の「吉他手」、王藍茵(タンジェリン・ウォン)の「惡作劇」、張書豪の告白ソングとして五月天(Mayday)の「愛情的模様」などは、大学時代にバンドを組んでいた監督自身の好きな曲を選んだそうです。
また、エンディングには蕭敬騰(シャオ・ジンタン)の主題歌「不完美的我」のあとに鳳小岳が作った「Fine as moonlight」を3人で歌っています。
監督は、主題歌「不完美的我」は、鳳小岳が演じる阿智の気持ちを表した曲にしたかったので、鳳小岳に声が似ている蕭敬騰にオファー。できあがった曲に監督が詞をつけ、完成となりました。
そして撮影の前に3人の登場人物の気持ちを表した曲を作って欲しいと鳳小岳に依頼していたそうです。エンディング曲として3人で歌うことをリクエストした監督に、最初は歌は苦手だと抵抗していた張書豪も、陳妍希の説得で参加することになったとか。
その歌には消極的だったものの、必死で練習した努力家張書豪からメッセージが届きました。
★張書豪メッセージ
こんにちは 張書豪(チャン・シューハオ)です。
『もう一度君を追いかけて』で阿誠を演じています。
日本の皆さんに見てもらえてうれしいです。
この映画は楽しくておもしろい そして暖かい作品です。
僕は英語の台詞やギターの弾き語りにも挑戦しています。
笑えるシーンや感情を爆発させるシーンにもトライして、カナダの美しい風景もあるので 皆さんに楽しんでもらえたらと思います。
ここからは、近年減少する青春映画・恋愛映画と観客の受け止め方についてお話ししました。
この画像は、昨年『逆走♡ONE WAY LOVE(原題:可不可以,你也剛好喜歡我)』を上映した時に作った青春ラブストーリーの系譜です。
少し前まで台湾映画といえば青春映画というイメージが強かったのですが、最近は様変わりしてきてホラーやサスペンスなどのジャンル映画が増えています。
若い世代を主人公にした作品でも、犯罪系だったり社会派だったりと、明るい青春ラブストーリーの秀作が減り、この上映会のセレクトにも苦労しています。
世の中の流れの変化に伴い、作られる作品傾向も変わっていくのは当然なのですが、すこし寂しい気もします。
この傾向について色々リサーチしたり考えてみると、今日ご覧いただいた『もう一度君を追いかけて』の林孝謙(ギャビン・リン)監督もおっしゃっていたのですが、配信という新しいツールの出現が大きく影響しているようです。
NetflixやDisney+など世界的な大手配信会社が買い付けだけでなく、製作資金を提供する事が増え、台湾で公開するとすぐに全世界配信というケースが増えています。
これにより海外の配給会社が買い付けて映画館で公開するという機会がなくなり、私たちはスクリーンで見ることができない作品も増えています。
配信の世界では、おびただしいコンテンツの中から観客が選ぶ為、インパクトのある作品が重要とされ、衝撃度の高いホラーやサスペンス色の濃いものが多くなっています。
今年は台湾では「恐怖元年」と言われて、8本ものホラー映画が公開されています。
そして、日本でも配信されていない『紅い服の少女 第一章 神隠し/第二章 真実』や『哭悲/THE SADNESS』が劇場公開になったり、『呪詛(原題:咒)』や『呪われの橋(原題:女鬼橋)』ほかが配信されたりで、にわかに台湾のホラー映画が注目されるようになりました。
もちろんホラー映画だけでなく、台湾でヒットした恋愛映画や社会派作品も配信されています。
NetflixやDisney+からの資金提供があれば製作費も潤沢になり、優秀な監督や脚本家、そして力のある人気俳優の参加も可能になり、その良い例が、2018年の『先に愛した人(原題:誰先愛上他的)』、2020年の『弱くて強い女たち(原題:孤味)』、『君の心に刻んだ名前(原題:刻在你心底的名字)』、昨年の『君が最後の初恋(原題:當男人戀愛時)』、『つかみ損ねた恋に(原題:我沒有談的那場戀愛)』などです。
こういう状況の中、若い(もしくは新しい)監督が新人俳優を発掘して作る低予算の青春映画というのは、なかなか製作が厳しくなっているようです。
そして、易智言(イー・ツーイエン)監督の『藍色夏恋(原題:藍色大門)』や林書宇(トム・リン)監督の『九月に振る風(原題:九振風)』、『私の少女時代(原題:我的少女時代)』の陳玉珊(チェン・ユーサン)監督ほか、かつて自らの青春の想い出を描いた作品でデビューする新人監督が減ってきています。
今、勢いのある若手監督は、『赤い服の少女シリーズ』の程偉豪(チェン・ウェイハオ)監督、『粽邪』シリーズの廖士涵(リャオ・シーハン)監督、『家へ帰ろう 国会大脱出(原題:逃出立法院)』の王逸帆(ワン・イーファン)監督、『狂徒』の洪子烜(ホン・ズーハン)監督、『よい子の殺人犯(原題:最乖巧的殺人犯)』の莊景燊(ジャン・ジンシェン)監督など、ホラーやアクション、サスペンスといったジャンル映画でデビューしているケースが多いのです。
青春時代の輝きや甘酸っぱい想い出というのは普遍的なものだと思うのですが、若いクリエイターにとってはそれよりももっと描きたいテーマや事象が増えてきているのかも知れません。
製作側は、台湾という小さなマーケットを支えるため、そして国際舞台へ台湾映画を送り出すために、様々な試行錯誤を重ねているのでしょう。
一方観客の受け止め方を知るには、それを反映する興行成績という数字が参考になります。
以前から台湾の観客が映画館に足を運ぶのは、口コミによるおもしろそうな映画、良さそうな作品だと感じています。
興行成績を見ると、映画賞受賞と比例することが多く、出来の良い作品がベスト10に並びます。
もちろん興行成績が良くなくても映画賞を獲得する作品はありますが、その逆はあまりありません。
ひとつの例ですが、昨年海外の映画祭でたいへん話題になったホラー映画があり、日本で買い付けられましたが、金馬奨にエントリーしたものの一次審査ではねられ、興行収入も惨憺たる結果でした。
ホラー映画は人によって感痔方が大きく異なる特殊なジャンルなので、なんとも言えないところはありますが…。
少なくなったとはいえ、優れた青春映画やラブコメはまだまだ作られています。
今年は旧正月映画で脚本家の監督デビュー作品『我吃了那男孩一整年的早餐(My Best Friend's Breakfast)』がヒットしました。これは実話をもとにした高校生のラブストーリー。台北電影節のオープニング作品になったビビアン・スーと柯震東(クー・チェンドン)主演のラブコメ『初戀慢半拍(Mama boy)』がいま公開中で、なかなか好調のようです。
そして、大ヒットドラマ『時をかける愛(原題:想見你)』の映画版が公開時期は発表されていませんが、楽しみです。
では、台湾の最新情報です。
11月2日に開幕する台湾最大の映画祭、金馬影展のオープニング&クロージング作品が発表になりました。
オープニングは詹京霖(ジャン・ジンリン)監督、の家族の愛憎を描いた『一家子兒咕咕叫(Coo-Coo 043)』、クロージングは程偉豪(チェン・ウェイハオ)監督の爆笑コメディ『關於我和鬼變成家人的那件事(Marry My Dead Body)』です。
『一家子兒咕咕叫』は、前回の短編スペシャルで上映した『ゴッドハンド(原題:手事業)』の楊麗音(ヤン・リーイン)が主役。
クロージングの『關於我和鬼變成家人的那件事』は、同性愛者の幽霊林柏宏(リン・ボーホン)とストレートの警察官許光漢(シュー・グァンハン)がパートナーとなり、麻薬犯罪と戦うコメディ。
オープニングもクロージングもチケットの前売り日には秒殺となるでしょう。
日本では、昨年の東京国際映画祭で上映された『アメリカから来た少女(原題:美國女孩)』が、10月8日(土)よりユーロスペース(東京)ほか全国順次公開になります。
2003年のSARSが流行した台湾を舞台に、アメリカから帰国した母と娘、家族が織りなすヒューマンドラマで、林書宇(トム・リン)監督がエグゼクティブ・プロデューサーをつとめた、新人監督阮鳳儀(ルアン・フォンイー)の体験を基にした家族の物語です。
2021年の金馬奨でアウト・オブ・コンペの2賞を加えて5部門受賞、2022年の台北電影奨では長編劇映画賞はじめ2部門受賞しました。
ぜひ劇場でご覧になって下さい。
公式サイト:https://apeople.world/amerika_shojo/
このアフタートーク映像と林孝謙(ギャビン・リン)監督メッセージは、以下にアクセスしていただくとご覧いただけます。
アフタートーク
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=727683655f7a3fa3d2c423295a2244bd
林孝謙(ギャビン・リン)監督メッセージ
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=9ab8bea296b11535fe4696bcce8f9cc7
次回は10月22日(土)14時から。
教育、ネット社会、格差、マスコミなど様々な社会問題を通してなぜこの事件が起きたのか、そして登場人物の事件の前と後の人生から罪とは何か? を問うサスペンス『阿修羅/アシュラ(原題:該死的阿修羅)』です。
詳細は9月22日に台湾文化センターとアジアンパラダイスでお知らせします。
どうぞ、お楽しみに!
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