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2022/10/26

東京国際映画祭 香港映画『消えゆく燈火(原題:燈火闌珊)』Q&A

1026tiff1 東京国際映画祭2日めに上映された香港映画『消えゆく燈火(原題:燈火闌珊)』のQ&Aに、曾憲寧(アナスタシア・ツァン)監督、プロデューサーの陳心遙(サヴィル・チャン)、キャストの蔡思韵(セシリア・チョイ)、周漢寧(チャウ・ホンネン)が登壇しました。
本作は、香港を象徴する道路に突き出た色とりどりの輝くネオンサインを作る職人夫婦を軸にしたドラマです。安全性の観点から徐々に規制され撤去が続くネオンサイン、それを継承しようとする弟子や、両親に反発する娘の姿が描かれています。
監督はこれがデビュー作で、香港の新人監督を応援する「首部劇情電影計劃」で制作されました。

1026light メインの夫婦は任達華(サイモン・ヤム)と張艾嘉(シルヴィア・チャン)が演じ、妻は夫が亡くなった後に10年も閉めていた工房に住みついていた弟子と一緒に夫がやり残したネオンを作ろうとするのですが、それに藩閥する娘…という構図で物語が展開。
登場人物それぞれの思いもさることながら、何と言っても数々のネオンサインから浮かび上がる香港の今と昔に胸が締めつけられました。

1026tiff2 今回は若手の俳優が来日しましたが、主役夫婦の娘を演じた蔡思韵は『盜命師』や『返校』など台湾映画にも出ていて、2019年の『幻愛』では金像獎の主演女優賞にノミネートされ、香港電影評論學會大獎と最港電影大獎、Movie6全民票選電影大獎では主演女優賞を受賞しているホープです。
一方の弟子役の周漢寧は、舞台からスタートして、ドラマ、そして本作がスクリーンデビューとなっています。

1026tiff3 プロデューサーの陳心遙は、『狂舞派』『哪一天我們會飛(私たちが飛べる日)』『狂舞派3』を手がけ、3作とも大阪アジアン映画祭で上映され来日もしているので、映画ファンにはお馴染みです。

※参照記事とPodcast

2016/03/27
Podcast 大阪アジアン映画祭、香港映画『私たちが飛べる日』陳心遙(サヴィル・チャン)&テディ・ロビンプロデューサーインタビュー
http://asianparadise.sblo.jp/article/175134918.html

2016/05/2
大阪アジアン映画祭『私たちが飛べる日』黃修平(アダム・ウォン)監督、陳心遙(サヴィル・チャン)&テディ・ロビンプロデューサー、游學修(ネオ・ヤウ)Q&Aとインタビュー
http://www.asianparadise.net/2016/03/post-44f7.html

東京国際映画祭Q&A

◆挨拶
監督「私自身も初めてですが皆さんと一緒に見られてうれしいです」

蔡思韵「こんにちは、私はセシリアです(日本語)
東京国際映画祭に参加できてうれしいです。スクリーンニ日本語の字幕があるのはとてもふんいきがありますね。皆さんに気に入っていただけるとうれしいです」

周漢寧「日本の皆さんこんにちは。チャウ・ホンネンと申します。香港の俳優です。東京国際映画祭に参加できてうれしいです。どうぞよろしくお願いします。(日本語)」

陳心遙「プロデューサーのサヴィル・チャンです。これは4作目のプロデュース作品になります。皆さんに気に入っていただけるとうれしいです」

◆制作の経緯
1026tiff4 監督「香港では文芸作品や、こういう題材で撮るのは難しいのですが、新人監督を支援するプロジェクトがあるのでそれに応募して資金を得、制作できました。脚本についても何の制限もなく自由に撮れました。
描きたかったのは失われていくものへの郷愁です。ネオンサインは市の政策として撤去されていきますが、ネオンサインだけでなく色々なものが消えていく時代にこういうものが残っていくと良いと思ったのが制作意図です」

◆これが4作目というプロデューサーについて
監督「彼は戦友のような人で、脚本を書く時から撮影、映画祭上映までずうっとサポートしてくれました。
創作のアイデアも色々出してくれて、特に私が見えていないところに注視してくれたり、色々協力してもらいました」

陳心遙「(質問者に対して)私の作品を見てくれてうれしいです。何故4作目かというと、私は作るのが遅いのです。でも1〜2年のうちにまた新しい作品を持って日本に来たいと思います。応援してくれるとうれしいです」

◆役作りについて
蔡思韵「この役を演じるにあたり、監督はとても自由にさせてくれました。父を亡くし、自分はオーストラリアに行くという状況で母親との関係…愛しているけど憎んでもいるという微妙な関係、これはどの親子にもあると思いますが、自分の母親との関係を考えながら役作りをしました。今回はシルヴィア・チャンという大先輩がサポートしてくれたことにお礼を言いたいです」

1026tiff5 周漢寧「僕にこの役を演じる機会をくれた監督とプロデューサーに感謝しています。監督とこの役はどういう役割を持つのだろうということをディスカッションしたり教えてもらって演じました。演じる上で一番大事にしたのはこのの"役割"です」

本作の2回目の上映は10月28日ですが、チケットは完売となっています。

★東京国際映画祭の紹介ページ
https://2022.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3502ASF06

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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