« 第35回東京国際映画祭閉幕 東京グランプリは『ザ・ビースト』! | トップページ | 2022金馬奨イメージフィルムと豪華プレゼンター発表! イメージフィルムは許承傑(シュー・チェンジエ)監督で謝盈萱(シエ・インシュアン)が五役! »

2022/11/05

「第23回東京フィルメックス」最優秀作品はマクバル・ムバラク監督『自叙伝』!

1105filmex第23回東京フィルメックス」の授賞式が11月5日に行われ、コンペティションではマクバル・ムバラク監督『自叙伝』が最優秀作品賞に選ばれました。
審査員特別賞は『ソウルに帰る』(監督:ダヴィ・シュー)と『Next Sohee(英題)』(監督:チョン・ジュリ)の2作、スペシャルメンションは『ダム』(監督:アリ・チェリ)、学生審査員賞に、『地中海熱』(監督:マハ・ハジ)、観客賞は『遠いところ』(監督:工藤将亮)が選ばれました。

【受賞結果と授賞理由・コメント】

◆最優秀作品賞
『自叙伝』
監督:マクバル・ムバラク(Makbul MUBARAK)
インドネシア、フランス、シンガポール、ポーランド、フィリピン、ドイツ、カタール / 2022 / 116分
授賞理由:
見事な演出による自信に満ちた映画スタイルで、モラルコントロールの巨大な網に対する個人の抵抗の探求は、次第に権力構造が不穏な邪悪さへと変化する様子を描いている。このテーマは緊急かつ普遍的である。
マクバル・ムバラク監督は「長編第一作目で、5年かかった。撮影した村と、世界中の友人の力を借りて撮影した、まさにこの映画は、友情の産物です」

◆審査員特別賞(2作品)
『ソウルに帰る』
監督:ダヴィ・シュー(Davy CHOU) ドイツ、フランス、ベルギー、カタール / 2022 / 116分
授賞理由:
私たちはどこから来て、どこへ行くのか? アイデンティティと出自を求めることで、疑問や可能性、新たな展望を切り開き、他にはない魅力的な文化と映画の旅へと導いている。
ダヴィ・シュー監督ビデオメッセージ、「この映画祭で上映することは私の夢でしたが、できれば日本で配給会社を見つけて、もっと多くの人に見てもらえればと思う。この作品は、アイデンティティの問題と自分自身について扱っており、そして様々な生い立ちの人々によって作られている。フランス、ベルギー、韓国、カンボジアのみなさん、彼らと一緒になって映画を作ることができた」

『Next Sohee(英題)』
監督:チョン・ジュリ(JUNG July) 韓国 / 2022 / 138分
授賞理由:
企業文化や資本主義が効率や経済的成果を追求する冷酷な世界では、人命やその他の価値がどのように犠牲になっているかが考察されることで、人を搾取するメカニズムに光が当てられている。

◆スペシャルメンション
『ダム』
監督:アリ・チェリ(Ali CHERRI) フランス、スーダン、レバノン、ドイツ、セルビア、カタール / 2022 / 80分
授賞理由:
リアリズムとイマジネーションを融合させた芸術的で詩的なこの作品は、腐敗やグローバル化の危険性に対する人間のどうしようもない闘いを隠喩的に表現している。
アリ・チェリ監督ビデオメッセージ「スペシャルメンションは、私にとってとても重要です。これが東京からのものだから。今週、観客の皆さんと一緒に映画を観れて素晴らしかった。この賞は、スーダンやベイルートにいる家族や友人、そして映画に参加してくれた皆さんへ捧げます」

◆観客賞
『遠いところ』
監督:工藤将亮(KUDO Masaaki) 日本 / 2022 / 128分
工藤監督「すごく才能ある監督が集まるコンぺティションに選んでくれて、素晴らしい作品と競えて、光栄だった。そんな中で、観客賞をいただけてとても嬉しい。この映画の何が見どころかと言われると、俳優陣の演技だと思う。心から作品の力を、作品の内容を信じてくれてた俳優陣に感謝します。そして沖縄の皆さんへ、この賞を捧げたいと思う」

◆学生審査員賞
『地中海熱』
監督:マハ・ハジ(Maha HAJ) パレスチナ、ドイツ、フランス、キプロス、カタール / 2022 / 108分
授賞理由:
この映画からは、彼らのアイデンティティを包み込むような優しさを感じました。
ユーモアあふれる演出の中に漂う、確かな絶望感。決して明るくない社会に生きる一人の人間と、映画の外までも続いていく世界の広がり、そしてその先の人生も描き出されていました。
マハ・ハジ監督テキストメッセージ「とても嬉しく感激している。この瞬間に、皆さんと一緒に東京にいられたら良かったのに、と思う。そうすれば、さらに夢のような体験になったでしょう」

★審査委員長リティ・パン講評
「今回の作品、全てに圧倒された。映画的に異なる様々なスタイルを持つ作品を見ることを嬉しく思った。本当なら2作品しか授与しないが、今回特別に4作品も選んだ。本当に素晴らしかったから。皆さんも、アイスクリームが一つ美味しかったらもう一つもう一つとなっていきますよね?たくさんたくさんあげてしまった感じです(笑)」

◇タレンツ・トーキョー・アワード2022
「Forte」(ソン・ヘソン(SON Heui Song)/韓国)
スペシャル・メンション:「Future Laobans」(マウン・サン(Maung Sun)/ミャンマー)

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

|

« 第35回東京国際映画祭閉幕 東京グランプリは『ザ・ビースト』! | トップページ | 2022金馬奨イメージフィルムと豪華プレゼンター発表! イメージフィルムは許承傑(シュー・チェンジエ)監督で謝盈萱(シエ・インシュアン)が五役! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 第35回東京国際映画祭閉幕 東京グランプリは『ザ・ビースト』! | トップページ | 2022金馬奨イメージフィルムと豪華プレゼンター発表! イメージフィルムは許承傑(シュー・チェンジエ)監督で謝盈萱(シエ・インシュアン)が五役! »