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2022/12/11

香港映画『少年たちの時代革命(原題:少年)』の初日舞台挨拶レポート

1211shounen1 12月10日日よりポレポレ東中野で公開がスタートした香港映画『少年たちの時代革命(原題:少年)』の初日舞台挨拶のレポートが主催者から届きましたので、お伝えします。
来日した任俠(レックス・レン)監督とキャストの孫君陶(スン・クワントー)が登壇し、リム・カーワイ監督が通訳兼聞き手をつとめました。

映画『少年たちの時代革命』が12月10日(土)に、ポレポレ東中野にて公開初日を迎えた。上映後には、デビュー作で台湾アカデミー賞(金馬奨)を席捲した香港映画界の新星 レックス・レン監督と、主人公の少女YYを救う為に香港の街を駆け抜ける正義感あふれる青年ナムを好演した、注目の俳優スン・クワントーさんが登壇した。
2019年の香港の民主化デモでは、若者による抗議の自殺が相次ぎ、自殺志願者を救うために民間捜索隊が結成された。自殺しようとする少女を救うため、民間捜索隊を結成して香港の街を駆け巡る若者たちの姿を描いたのが『少年たちの時代革命』だ。極秘裏に制作された本作は、台湾アカデミー賞の最優秀新人監督部門、最優秀編集部門にノミネートされ、金馬国際映画祭アジア最優秀映画賞を受賞し、香港映画界に彗星のごとく現れ、大きな衝撃を与えた。

香港では上映禁止となっている本作は、日本での公開が台湾に続いて2ヵ国目となる。上映後の客席を見渡したレックス・レン監督は「日本で公開することができ、こうして初日をみなさんと一緒に迎えられて本当にうれしいです。」と挨拶し、客席からあたたかい拍手が起きた。台湾に留学中のスン・クワントーさんは「日本に来るのははじめてです。はじめての日本で、自分が出演する映画の公開に立ち会うことができて、うれしいです!」と、初々しい笑顔で挨拶した。
スンさんが演じたナム役は、当初は別の俳優が演じる予定だったが、直前にキャンセルになってしまったという。「実は『少年たちの時代革命』の前に撮った短編映画に、スンに出演してもらっていたんです。その時の演技がよくて声をかけてみたところ、興味を持ってくれて出演を決めてくれたんです。」とレックス監督がスンさんの起用秘話を明かした。「レックス監督の映画に参加できたことは、僕の人生にとても大木な影響をもたらしました。レックス監督のもとで撮影に参加したことで、より映画に興味が沸き、いま大学で映画について勉強しています。いつか自分の映画を撮ってみたいです。」と、スンさんが展望を語った。「僕はフルーツ・チャン監督の元で映画を学んできました。『メイド・イン・香港』でサム・リーがスターダムにのし上がったように、まさにスン・クワントーは第二サム・リーですね!劇中、少年たちが香港の街を駆け抜けていきますが、スン・クワントーはこれからの映画界を駆け抜けていくスター性を秘めた俳優です。」と話すと、会場からは大きな拍手が起こった。

香港で極秘裏に制作された本作は、ゲリラ撮影も多く、「実際の街中でのシーンでは、機動隊に囲まれたこともありました。逮捕されるのはこわくない。でも自分が逮捕されたことで、この映画がストップしてしまったら…と、考えたら恐ろしくなった。でもその場のスタッフの機転に助けられ、切り抜けられたのはラッキーでしたね。」と、スンさんが衝撃のエピソードを披露した。レックス監督は「いまの香港は厳しい状況にありますが、仲間たちと映画を撮り続けることができる。そしてスンのような若者たちが頑張っている。香港で上映ができなくても、こうして日本や世界で香港映画は上映されることは、僕たちにとっての大きな支えになります。海外の観客の皆さんの応援、サポートに感謝します。」と締めくくった。

旅行で来日した香港の若者たちは、「たまたま『少年たちの時代革命』が日本で公開されることを知り、映画館に駆け付けました。香港では観ることができない映画が日本で公開されることはとてもうれしいです!」と興奮した様子で語った。実は『少年たちの時代革命』の後に、ポレポレ東中野ではウォン・カーワァイ監督特集も上映されている。それを知ったレックス監督は、「WKWの映画は香港でも観られるけど、せっかくだから僕も日本で香港映画を楽しみます。みんなも香港映画を楽しんで下さいね!」と、『恋する惑星』のチケットを自腹で購入していた。
(以上、主催者からの公式レポート)

登壇者プロフィール
◆レックス・レン(任俠 Rex REN)/監督
1982年生まれ。香港演芸学院電影電視学院演出学科卒業。フルーツ・チャン監督に師事し、脚本、助監督として携わる。2017年、短編映画『虫けら(原題:螻蟻)』が、第11回Fresh Wave International Short Film Festival最優秀監督賞、第23回香港インディペンデント・ショートフィルム&ビデオ・アワードで最優秀賞を受賞。2018年、『紙皮婆婆』が金馬創投會議(企画マーケット)グランプリを受賞した。『少年たちの時代革命』では、共同脚本、共同監督のほか、警官役で出演もしている。
「香港映画祭2022」では短編集『少年たちの時代革命前夜』が上映されることも話題となっている。

◆スン・クワントー(孫君陶)/ナム役
『少年たちの時代革命』では、大学受験に失敗し、建築作業員をしている正義感あふれる青年ナム役を好演した。
主な出演作に、短編映画『野火』(譚啟妍監督/2020年)や、「香港映画祭2022」で上映される短編映画『夢遊』(レックス・レン監督/2021)等がある。

1211shounen2 『少年たちの時代革命(原題:少年)』
監督:レックス・レン(任俠) ラム・サム(林森)
プロデューサー:伍珍珍 陳力行 任侠  脚本:陳力行 任侠  撮影:ming 田中十一 陳家信  編集:L2 任侠  音楽:Aki
配給:Cinema Drifters・大福 宣伝:大福
英題:May You Stay Forever Young
2021|香港|カラー|DCP|ステレオ|86分
公式HP:www.ridai-shonen.com

1211shounen3 ≪STORY≫
2019年、香港の街はデモに参加する若者があふれていた。
少女YYは、親友のジーユーとゲームセンターで遊び、時にデモに参加する普通の17歳だ。ある日、ふたりはデモに参加して逮捕される。「香港は変わらない」と、ジーユーは香港を去ることを決める。孤独と絶望を抱えたYYは、18歳の誕生日にSNSにメッセージを残し、ひとり香港の街に消える─。
少年ナムは、SNSでYYのメッセージを見つけ、恋人のベル、デモ仲間のルイスたちと捜索隊が結成し、YYを探し出そうとする。時にぶつかり合いながら、香港の街を駆け巡る捜索隊たち。
「香港も、YYも救えない─」
それぞれの思いを胸に、YYを探し出そうとするが、時間だけが過ぎてゆく。
夜が深まり、屋上からひとり香港の街を見下ろしているYYの姿があった─。

12月10日(土)よりポレポレ東中野で公開中、以後全国順次公開。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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