香港映画『流星』張國榮(レスリー・チャン)没後20年特別上映決定!
『流星』は、『欲望の翼』『ブエノスアイレス』のレスリー・チャンが父親役として主演し、プロデューサーとしても参加したヒューマンドラマ。
チャールズ・チャップリンの名作『キッド』をモチーフにした本作では、失脚した元証券アナリストの男が捨てられていた赤ん坊を拾い、愛情深く育てていくなかでの悲喜こもごもが描かれ、無償の愛の表情に溢れるレスリーの父親役は必見です。
◆張之亮(ジェイコブ・C・L・チャン)監督 からメッセージ
・人々を勇気づけ、前向きに生きていけるような映画を作りたかった
1998年当時、香港がアジア金融危機の影響を受けて困難な状況にあったので、人々の悲しみに満ちた表情を見た時に、人々を勇気づけ、前向きに生きていけるような感動的な映画を作ろうというアイディアが生まれました。そのベースとして選ばれたのが、チャールズ・チャップリンの1921年の作品『キッド』でした。「人生において困難に遭遇しても、楽観的になって幸せや愛する人との一瞬一瞬を大切にする」というのがテーマです。
・『流星』という作品はレスリーのもの
2023年4月1日という日に、レスリー・チャンを懐かしむ人たちは、映画館でもう一度レスリーの素晴らしい演技を楽しむことができます。『流星』はレスリー・チャンのものであり、今回の上映で『流星』はよみがえります。是非、今回スクリーンでレスリー・チャンという偉大なスターを懐かしんでもらいたいと思います。
◆現場では子役俳優を抱きかかえ、アイドルや歌手としてのイメージを完全に捨てていたレスリー
『流星』は、社会の底辺で生きる悩める男の物語。2ヶ月半の撮影期間中、レスリーはアイドルや歌手としてのイメージを完全に捨てて、撮影終了まで髪はボサボサ顔には無精ひげを生やして撮影に取り組んでいました。
レスリーは撮影の待ち時間に、当時まだ4歳だった子役俳優エリクソン・イップをラウンジで抱きかかえ、怪獣が子どもを襲うゲームなどをしてラウンジを笑いの渦に巻き込んでいた、と監督は振り返ります。
エリクソン・イップが演じたのは養子に出された孤児役で、演技の経験がありませんでした。なので、レスリーはいつも撮影現場に早く来てエリクソンと親しくなろうとしていました。映画の撮影が終わった後も二人の友情は続いていたのだとか。
監督は「レスリーはプロの俳優だった」と語ります。
「彼は言い訳をせず、常に協力する方法を見つけ出してくれました。相手方の演技や演出方法に支障があるときは、自分の演技方法を調整して相手方をリラックスさせ、双方が最高の効果を発揮できるようにした」と当時を振り返ります。
◆香港映画界の危機を救ったレスリー・チャン
1998年当時、香港がアジア金融危機の影響を受け、映画製作が困難な状況にありました。これを打破する為に、香港の映画監督や役者たちが参加して、ノーギャラで映画製作に参加して後に収益から配分を取るという製作スタイルの「創意連盟」プロジェクトがスタートしました。
このプロジェクトの第一弾が『流星』で、プロジェクトに参加した20人の監督の中で最終的に唯一完成を迎えた作品となりました。
そういった理由で、本作主演のレスリー・チャンは出演料をもらっていません。レスリーは、社会経済が低迷する中、香港の映画労働者の雇用機会のために闘っていました。
ですが、このようなボランティア活動だからといってレスリーはプライベートの時間を惜しむことなく、クルーの頼みなら何でも聞いてくれた、とジェイコブ・C・L・チャン監督は語ります。
監督はまた、レスリーと香港のペニンシュラホテルのロビーレストランで、『流星』について初めて話した当時を振り返り、「私が簡単にストーリーを紹介すると 『あとはあなたに任せた。この映画に参加することで、香港の映画人が仕事を得て、しばらくの間困難を乗り切れることを期待している』というようなことを言ってくれました」と回想します。
『流星(原題:流星語)』
監督:張之亮(ジェイコブ・C・L・チャン)
出演:張國榮(レスリー・チャン)、葉靖嵐(エリクソン・イップ)、吳家麗(キャリー・ン)、狄龍(ティ・ロン)
1999年/中国/カラー/111分 配給:ハーク
2023年4月1日(土)、2日(日)Bunkamuraル・シネマにて
4月1日(土)シネ・リーブル梅田、アップリンク京都 にてロードショー!
4月1日(土)デジタル配信スタート!
★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。
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