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2023/06/06

台湾映画『ガッデム 阿修羅(原題:該死的阿修羅)』 樓一安(ロウ・イーアン)監督×山口健人監督対談!

0606lo 6月9日よりシネマート新宿他にて全国順次公開となる台湾映画『ガッデム 阿修羅(原題:該死的阿修羅)』の 樓一安(ロウ・イーアン)監督と、『静かなるドン』『生きててごめんなさい』の山口健人監督の対談記事が公開になりました。
本作は実際の無差別殺傷事件に触発され製作された社会派サスペ ンスで、2021年に台湾の金馬奨で王渝萱(ワン・ユーシュエン)が最優秀助演女優賞、2022年には台北電影奨で、脚本賞、音楽賞、最優秀助演女優賞を受賞しました。

公開を前に、ぜひ樓一安(ロウ・イーアン)監督と山口健人監督の対談記事をお楽しみください。

※写真はクリックすると別ウィンドウで拡大表示します

――お二人が映画の道、映画監督としての道を進もうとご決断されたのはどのような タイミングだったのでしょうか?

ロウ:初めから映画監督になろうと思っていたわけではないです。大学卒業後、クラスメイトで映画制作をしたい という人がいたので、スタッフとして手伝っていました。そして数年たって、他に出来ることがないかと思い、色々なスタッフをやってみたりと長い時間をかけて試行錯誤し、ある時脚本を書いてみたんです。それがきっかけで映画を作り始めました。

山口:僕は、小さいころから映画が好きだったので、いつか映画を作りたいなとずっと思って生きてきました。なので、決断というか、好きだったのでそのままという感じですね。

――では、ご家族も映画がお好きだったりしたのでしょうか?

山口:全然です。むしろ、チャンネル争いで映画を見せてくれなかった。その執念で映画好きがどんどん強くなっていったのかも(笑)。

山口:ロウさんは、作品のアイデアが生まれる時というか、映画を作りたい衝動に駆られるのは、どんな時ですか?

ロウ:アイデアがパッと生まれるということはあまりないですね。普段生活している中で人々を観察して、段々とストーリーを溜めていく。そして その人たちのストーリーを組み合わせて膨らませて、映画を作り出しています。

山口:そうなんですね。でも、僕も同じようなことかもしれないです。アイデアが生まれる時っていうのは、普通に生きていて、「面白い人がいるな」とか、ニュースなどを見て、「こういう事があるんだ」と思った時。なんでこんなことが起こってしまったのか、あの人はどういうことを考えているのだろうみたいな疑問から生まれることが多いかなと思います。

――山口監督は、先日舞台挨拶で台湾をご訪問されたとのことですが、初めての台湾はいかがでしたでしょうか。

山口:本当にとても素敵な国でした。観客の方々もすごく優しく、暖かく迎えて下さり、映画という芸術に対してもすごくリスペクトを持ってくれている感じがして、すごく素敵でした。あと、ロウさんと一緒にお食事をさせて頂く機会があったんですけど、ロウさんが選んだ料理が全部とてもおいしかった。

ロウ:ははは(笑)。

山口:あ、でも臭豆腐だけはだめでしたね(笑)。

――台湾映画の好きな点や、印象的な作品などあれば教えてください。

山口:そうですね、やっぱりエドワード・ヤン監督とか、ホウ・シャオシェン監督などのように名匠の方々がいっぱいいらっしゃるすごく豊かな国で、そういった作品はすごく好きです。あと、最近台湾のホラー映画が日本で公開されることがすごく増えていると思うのですが、どれもいい(作品)ですよね。『返校 言葉が消えた日』もよかったし、あと『怪怪怪怪物!』とかはちょっと前ですけど、あれもすごく好きですね。ひねりがきいていて。あとはNetflix の『呪詛』も流行っていましたけど、そういった台湾のホラー作品は、すごく観ています。
ロウ監督は、ホラー映画は撮られないのですか?

ロウ:撮らないのではなくて、今はオファーとか来ていないし…という感じです。脚本というか、ストーリーは一つ作ってはいますが、近日撮影できるような段階ではないですね。

――山口監督は、もし台湾で映画を撮る機会があったらどのような作品を撮りたいですか?

山口:ホラーですね。台湾を舞台にしたスタイリッシュなホラー映画を、日台合作で(笑)。

――それこそロウ監督と、いかがですか?

山口:是非その際にはご協力いただければ嬉しいです。

ロウ:今思い出したのだけど、去年 60 分ほどの短編映画を作っていました。お化けは出てこないけど、人間的な怖さというか、サスペンス系の映画を作りました。

山口:観てみたいですね。

ロウ:オムニバスの映画の中の一つで、日本で今後観られるかはちょっと分からないですね…。

――ロウ監督は日本映画のお好きな点や作品などございますか?

ロウ:『嫌われ松子の一生』は好きですね。

山口:『嫌われ松子の一生』ですか。

ロウ:主人公がちょっと(『生きててごめんなさい』の)莉奈さんに似ている(笑)。

山口:ははは、確かに(笑)。

ロウ:そういう性格のキャラクターは、やっぱりどこか特別な感じがしますね。

山口:意外なチョイスだった。何か『ガッデム 阿修羅』と違う、結構派手な作品じゃないですか『嫌われ松子の一生』って。そこらへんは・・どういう感じなのでしょう、自分の作品でもそういった作品を作ってみたいと思ったりはするのですか?

ロウ:キャラクターとかストーリーは、いつも作品を作った後に、自分のカラーが出てくる感じで、あらかじめ決めていることはあまりないので、作りたくても作れないかもしれないですね。

0410asura1 【STORY】
0410asura3 18 歳の誕生日を迎えたばかりのジャン・ウェンが、夜市で乱射事件をおこした。
その動機について、周囲の誰も見当がつかない。
偶然現場に居合わせた記者のメイ・ジュンズ(バイ菌)は、事件の真相を突き止めるべく動き出す。
そんな彼の決意が引き金となり結びつけられた、悩みや不満を抱える6人の運命が、夜市で交錯する―。
もし、彼らが犯行前に別の選択をしていたら、悲劇は起きなかったのだろうか…。

プロデューサー:陳彥翰(チェン・イエンハン)
監督:樓一安(ロウ・イーアン)
脚本:樓一安(ロウ・イーアン)/陳芯宜(チェン・シンイー)
出演:黃聖球(ホアン・シェンチョウ)、莫子儀(モー・ズーイ)
   王渝萱(ワン・ユーシュアン)、潘綱大(パン・ガンダー)
   賴澔哲(ライ・ハオジャ)、張詩盈(チャン・シーイン)、丁寧(ディン・ニン)
原題:該死的阿修羅/英題:GODDAMNED ASURA
字幕:夏國明/配給:ライツキューブ
2022/台湾/5.1ch/114 分/DCP/台湾語 中国語
©Content Digital Film Co., Ltd

公式サイト:https://goddamnedasura.com/

2023年6月9日(金)よりシネマート新宿他にて全国順次公開

※『該死的阿修羅』に関するこれまでの記事とインタビュー音声

2023/04/10
台湾映画『ガッデム 阿修羅(原題:該死的阿修羅)』が6月9日より日本公開決定!
http://www.asianparadise.net/2023/04/post-a28542.html

2022/10/24
Podcast 台湾映画『アシュラ/阿修羅(原題:該死的阿修羅)』樓一安(ロウ・イーアン)監督インタビュー
http://asianparadise.sblo.jp/article/189886316.html

2022/10/23
2022台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜〜革新と継承〜」第7回『阿修羅/アシュラ(原題:該死的阿修羅)』構成と展開のおもしろさに絶讃の声!
http://www.asianparadise.net/2022/10/post-2b548e.html

2022/02/14
台湾映画『該死的阿修羅』正式ポスターと予告編発表!
http://www.asianparadise.net/2022/02/post-32a994.html

2022/01/09
台湾映画『該死的阿修羅』台湾で3月公開決定!
http://www.asianparadise.net/2022/01/post-abc5c8.html

2021/11/13
金馬影展開幕!金馬奨3部門ノミネートの台湾映画『該死的阿修羅』ワールドプレミア!
http://www.asianparadise.net/2021/11/post-2d60d9.html

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