『キン・フー 武俠映画の王(原題:大俠胡金銓)後編』期待以上と感動の声! 会場では宇田川幸洋さんのディープなトークを堪能、オンラインは後日配信!
2016年から始まりました台湾文化センターとアジアンパラダイス共催の台湾映画上映イベント「台湾映画のいま」、今年は会場+オンラインのハイブリッド形式で開催しており、第4回は武侠映画の王キン・フー監督の作品と映画人生を記録したドキュメンタリー『キン・フー 武俠映画の王(原題:大俠胡金銓)後編』を上映しました。
今回上映した後編では、キン・フー監督の素顔に迫り、これまで語られることのなかったアメリカでの生活と創造への焦燥、孤独感なども明かされます。
前回同様武侠映画の根強いコアなファンだけでなく、キン・フー監督や武侠映画にあまり親しみのない方もかなりご覧いただき、前編と雰囲気の異なるキン・フー監督の新作製作途中での急死や周りの人々の思いに、多くの方が胸を揺さぶられたようでした。
(以下、アンケート回答からの抜粋)
「面白かった。よく知らなかった胡金銓晩年の様子が丁寧に説明されていた。華工血涙史は残念でした。」「万全な状態で復活を賭けた映画を撮りたいって思いが仇になったのは…周囲の人達にとっても何とも言えない哀しみを誘う最後、どんな映画になったんだろう?見てみたかった」「後半は涙をこらえることができませんでしたが、キン・フー監督に関わった人たちが懐かしく時には悲しく思い出を語る姿、またこのドキュメンタリーの監督の「キン・フー監督は純粋な人でした」という言葉が心に残りました」「関係者の声だけで、こんなに監督の輪郭が浮き上がってくるのかと驚き、感動しました」「面白かったです。どう終わるのかドキドキしました。この終わりを受けて、もう一度「前編」を観たい」「前編があまりに素晴らしい内容だったので、後編も期待しておりましたが、ここまで胸を揺さぶられるとは思いませんでした」「非常に胸打たれました。映画は見ていても晩年の孤独は存じ上げなかったので…最後の作品が完成できていたらと悲しい気持ちになります」「彼について語る友人や後輩たちが、涙ながらに彼の後半生を語る様子を見ると、皆、無念や後悔を感じているのだなと思うと同時に、皆が彼を愛して慕っていたのだと感じました。キン・フーは真のアーティストです」
そして、会場ではアフタートークにキン・フー監督のインタビューと資料が満載の本「キン・フー武侠電影作法」の著者で映画評論家の宇田川幸洋さんに登壇していただき、お話しを伺いました。
宇田川さんは1978年に『おろち』という監督作品があり、その後は映画評論家として活躍されています。
特にアジア映画についてはお詳しく、映画祭などで来日したアジアの大物ゲストトークの司会をされたり、台北電影節の審査員をつとめられたこともあります。
宇田川さんの語り口はゆったりとしていながらも本質を突く言葉や、その知見から聴衆に驚きをもたらしてくれます。
「キン・フー武侠電影作法」のインタビューは、1985年の東京国際ファンタスティック映画祭で来日した時に始まり、その後監督が来日する度に取材し、約10年間かけたそうです。
監督に初めてお会いした時の印象を伺うと、「品と知性とユーモアのある良い方です。偉大な人だからこそ尊大な態度が全くないです。逆はよくありますが(笑い)。でないと一冊分のインタビューなんてできませんよね」
ということでした。
また、後編で描かれる、監督の晩年に寄り添った女性にも葬儀の時に会ったことがあるそうですが、インタビューでは一切語らなかったということです。
トーク終了後は、宇田川さんご自身が販売員となって「キン・フー武侠電影作法」をその場でサインして特別価格でご提供しました。
なお、この特別価格での著書販売は、現在台湾巨匠傑作選開催中の新宿K’s cinemaでも実施中。
但し、宇田川さんのサインはありません。
今回のアフタートークは音声収録をしましたので、できるだけ早く編集して配信したいと思います。
配信時期が決まりましたらお知らせしますので、少しお待ちください。
また、この『キン・フー 武俠映画の王』前後編の林靖傑(リン・チンジエ)監督のロングインタビューを、7月31日(月)からPodcast配信します。
どうぞお楽しみに!
★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。
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