2023金馬奨 役所広司と妻夫木聡記者会見!
妻夫木聡は、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の『黒衣の刺客(原題:刺客 聶隱娘)』や半野喜弘監督の『パラダイス・ネクスト(原題:亡命之徒)』に出演しているので、台湾との縁は深い日本人俳優の一人です。
今回も300人定員のところ、3000人から応募があったそうで、台湾での人気ぶりがうかがえます。
ご本人にとってとても印象深い『悪人』について聞かれ、「俳優として大きな挑戦であり、ターニングポイントになった作品です。この作品を通して、これまで自分でも認識していなかった一面が見え、俳優としての存在意義を見出しました」と答えていました。
監督にトライすることについては「監督よりプロデューサーとして、制作をすることに興味があります。実は台湾の脚本家とコラボして映画を作ろうとしていたのですが、コロナ禍で頓挫してしまいました」ということです。
そして共演してみたい台湾の俳優は「鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の『ひとつの太陽(原題:陽光普照)』を見て、劉冠廷(リウ・グアンティン)と許光漢(グレッグ・ハン)にとても興味を持ちました。先日東京国際映画祭に参加した劉冠廷と会うことができて、『ひとつの太陽』の悪役とは全く違うとても優しい人で演じた役とのギャップに驚きました。許光漢は独特の雰囲気を持っていて、俳優が自然にそこに存在するというのはなかなか難しいのですが、彼はそれができるので印象深い」
と語っていました。
そして、その後役所広司の登壇。
台湾は初めてだという役所広司は、「一度ご一緒してみたいと思っていた侯孝賢監督が引退を表明したことが残念です」と語り、監督の作品が世界中で愛され、世界の映画界に多大な貢献をしたことを称賛しました。
マスタークラスでは、主催者のリクエストにより『失楽園』など30代〜50代の出演作品を中心に話されたそうですが、以前『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁(原題:冰峰暴 Wings Over Everest)』 で共演した林柏宏(リン・ボーホン)との対談形式だったため、リラックスして話せたそうです。
そして、「私のような人間が映画業界で長く生き続けられるということを知っていただき、少しでも勇気を与えられたら嬉しいです」と言っていました。
今年は金馬奨60回目にあたりますが、それについ「金馬奨はアジアで非常に権威のある映画奨。これだけ長く開催できるのは、映画を愛する実行委員会の努力の賜物だと信じている」と語りました。
そして「おそらく多くのボランティアやスタッフの方々の努力でここまで来たのでしょう。今後70年、80年、100年と、映画を愛する多くの人々が金馬映画祭と金馬奨を守り続けることを願っています」と締めました。
役所広司と妻夫木聡も、北野武監督、満島ひかりと同様に、今夜の金馬奨のプレゼンターをつとめる予定です。
受賞結果などはアジアンパラダイス4年ぶりの現地取材でお伝えしますので、ご期待下さい。
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