2023年の台湾映画を振り返る
今年の台湾映画は、『關於我和鬼變成家人的那件事(僕と幽霊が家族になった件)』の一人勝ち。3億6千万元というメガヒットでダントツの一位、歴代ベスト10の7位に浮上しました。
金馬獎で8部門にノミネートされ、脚色賞を受賞、米アカデミー賞外国語映画賞の台湾代表としてエントリーしましたが、ノミネートはされず。
日本では8月に特別上映が行われ、その後Netflixで配信中です。
今年の1億越えの作品は、2022年12月30日に公開された『想見你』(『時をかける愛』の邦題で日本でも放送された大ヒットドラマの劇場版)のみです。しかし、こちらは映画賞には全く縁がありませんでした。
同じくヒットドラマの劇場版は『做工的人電影版』と『我的婆婆怎麼把OO搞丟了』がベスト10入りし、やはり強いホラー映画は、『粽邪3 :鬼門開(縄の呪い3)』、『女鬼橋2:怨鬼樓』、『化劫』と3本。
安定の九把刀(ギデンズ・コー)作品『請問,還有哪裡需要加強(ミス・シャンプー)』は、東京国際映画祭でも上映されました。
唯一アクション映画として、香港の黃精甫(ホアン・ジンポー)監督が初めて台湾で撮った『周處除三害』がランクインしたのが、目を引きます。
それにしても、興行成績ベスト10の中で金馬奨や台北電影賞のトロフィーを獲得したのは 『關於我和鬼變成家人的那件事(僕と幽霊が家族になった件)』(脚色賞/脚本賞)と『周處除三害』(アクション賞)だけというのは、残念です。
一方で、マレーシア映画ですが、金馬奨で吳慷仁(ウー・カンレン)が主演男優賞を受賞した『富都青年』は、年が明けたら1億に届くのではないかという勢いで動員をのばしています。
もちろん、この快挙は台湾におけるマレーシア映画で初めてのこと。
さて、日本の映画祭では、大阪アジアン映画祭は3作とやや少なめでしたが、昨年ゼロだった東京国際映画祭で5作上映されたのはうれしい限りです。
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