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2023/12/06

台湾BLドラマ「VBLシリーズ」第1部「Stay By My Side」楊懿軒(ヤン・イーシュエン)、洪暐哲(ホン・ウェイジョー)/第2部「You Are Mine」毛祁生(マオ・チーション)、蕭鴻(シャオ・ホン)インタビュー

1206bl1 東京国際映画祭に併せて開催されるコンテンツマーケットTIFFCOMの【TAIWAN DAY】で、台湾BLドラマ「VBLシリーズ」第1部「Stay By My Side」の楊懿軒(ヤン・イーシュエン)&洪暐哲(ホン・ウェイジョー)、第2部「You Are Mine」の毛祁生(マオ・チーション)&蕭鴻(シャオ・ホン)の記者会見が行われました。
会見終了後に4人のインタビューを行いましたので、その模様をお伝えします。
<写真は左から、毛祁生(マオ・チーション)、蕭鴻(シャオ・ホン)、楊懿軒(ヤン・イーシュエン)、洪暐哲(ホン・ウェイジョー)>

※写真はクリックすると別ウィンドウで拡大表示します

1206bl2 「VBLシリーズ」は台湾の三立電視と日本のエスピーオーが共同制作したオリジナル脚本によるBLドラマシリーズです。その第1部「Stay By My Side」の主演CP(カップル)、洪暐哲(ホン・ウェイジョー)と楊懿軒(ヤン・イーシュエン)。幽霊が苦手な顧步夏(グー・ブーシア)を演じる洪暐哲は、主題歌「牛頓與蘋果(ニュートンとリンゴ)」を担当、その歌声も披露しています。

洪暐哲:主演と主題歌の話は別々でした。最初に出演の話があり、主演が決まったあとで、ちょうど未発表だった自分の歌がドラマの内容とピッタリ合っていることに気づいたんです。自分の歌が主題歌に決まってうれしかったです。

顧步夏のルームメイトとなるエリート転学生・江馳(ジャン・チー)を演じる楊懿軒は、これまで台湾映画に出演してきました。(アジアンパラダイスに過去記事がありますので、下記のリンクよりぜひご覧ください!)

楊懿軒:この作品が決まったときは、BLドラマが初めてということもあり、僕にとってとても大きなチャレンジだと思いました。すごくいい経験になりました。

ふたりは同じ国立台北藝術大学出身で元々知り合いだったそうです。

洪暐哲:でも年は5つ離れているので、学年は違いました。
楊懿軒:僕たちは大学時代に知り合っていて、このドラマで再会できました。

1206bl3 シリーズ第2部「You Are Mine」の主演CP、毛祁生(マオ・チーション)と蕭鴻(シャオ・ホン)。若き社長の夏商舟(シア・シャンジョウ)を演じる毛祁生は、これまでドラマや舞台など数々の作品に出演してきました。

毛祁生:僕が初めて俳優を経験したのは中国ドラマでした。時代劇からスタートし舞台劇なども経て、BLドラマはこれが初めてです。

新人秘書の堯舜宇(ヤオ・シュンユー)を演じた蕭鴻(シャオ・ホン)は、香港映画『古惑仔』シリーズのメンバー5人が20年ぶりに再結集して話題となった『ゴールデン・ジョブ』(18/香港)に出演しています。

蕭鴻:僕は蕭鴻です。僕の英語名、タイガーと呼んでいただいても構いません。『ゴールデン・ジョブ』には主人公の少年時代のシーンで参加しています。そう、僕が演じたのは鄭伊健(イーキン・チェン)の少年期でした。 

◯ドラマで演じたキャラクターと自分自身の相違点は?

1206bl4 楊懿軒:似ているところはけっこうあります。江馳みたいに潔癖性とまではいかないけれど、僕も清潔好きで整理整頓が得意。それから、もし誰かを好きだと自覚したら、けっこうアグレッシブにいっちゃうところも! 違うのは、江馳はあまり感情を顔に出さず近づきにくい雰囲気ですが、僕はとても明るい人です。

洪暐哲:僕は100%顧步夏と一致しています(笑)。最初に顧步夏のキャラクター紹介の資料を見たときに、僕の紹介が書いてあるのかと思ったくらい、僕とピッタリでした。

楊懿軒:僕から見ても、洪暐哲と顧步夏は100%近く似ていますよ。唯一違う点といえば、洪暐哲は幽霊を怖がらない。それから、本当はバスケットボールがあまりうまくないです(笑)。

1206bl5 毛祁生:自分と夏商舟はよく似ています。トラウマがあるちょっと重いキャラの夏商舟を演じるにあたり、僕は自分の心の深い部分を掘りさげる作業をやるなどして、いろいろ頑張りました。僕自身も人見知りで近づきにくいと思われるところがあると思うのですが、たぶん、プロデューサーが自分のそういう部分を見出してくれて、今回の出演が決まったのだと思います。

蕭鴻:僕と堯舜宇が似ているのは70〜80%くらい。堯舜宇は、恋愛において自分を低く見る癖があり、母親の朝食屋を手伝わないといけない立場でもあるので、社長との身分の差でも不安になり、自分には相応しくないと思ってしまう……という役です。僕自身も、もし誰かを好きになったら自信がなくなって、堯舜宇と同じく、この人に僕は相応しくないんじゃないか、僕のこと好きじゃないんじゃないか、となってしまいます。だからもし僕に好きな人ができたら、いいなとは思ってもちょっと行動には移せないな、という傾向があると思います。

◯特に印象に残っているシーンとその撮影エピソードを教えてください。

1206bl6 楊懿軒:顧步夏が見る夢の中のキスシーンです。撮影現場での監督からの指示は、「ふたりに任せるからやりたいことをやって!」というものでした。だからもう、僕たちはやりたいことをやろうとやりたい放題で(笑)、自然とキスしました。それなのに、監督は突然「カット!」と言って。なぜかというと、そのとき僕は思わず舌を入れてしまったんです。それで監督がカットしたのがとても印象的でした。

洪暐哲:ふたりが初めて出会うシーンです。バスケットボールを持って彼とぶつかり、ただ謝って離れる、と脚本に書いてあるだけのシーンでしたが、僕が実際に演じたときに、彼と目が合った瞬間、ふたりのこれからがいろいろ浮かんできたんですよ。だから僕にとって、とても特別なシーンとなりました。

毛祁生:初めて自宅に招いた堯舜宇と対面で座り、すごく気まずい雰囲気のなか、自分のことを好きかどうかを問うシーンが印象に残っています。なぜなら、僕が演じる夏商舟は、堯舜宇に対する思いをぶつけて拒否され続けているというのに、恥を忍んで、俺じゃ嫌なのかということを聞くのって、すごく勇気が必要だと思うからです。たとえば、バスケでシュートしたボールがまだ宙にあって、入るか、入らないか、のときと同じように、夏商舟が自分の気持ちを受け取ってもらえるのか否かを知るまでの瞬間です。夏商舟は年齢も若く、会社の会長である母親から無理やり社長にさせられ、クールなふりをしていなければならないだけで、実は内面はまだ子供なんです。

蕭鴻:いま毛祁生が言ったシーンでは、社長はキスしてくるの? この先の展開はどうなるの!? と、堯舜宇も演じる僕自身もすごくドキドキしましたよ。僕が一番印象に残っているのは、堯舜宇が社長に宛てた別れの手紙を書くシーン。別れといっても社長を思いやった内容でもあり、泣きたいけどただ泣くのとは違う、すごくいろいろな感情が複雑に入り交じった手紙でした。とにかく僕は役に入り込んでいたので、撮影セットの小物までもが、まるで自分の私物のように思えていたほどでした。

◯これからどんな俳優になりたいですか?

楊懿軒:僕はどんな器に入ってもその形状になる“水”のような俳優になりたいです。

洪暐哲:憧れや目標にしたい先輩はたくさんいますが、その人になりたいわけではなく、つねにちゃんと自分自身でありたい。僕には歌手としての夢があり、いつか台湾の金曲奨(音楽賞)で賞をとりたいです。

毛祁生:僕は10代の頃、人生についてとても迷っていたときに、出会った1本の映画『幸せのちから』(06/アメリカ)に励まされ、すごい影響を受けました。なので自分も作品を通じて、いま迷っている誰かの力になれるような俳優になりたいです。

蕭鴻:憧れる俳優は劉冠廷(リウ・グァンティン)。それから、毛祁生からいろいろな映画を薦められて、レオナルド・ディカプリオもすごく好きになりました。僕もこのふたりのように、どの作品のどんな役でもしっかりとした自分のカラーを持っている俳優になりたい。僕の好きな“ポケモン”のキャラ、メタモンも、どんな姿にでも変身できるけど、目だけは変わらないんですよ(と私物のポケモンカードを見せながら)。僕もそんな俳優になりたいです。

◯最後に、自身もお気に入りの、台北のオススメを教えてもらいました。

楊懿軒:タピオカミルクティー。今回の空き時間に洪暐哲と東京デートをしたんです。新宿や渋谷、表参道にも行ってショッピングしました。そのときにタピオカミルクティーがあったので飲んだら、台湾のほうがおいしいね! って(笑)。しかも台湾では安いし! だから皆さん、台湾に来たら、おいしいタピオカミルクティーをぜひ飲んでくださいね。

洪暐哲:僕は夜市。大鶏排(フライドチキン)だけじゃない、いろいろな食材を揚げた鹹酥雞のほか、豬血糕、豬血湯といった豚の血を使った串や鍋、臭豆腐など、おいしいB級グルメを楽しめて熱気も感じられるのでオススメします。饒河街観光夜市もおいしいものがいっぱいありますよ!

毛祁生:お笑いライブやコメディの舞台を観るのもオススメです。ぜひ生の笑いや舞台の雰囲気を味わってほしいです。僕も舞台出身で、外見がクールそうに見えるせいかそのギャップで、笑わせる場面ではすぐに笑ってもらえました(笑)。

蕭鴻:じゃあ僕は、タピオカミルクティーを飲んで、夜市に行って、舞台を観たあとのオススメを言いますね(笑)。僕の出身校、中国文化大学から見る夜景です。学校は陽明山(台北郊外の山)にあるので、ものすごくきれいなんですよ。ずっと見てきた僕でも何度見ても飽きないし、青春のいろんな思い出も詰まっています。僕は落ち込んだときにそこへ行って、夜景を眺めながら自分自身を振り返り、帰りに近くのおいしい韓国風火鍋を食べるのが定番です(笑)。ぜひ皆さんもやってみてください!

(取材・文 小俣悦子)

楊懿軒の過去記事はこちら!
☆2020台北電影節国際新人監督コンペ作品『破處』ワールドプレミア
http://www.asianparadise.net/2020/06/post-2c64e3.html

☆2021台北電影節でシークレット作品として柯震東(クー・チェンドン)主演『鱷魚』特別上映!
http://www.asianparadise.net/2021/10/post-68e566.html#more

<データ>
2023.12.8(金)発売 
「Stay By My Side」(原題:免疫屏蔽)
Blu-ray BOX 13,200円(税込)
DVD-BOX 11,000円(税込)

2024.1.31(水)発売
「You Are Mine」 (原題:絕對佔領)
Blu-ray BOX 13,200円(税込)
DVD-BOX 11,000円(税込)

各発売・販売元:エスピーオー
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★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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