杜琪峰(ジョニー・トー)監督来日舞台挨拶『エグザイル/絆』裏話、5年ぶり新作について語る!
1月26日(金)より、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開中の「ジョニー・トー 漢の絆セレクション」の杜琪峰(ジョニー・トー)監督が来日、シネマート新宿で初日舞台挨拶を行い、オフィシャルレポートが届きました。
香港ノワールの先頭を走り、香港映画界の代表として世界にその名が知られる杜琪峰監督。
彼が2004年~2006年に製作し、カンヌ国際映画祭での上映や、香港電影金像奨、台湾金馬奨ほか数々の賞を受賞した『ブレイキング・ニュース』『エレクション 黒社会』『エレクション 死の報復』『エグザイル/絆』の4作品の初DCP特集上映を、「ジョニー・トー 漢の絆セレクション」と称して1月26日(金)より、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開中です。
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『エグザイル/絆』上映後の来場者から大きな拍手で迎えられた杜琪峰。「どうぞよろしくお願いいたします」と日本語で挨拶を述べました。
MCから「エグザイル/絆」の企画過程について尋ねられ「これまでの作品と同じように脚本らしいものは存在しない。僕のやり方を理解してくれるパートナーとして『ザ・ミッション/非情の掟』のチームを多く起用した」と話しました。
また「(『ザ・ミッション』に出演している)ラム・シューが『エグザイル』を『ザ・ミッション』続編と言っているが、実はそうは考えてはいなかった』と。香港ではなくマカオを舞台とした理由を「バカンスだよ(笑)。旅行したかっただけなんだ(笑)。当時はカジノもあまりなく、映画撮影に関する規制も厳しくなかったからね」ということでした。
杜琪峰の作品に数多く出演している林雪(ラム・シュー)についての話になると、「彼を一言で表すならメチャクチャ。外見も内面もね。でも、それが受け入れられやすいキャラクターとして映画にいい効果をもたらしている。でも、いつも似たような役で出てもらっていて、ほかの役はダメなんだ(笑)」と絆を感じさせます。
また、『林雪は当時、私の撮影現場でスタッフとして雑用をやっていた。ある時、役者から離れたところで演技の真似をしているのを見て、意外と役者より上手いことに気づいた。それで予算が少なかった『ザ・ミッション』に出演させてみた』と裏話も明かしてくれました。
5年間長編映画を撮影していない杜琪峰は「ここ数年、香港ではいろいろな出来事や大きな変化があった。自由を奪われ人々の暮らしが変化している。そういったことは、私の創作に影響を与える。コロナ禍には映画に対する失望のようなものもあったと思う。しばらく制作から遠ざかっていたが、今は1つの作品を手がけている。早ければ旧正月(※2月10日)の前にクランクインするだろう。問題は、いまだに脚本がないことだ(笑)」と述べました。
最後に「世界中に行く機会があるが、日本は一番良い国だと思う。1970年代小さな子供だった時にたくさんの日本のテレビドラマを見て育った。私の大好きな日本の映画監督の一人は黒澤明で、多大な影響を受けている。私の作品のすべてが黒澤明監督へのオマージュです。本日はご来場いただきましてありがとうございました」と締めくくりました。
「ジョニー・トー 漢の絆セレクション」はシネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋ほかで上映中!
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