台湾映画『オールド・フォックス 11歳の選択(原題:老狐狸)』6月14日(金)より全国公開!
2023年の東京国際映画祭でも上映された台湾映画『Old Fox(原題:老狐狸)』が、『オールド・フォックス 11歳の選択』という邦題で、6月14日(金)より全国公開になります。
本作は侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督と小坂史子さん、林逸心(リン・イーシン)がエグゼクティブプロデューサーをつとめる、蕭雅全(シャオ・ヤーチュエン)監督5年ぶりの新作です。
1989年『悲情城市』でヴェネツィア国際映画祭グランプリを受賞。2015年『黒衣の刺客』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。小津安二郎への敬愛から『珈琲時光』を製作し、昨年10月には引退を発表した侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督。
そんな侯孝賢監督作品の助監督を務め、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐ俊英・蕭雅全(シャオ・ヤーチュエン)が監督を務めた本作。これまで2010年デビュー作の『命帶追逐』から『第36個故事(台北カフェストーリー)』(2010年)、『范保德』(2018年)と蕭雅全監督作全てのプロデュースを侯孝賢が務めており、本作が最後のプロデュース作となります。
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本作は昨年の東京国際映画祭でワールドプレミア上映され、人生の選択肢を知って成長していく少年と、彼を優しく見守る父の姿に心打たれる人が続出。
2023年の第60回金馬奨で監督賞、最優秀助演男優賞(アキオ・チェン)、最優秀オリジナル音楽賞、最優秀メイク&コスチュームデザイン賞の4冠を獲得しています。
主演のリャオジエには『Mr.Long ミスター・ロン』などで日本でも知られている日台のダブルで、台湾では神童と呼ばれる天才子役白潤音(バイ・ルンイン)。そして日本でもスマッシュヒットを記録した『1秒先の彼女』など若き演技派の劉冠廷(リウ・グァンティン)がW主演としてリャオジエの父親役に扮し、慎ましやかに支え合いながら生きる父子役を演じています。
リャオジエに影響を与える“腹黒いキツネ”(オールド・フォックス)と呼ばれる地主のシャ役には、台湾の名脇役陳慕義(アキオ・チェン)。シャの秘書役に『怪怪怪怪物!』の劉奕兒(ユージェニー・リウ)。
そして、門脇麦が経済的には恵まれているが空虚な日々を生きる人妻・ヤンジュンメイを演じ、初の台湾映画出演を果たしました。
この度解禁された本ポスターは、オールド・フォックスの横顔のシルエットの中に父の働くレストランの厨房で宿題をするリャオジエと働く父の姿、そして2人並んで自転車に乗る父子の慎ましやかな日常の姿が収められており、オールド・フォックスという存在に翻弄される父子が表現されています。
そして、「ただ、夢をかなえたかったー」というコピーが見るものの胸をざわつかせるでしょう。
また、予告編では、1989年バブルに揺れる台湾を舞台に父と慎ましく暮らす11歳の少年リャオジエ。彼の夢は父と家を買い、亡くなった母の夢だった理髪店を開くこと。しかし、時代の波は父子に無情な現実を突きつけます。家を買えると思った矢先、不動産価格は2倍に高騰、少年は残酷な現実を知る。
貧しさ故にいじめにも遭った、不公平を知ったリャオジエは遂にオールド・フォックスと出会います。オールド・フォックス(腹黒いキツネ)はリャオジエが住む家の家主の呼称で、高級車を何台も所有し、不動産バブルで儲けまくっていました。
オールド・フォックスは「不平等を利用し、強者になれ」とリャオジエに生きる術を教えます。リャオジエはオールド・フォックスの高級車でいじめっ子たちをギャフンと言わせ、力を知りました。同時に「君の父は負け組だ」と人のいい父を蔑まれることにも。
リャオジエには全てが刺激的でした。オールド・フォックスへの憧れと、父を馬鹿にされた悔しさに挟まれ、リャオジエは初めて父に反抗的な態度を取り「どんな大人になりたい?」という疑問を突きつけられます。
「知るもんか!」と泣きながら自転車を走らせるリャオジエ。果たして彼が選ぶ未来とは・・・?
そして、リャオジエの父と門脇演じるヤンジュンメイの大人のキスシーンやリャオジエ父子が自宅の壁に線を引き身長を測る心温まるシーン、そして「私みたいになりたいか?」とオールド・フォックスに問われ岐路に立たされたリャオジエの姿が描かれるという心に深く刺さる映像となっています。
蕭雅全(シャオ・ヤーチュエン)監督コメント
他人を思いやることですべての社会問題が解決できると思うほど、私も単純ではありません。しかし思いやりがなければ、社会的な格差と矛盾は拡がっていくことでしょう。では現代社会に向き合い、私は父親として、思いやりが人間としての基本であることを、子供にどう説明したものでしょうか?「オールド・フォックス」このストーリーは、私が子供から十年以上も受け続けた問いが発端となっています。かつて私は両親から価値観を与えられました。しかし世界は変わっていきます。私自身にも新たな学びが必要です。それによって私は自分の子供たちに、変わっても良いもの、変えてはいけないものが何なのかを、伝えられるのではないでしょうか。
門脇麦コメント
台湾映画でしか感じられない色彩や湿度、空気感がどうしたって強烈に昔から好きで、これまで沢山の台湾の作品に触れてきました。
台湾映画に出演できるなんて信じられない!と夢心地で現場に向かい、スクリーンに映る自分を観ても、やっぱり信じられない!と夢心地で、幸福すぎる時間を過ごさせていただきました。
その場にただ居さえすれば全てが成立する現場の空気、監督の言葉以上に何かが伝わる眼差し、今思い出しただけでも胸が震えるような、そんな経験をしました。
日本での公開、とても嬉しいです。1人でも多くの方にこの作品が届きますように。
『オールド・フォックス 11歳の選択』
プロデューサー:侯孝賢(ホウ・シャオシェン)、林逸心(リン・イーシン)、小坂史子
監督:蕭雅全(シャオ・ヤーチュエン)
出演:白潤音(バイ・ルンイン)、劉冠廷(リウ・グァンティン)、陳慕義(アキオ・チェン)、門脇麦、劉奕兒(ユージェニー・リウ)
原題:老狐狸/英題:OLD FOX/2023年/台湾・日本/112分/シネマスコープ/カラー/デジタル/字幕翻訳:小坂史子
配給:東映ビデオ
HP:https://oldfox11.com/
公式X:@OLDFOX0614
6月14日(金)新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
※本作に関するこれまでの記事
2023/11/09
2023東京国際映画祭 台湾映画『Old Fox』Q&A
http://www.asianparadise.net/2023/11/post-4227a6.html
2023/09/29
台湾映画『老狐狸』が東京国際映画祭において『Old Fox』の邦題でワールドプレミア!
http://www.asianparadise.net/2023/09/post-3a3a12.html
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コメント
門脇さん、旧友として出演してましたね。
幼いころの記憶が礎?になって、ガメツい?建築家になっちゃいましたね。
投稿: しんや | 2024/05/31 23:37