« 台湾BLドラマ『關於未知的我們』が『僕らも知らない僕らーUNKNOWNー』の邦題で2月24日から日本で配信決定! | トップページ | 台湾ドラマ『不夠善良的我們』が4月6日より台湾の公共電視とMyVideoほかで放送開始、予告編解禁! »

2024/02/18

台湾ドキュメンタリー映画『尋找湯德章』台湾で3月公開!

0218tan1 日本でも公開された台湾のドキュメンタリー映画『灣生回家』の黃銘正(ホアン・ミンチェン)とプロデューサーでもある連楨惠(リエン・チェンフイ)監督による新作『尋找湯德章』が、台湾で3月15日に公開されます。
本作は、二二八事件で命懸けで民衆を守った弁護士・湯徳章(タン・ダージャン)の生涯を記録した映画で、彼が生きた1907年から1947年までの台湾現代史を振り返り、現地の人々の暮らしを深く掘り下げた作品となっています。

 

◆湯徳章(タン・ダージャン)について
0218tan2 1907年、日本人の母と台湾人の父の子として台南に生まれ育ちました。
父は台南の巡査でしたが殉死、湯徳章もまた台南の巡査となり警部補まで昇進するものの、様々な差別に憤りと強い問題意識を持ち,1939年に退職。
母方の親戚がいる日本で法律を学び弁護士資格を取得、台南に戻って弁護士事務所を開設しました。
第二次世界大戦終結後も人権派弁護士として、社会正義、民主思想、社会改革のために尽力。

◆湯徳章と二二八事件
1947年、中国国民党統治下で発生した二・二八事件(民衆への弾圧・虐殺の引き金となった事件)が全台湾に広まる中、湯徳章はデモ活動に加わった学生学生たちが暴徒として扱われることを防ぎました。
しかし台南に入った国民党の軍隊が大規模な鎮圧活動を行い、湯徳章は事件を首謀した日本人として逮捕されます。彼は事件に関わった人々を守るために、事件に関係するリストや資料を全て燃やし、拷問を受けても最後まで一人の名前も口にせず、公開銃殺され40年の生涯を閉じました。

◆湯徳章紀念公園
0218tan3 台南にある二二八事件で命懸けで民衆を守った弁護士・湯徳章を記念した公園。
日本統治期には、地名にちなみ大正公園と呼ばれており、公園の中央には、台湾総督、児玉源太郎の銅像が置かれていました。戦後は、中華民国の国父、孫文の銅像に入れ替えられ、「民生緑園」と改称され、1998年には、二二八事件の際にこの地で公開処刑された弁護士の湯徳章氏を記念し、湯徳章紀念公園となりました。
2018年には湯徳章の胸像が建立され、2001年、台南市は3月13日を「台南市正義與勇気紀念日(=正義と勇気の記念日)」に制定。この地は、湯徳章を語っていると同時に台湾のナショナルアイデンティティーをめぐる変遷を表わした公園でもあります。

0218tan4 この映画では、ドキュメンタリーの定石である"歴史の証人"ではなく、湯徳章とは何者か?という台南の果物店の店主や湯徳章の養子、2015年から湯徳章についての調査と執筆を続けている記者が登場します。
彼らの追求により湯徳章という人物が想像を超えて豊かになり、物語を織りなしていきます。
そして、俳優による歴史の再現も散りばめられており、ここで湯徳章を演じるのは、鄭有傑(チェン・ヨウジエ)監督。
鄭有傑は『親愛なる君へ(原題:親愛的房客)』、『太陽の子(原題:太陽的孩子)』はじめ数々の秀作を監督していますが、俳優としても映画やドラマで多くの作品に出演しています。

鄭有傑は父の仕事の関係で日本で暮らしたことがあり、日本語が流ちょうなことでも知られています。
生まれが台南という共通点もあることから、湯德章を演じることで歴史や湯德章をより深く理解できると語っています。

黃銘正監督は「私も多くの人と同様に二二八事件で亡くなったといううっすらとした認識で、湯徳章とはどんな人かを知りたいと思っていた。歴史を深く掘り下げ漠然とした日本統治時代の台湾を振り返るようになりましたが、さらの疑問が増えていった」と言い、製作に5年を費やしました。
そうして一般的な歴史ドキュメンタリーの形式とは異なる、日常生活とユーモアをたっぷりと盛り込みながら、現実の人物と歴史上の人物との間を自然に繋げ、難しくて退屈なものであるという歴史に対する固定観念を打ち破る唐徳章の生涯の物語が完成したのです。

『尋找湯德章』
監督:黃銘正(ホアン・ミンチェン)、連楨惠(リエン・チェンフイ)
出演:鄭有傑(チェン・ヨウジエ)
3月15日より台湾で公開

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

|

« 台湾BLドラマ『關於未知的我們』が『僕らも知らない僕らーUNKNOWNー』の邦題で2月24日から日本で配信決定! | トップページ | 台湾ドラマ『不夠善良的我們』が4月6日より台湾の公共電視とMyVideoほかで放送開始、予告編解禁! »

コメント

湯徳章は父が日本人で母が台湾人です。幼くしてお父さんが殉職したので湯姓にしたのだと思います

投稿: 村上 | 2024/12/05 20:28

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 台湾BLドラマ『關於未知的我們』が『僕らも知らない僕らーUNKNOWNー』の邦題で2月24日から日本で配信決定! | トップページ | 台湾ドラマ『不夠善良的我們』が4月6日より台湾の公共電視とMyVideoほかで放送開始、予告編解禁! »