アジアンパラダイス

監督は、最近台湾でも問題になっているロマンス詐欺にヒントを得て、愛を大胆に追求していくことを考えたそうです。
ヒロイン像は閉ざされた地域の農村で養鶏を営んでいる人に出会い、一方で自分探しの旅が増えている台湾で、リスクがあっても自分を成長させることが流行っており、伝統的な生活習慣の女性がそれにより自分の未来を切り開いていくという姿を描いたそうです。

アフタートークの冒頭で、「いま台湾で公開中なので」と、後ろを向いてプロモーション用のTシャツの背中を見せてくれました。
背中には劇中に出てくる鶏と犬がプリントされていて、ポスターにも印刷されているキャッチフレーズの「滑到一個命定」と書かれています。
運命に滑り込め？
恐れることなく果敢に進め、という意味でしょうか。とっても可愛いデザインです。

監督は1982年生まれ、大学の放送・映画学部で学び、プロデューサーからキャリアをスタートさせました。
監督としては2012年に短編第一作が金穗獎（台湾の短編映画アワード）にノミネートされ、2017年に作ったテレビ映画が、金鐘獎で他部門にノミネート。
本作が長編第一作で、釜山国際映画祭に出品しています。

主演の劉品言（エスター・リウ）は、アイドルからスタートし主演も助演もできる俳優として成長、多くの映画やドラマで活躍。大ヒットドラマ『華燈初上－夜を生きる女たち（原題：華燈初上）』のような依存度の強い女性から、個性的で独立心あふれる女性まで、振り幅の広い演技を見せてくれています。
本作での成長するヒロインぶりは、持ち味を生かした見事な演技だと思います。

また、安定の林柏宏に加え、2018年に公開され大ヒットとなった映画「先に愛した人（原題：誰先愛上他的）」の主題歌を担当して金馬奨の主題歌賞を受賞した独立系の人気アーチスト李英宏が目を惹きます。
今回は音楽以外に俳優として小さな役の予定でしたが、監督は俳優としての潜在能力を感じたので重要な役にしたと、アフタートークで語っていました。
それもそのはず、李英宏はこれまでドラマで主演したこともあり、映画もゲスト出演ながら2作、短編映画でメインキャストの経験があります。

『サリー（原題：莎莉）』
監督：練建宏（リエン・ジエンホン）
出演：劉品言（エスター・リウ）、林柏宏（リン・ボーホン）、李英宏（リー・インホン）、楊麗音（ヤン・リーイン）、湯詠絮（タン・ヨンシュイ ）

アフタートークでは、製作のきっかけ、李英宏（リー・インホン）の起用の理由、共同脚本の劉梓潔（エッセイ・リウ）との役割分担について語っています。
会場ノイズやカメラのシャッター音でお聞きづらいところがありますことをご了承下さい。
通訳は樋口裕子さん、司会は上野昂志さん。

アフタートークはこちら。
http://asianparadise.sblo.jp/article/190829712.html

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