2024大阪アジアン映画祭『盗月者』袁剣偉(ユエン・キムワイ)監督アフタートークとインタビュー
3月5日、ABC ホールにて、大阪アジアン映画祭のスペシャル・オープニング・セレモニーに続き、『盗月者』の上映と袁剣偉(ユエン・キムワイ)監督と日本人キャストの田邊和也さんによるアフタートークが行われました。
『盗月者』は袁剣偉監督の長編三作目、東京と香港を舞台に国宝級腕時計を巡って繰り広げられる犯罪アクション映画です。
メインキャストは香港の人気グループMIRRORのメンバー盧瀚霆(イーダン・ルイ)、呂爵安(アンソン・ロー)、姜濤(ギョン・トウ)と最近香港映画で大活躍の張繼聰(ルイス・チョン)、白只(マイケル・ニン)という魅力的な顔ぶれ。
老舗の時計店の二代目は悪徳ディーラーで、先代の時代からの窃盗チームメンバーと彼らに復讐したい青年、そして巻き込まれた転載鍵師のオタクによる大規模な犯罪計画。
裏切りと見せかけて…からのたたみかけるどんでん返しのストーリー展開で、本当に痛快なエンターテインメントでした。
監督は、香港や東京の実際の窃盗事件をベースにこの物語を作ったそうですが、劇中で出てくる伝説の「ムーンウォッチ」も実話ということです。
一緒に登壇した田邊和也は脚本を読んでとても面白いので、初めての香港からのこのオファーを受けたそうです。
はじめて監督にあった時はいかにも巨匠という感じで「正直こわっ!と思いました。でも話してみるとめちゃくちゃ笑顔でそのギャップにやられ、一気に信用できて楽しかった」と言っていました。
観客からの質問で日本と香港の撮影の違いについて「香港人の撮影は早い、めちゃくちゃ。日本人は他人に迷惑をかけてはいけないというのがポリシーのようですが、私たちは他人に迷惑をかけずにどうやって撮影できるのかという考え方です。大変ご迷惑おかけしました」とと言い、会場は大爆笑でした。
また、ロケ地については、ハイクラスな銀座と非常にローカルな場所として川崎で撮影したことも明かしてくれました。
大阪アジアン映画祭の作品紹介ページ:https://oaff.jp/programs/2024-sop/
そして、6日の朝、アジアンパラダイスでは袁剣偉監督にインタビューしました。
本作の構想から完成までには14年かかっているそうで、予算も少ないので劉徳華(アンディ・ラウ)のようなスーパースターは使えないため、若い新人のMIRRORを起用したということ。
日本人キャストは、日本サイドのプロデューサーにステレオタイプでない俳優を探して欲しいとリクエストし、田邊和也はじめ個性豊かなキャスティングになったそうです。
張繼聰と白只を選んだポイント、エンディング曲の羅文(ロマン・タム)の懐メロ「心里有个谜」の選曲について、前夜のアフタートークで語り足りなかった日本での撮影エピソードなど、色々伺いました。
このインタビューは、後日Podcastで配信しますので、お楽しみに!
写真で監督が手に持っているのは、この映画の日本語版チラシと映画本。
香港での公開時に、日本の配給は決まっていないが日本語版を作ってしまったのだそう。
2月15日〜3月3日に香港の深水埗で行った映画の展示会で販売し、通販では買えるようです。
日本では、これから流通のシステムをリサーチして、販売に向けてトライするというので、これは香港映画ファンにとってはお宝なので、ぜひ販路を確保していただきたいですね。
そして、なにより『盗月者』はとってもおもしろい映画なので、日本での公開を熱望します。
『盗月者』
監督:袁剣偉(ユエン・キムワイ)
出演:盧瀚霆(イーダン・ルイ)、呂爵安(アンソン・ロー)、姜濤(ギョン・トウ)、張繼聰(ルイス・チョン)、白只(マイケル・ニン)
★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。
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