第19 回大阪アジアン映画祭 グランプリは『シティ・オブ・ウィンド』!
3月1日から開催されていた第19回大阪アジアン映画祭の受賞結果がABCホールで行われた授賞式で発表されました。
★グランプリ『シティ・オブ・ウィンド』
★来るべき才能賞 練建宏(リエン・ジエンホン)『サリー』
★ABCテレビ賞『サリー』
★薬師真珠賞 池韵(チー・ユン)『未来の魂』
★JAPAN CUTS Award『カオルの葬式』
スペシャル・メンション『ブルーイマジン』
★芳泉短編賞『シャングリラに逗留』
スペシャル・メンション『スウィート・ライム』
★観客賞『あまろっく』
受賞一覧詳細
👑グランプリ(最優秀作品賞)
『シティ・オブ・ウインド』(City of Wind)|フランス・モンゴル・ドイツ・ポルトガル・オランダ・カタール|監督: ラグワドォラム・プレブオチル(Lkhagvadulam Purev-Ochir)
コンペティション部門上映作品を対象に、審査委員会が最も優秀であると評価した作品に授与。副賞として賞金50 万円を贈呈。
コンペティション部門審査委員:デイヴ・ボイル(脚本家、映画監督、プロデューサー)、村田敦子(ミモザフィルムズ代表取締役、アンガ・ドウィマス・サソンコ(映画監督)
<授賞理由>
青春映画というジャンルの枠組みでグランプリを受賞した本作は、私たちが見たことのない世界を照らし出し、スピリチュアリティや世代間の対立といった問題を、巧みさと自信に満ちた手腕で描き出す。この映画は、主人公の成⾧を繊細に描きつつ、啓示的な演技を中心に据えている。
👑来るべき才能賞
リエン・ジエンホン(LIEN Chien Hung/練建宏)|台湾|『サリー』(Salli/莎莉)監督
コンペティション部門上映作品を対象に、審査委員会が最もアジア映画の未来を担う才能であると評価した方に授与。副賞として賞金20 万円を贈呈。
<授賞理由>
リエン・ジエンホン監督は、予想だにしなかった展開とひねりを加えつつも、過去の偉大なキャラクター主導型コメディを彷彿とさせる素晴らしい創作力を発揮した。思い出の場所や人物を散りばめた卓越した脚本で、心からの感動と大爆笑コメディを両立させるテクニックを披露したリエン監督の次回作を大いに期待する。
👑ABC テレビ賞
『サリー』(Salli/莎莉)| 台湾・フランス | 監督: リエン・ジエンホン(LIEN Chien Hung/練建宏)
当映画祭実行委員会参加の朝日放送テレビにより創設されたスポンサーアワード。アジア映画の新作(一部作品を除く)を対象に、朝日放送テレビが最も優れたエンターテインメント性を有すると評価した作品に授与。
副賞として賞金100 万円[テレビ放映権として]を贈呈(ただし、放送用素材製作費を含む)。
<授賞理由>
とてもほっこりした気持ちにさせる映画です。パリへと渡る主人公の葛藤もうまく描けていますし、家族や友人との触れ合いも暖かく、読後感が大変良いです。なにより、ニワトリが可愛い!
👑薬師真珠賞
チー・ユン (CHI Yun/池韵)|オーストラリア・中国|『未来の魂』(Unborn Soul/渡)主演俳優
薬師真珠によるスポンサーアワード。上映されたすべての作品の出演者を対象に、薬師真珠が最も輝きを放っていると評価した俳優に授与。副賞として薬師真珠より、あこや真珠のネックレスを贈呈。
<授賞理由>
チー・ユン(池韵)という俳優が存在したからこそ『未来の魂』は生み出された。そして彼女の繊細で深みのある演技が、観客の魂を最初から最後まで揺さぶりつづけた。
👑JAPAN CUTS Award
『カオルの葬式』(Performing KAORU’s Funeral)| 日本・スペイン・シンガポール | 監督: 湯浅典子(YUASA Noriko)
インディ・フォーラム部門の日本映画を対象に、米国ニューヨーク市のジャパン・ソサエティー(日本映画祭「ジャパン・カッツ!」主催団体)がエキサイティングかつ独創性に溢れると評価した作品に授与。
<授賞理由>
『カオルの葬式』はある家族の葬儀の場で起きる赤裸々な感情のぶつかりを見事に捉えたホームドラマである。
タガの外れた演技の完璧な掛け合いが、パーカッションのリズムが心地よいサウンドトラックと勢いのいい編集と相まって、家族の機能不全を面白くも切なく描いたダークコメディに仕上がっている。
👑JAPAN CUTS Award スペシャル・メンション
『ブルーイマジン』(Blue Imagine) | 日本・フィリピン・シンガポール | 監督: 松林麗
(MATSUBAYASHI Urara)
<授賞理由>
松林麗の力強くて誠実な初監督作である『ブルーイマジン』は私たちが生きる現在の証であり、そのメッセージにおいて緊急性を、そのアプローチにおいて癒しを感じさせる。現代文化に蔓延るセクハラや虐待に大胆に立ち向かう一方で、団結のレジリエンス(回復力)を指し示している。
👑芳泉短編賞
『シャングリラに逗留』(Sojourn to Shangri-la/是日訪古) | 中国 | 監督: リン・イーハン (LINYihan/林詣涵)
芳泉文化財団により創設されたスポンサーアワード。今年度映画祭で上映された60 分未満の作品(協賛企画《芳泉文化財団の映像研究助成》を含む)のうち、日本初上映の作品を対象に、審査委員会が最も優秀であると評価した作品に授与。副賞として次回作研究開発奨励金10 万円を贈呈。
芳泉短編賞審査委員:堀春菜(俳優)、ドンサロン・コーウィットワニッチャー(映画評論家、プロデューサー)、サンジェイ・ペルマル(脚本家、映画監督)
<授賞理由>
強烈なイメージの魅力で観客の心を掴んで離さない物語は、一連のマジカルな展開に続く導火線に火をつけ、特に驚くほどパワフルな後半で映画的衝撃をもたらす。『シャングリラに逗留』は見る者すべてに驚きを与え、それは監督の映画づくりの成功と言える。
👑芳泉短編賞スペシャル・メンション
『オン・ア・ボート』(On a Boat)| 日本 |監督: ヘソ (Heso)
<授賞理由>
結婚と人間関係をテーマに真摯に向き合った本作で、ヘソ監督は力強い演出力と緻密に計算されたテクニックで完成度の高い作品に仕上げ、確固たる才能を印象付けた。
『スウィート・ライム』(Sweet Lime)| 香港・イギリス |監督: ファティマ・アブドゥルカリム (FatemaABDOOLCARIM)
<授賞理由>
子供であること、大人であること、そして女性であることについての重要な物語を、映画制作の高い能力をもって表現した。アブドゥリカリム監督自身のコミュニティに対する貴重な洞察であり、家父⾧制文化に抑圧される女性たちへのリアリズムに基づいた観察でもある。
👑観客賞
『あまろっく』(Amalock)|日本|監督:中村和宏(NAKAMURA Kazuhiro)
全部門の上映作品の内(一部作品を除く)、当映画祭の上映が日本初上映となる作品について、観客の投票による得点平均が最高の作品に授与。副賞として薬師真珠より淡水真珠のネックレスを贈呈。
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