台湾巨匠傑作選2024 7月20日より新宿K’s cinemaほか全国順次開催!
以下、リリースより。
2023年7月、エドワード・ヤン監督の大回顧展が台北市立美術館で開催された。会場では岩井俊二、濱口竜介、ヴェルナー・ヘルツォーク、オリヴィエ・アサイヤス等の映画人たちが、今なお色褪せないヤン監督作品の魅力を語る映像が上映され、世界の映画人に与えた影響の大きさを改めて物語っていた。
同年10月には、台湾を代表する世界的巨匠ホウ・シャオシェン監督が体調を理由に引退宣言をし、新作を期待していた世界中の映画ファンたちに衝撃を与えた。ホウ監督の名を世界に知らしめた『悲情城市』4Kデジタル・リマスター版が台湾で公開され、大きな話題となったばかりであった。
ホウ監督とともに『坊やの人形』に参加し、第3話『りんごの味』を監督で知られる、ワン・レン(萬仁)監督。代表作の『スーパーシチズン超級大国民』は、22年ぶりにデジタル・リマスター版が2017年東京国際映画祭で上映、翌年に『台湾巨匠傑作選2018』にて公開され大きな話題となった。
ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)監督は、近年は映画だけではなく舞台演出やアートインスタレーションの分野に活動の場を広げている。2022年東京国際映画祭では、「ツァイ・ミンリャン監督デビュー30周年記念特集」が開催され、改めてその存在感を見せつけた。
“台湾近代映画の巨匠”といえば、ホウ・シャオシェン、エドワード・ヤン、ワン・レン、ツァイ・ミンリャンといった、台湾ニューシネマの監督たちの名前が挙がるだろう。しかし彼らと並び称される映画監督が台湾には存在する─。
◆劇場初公開2作品を含むワン・トン監督 幻の≪台湾近代史三部作≫
『無言の丘』『村と爆弾』『バナナパラダイス』一挙公開!
台湾ニューシネマを牽引した傑物ワン・トン(王童)監督は、≪台湾近代史三部作≫で知られるが、『台湾巨匠傑作選2020』で『バナナパラダイス』(89)が上映されるまで、長らく日本ではその作品を観ることが出来なかった。
第二次世界大戦下の農民の姿を田んぼに立つ案山子の視点で描く『村と爆弾』(1987)、日中戦争の最中兵士として大陸から台湾に渡った二人の青年の戦後に至る迄を追った『バナナパラダイス』(1989)、日本統治時代台湾の金鉱山と娼館を舞台に貧しい庶民の姿を映した『無言の丘』(1992)。
いずれも時代の流れに翻弄される庶民の喜びや悲しみに焦点を当てその生きざまをユーモアたっぷりに描き不朽の名作として台湾映画史に燦然と輝いている。
『台湾巨匠傑作選2024』では、「台湾巨匠傑作選2020」で公開された『バナナパラダイス』に続き三部作残りの2作『無言の丘』『村と爆弾』を劇場初公開し、ホウ・シャオシェン監督ら台湾ニューシネマ作品と対比する形で上映し、台湾ニューシネマの魅力をお届けする。また『台湾巨匠傑作選2022』にて最終上映になった、ワン・トン監督プロデュース作品『熱帯魚』の特別上映が決まった。
◆ワン・トン(王童)/映画『村と爆弾』『無言の丘』『バナナパラダイス』監督
1942年中国安徽省大和県生まれ。国立台湾芸術専科学校卒業後、中央電影でキン・フー監督の『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』(67)『俠女』(70)等に美術スタッフとして参加、その後リー・シン(李行)監督、パイ・ジンルイ(白景瑞)監督らの下で美術を担当し、高い評価を得る。1981年『仮如我是真的』(If I Were for real・未)で監督デビュー、同作で第18回金馬奨最優秀作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀改編脚本賞を獲得。代表作に『海を見つめる日(看海的日子)』(83)『村と爆弾(稲草人)』(87)『無言の丘(無言的山丘)』(92)など。『熱帯魚』(95)『藍色夏恋』(02)プロデューサー。自身の監督作品のほか、100を超える作品で美術指導にあたる。
2007年に台湾文芸界における最高栄誉賞である国家文芸賞を、2019年に金馬奨の名誉賞である終身成就奨を受賞。
◆映画『無言の丘』に、村上春樹も絶賛する台湾出身の
新鋭漫画家高妍(ガオ・イェン)さん描き下ろしイラスト&コメント‼
村上春樹『猫を棄てる 父親について語るとき』(文藝春秋)の装丁・挿画を手掛け、村上春樹や松本隆、浅野にいお等が絶賛した漫画『緑の歌 - 収集群風 -』(KADOKAWA)の著者で、台湾出身の漫画家・イラストレーターの高妍(ガオ・イェン)さんより、『無言の丘』の描き下ろしイラストとコメントが到着した。
1920年、日本統治時代台湾の金鉱山と娼館を舞台に貧しい庶民の姿を映した本作から、チュウとウェイ兄弟が、丘の上から友人を見送る姿が描かれている。兄弟の笑顔に隠された様々な感情が、丘の上にそよぐ風と共に伝わってくる1枚になっている。
◆台湾ニューシネマを知る、台湾を知るための必読の3冊とタイアップ決定‼
『台湾巨匠傑作選2024』開催に際し、台湾の歩み、台湾ニューシネマをより理解するための書籍3作品とのタイアップが決定。
ホウ・シャオシェン監督が2007年に映画制作を学ぶ学生に向けて行った講義の記録「侯孝賢の映画講義」は、ホウ監督の人生観から映画制作やその世界を理解する上で必読の1冊になっています。
『恋恋風塵』『悲情城市』など、不朽の名作の数々をホウ・シャオシェン監督とともに創り上げてきた女流作家チュー・ティエンウェン(朱天文)による珠玉のエッセイ集「侯孝賢(ホウ・シャオシェン)と私の台湾ニューシネマ」は、回顧ではなくまさにその当時、当事者の目線から描いた作品を中心に編んだ貴重な思い出が綴られています。
日本統治時代から戒厳令下の時代、民主化を経て現代まで、時代の荒波に揉まれたある個人の歴史からたどる台湾現代史「台湾の少年」は、台湾の歴史と共に民主化の歩みを描いた台湾発の傑作グラフィック·ノベルです。
SNSフォロー&リポストキャンペーンで、各1冊(「台湾の少年」は4巻セット)がプレゼントされる。
≪書籍紹介≫ 「侯孝賢の映画講義」
著者:侯孝賢 編者:卓伯棠 訳者:秋山珠子/みすず書房/3,600円(税別)
侯孝賢が2007年に映画制作を学ぶ学生に向けて行った講義の記録。生い立ちから人生観、映画制作まで、その世界が存分に語られる。解題・市山尚三。
「侯孝賢(ホウ・シャオシェン)と私の台湾ニューシネマ」
著者:朱天文 訳者:樋口裕子、小坂史子/竹書房/2,500円(税別)
『恋恋風塵』『悲情城市』など、不朽の名作を侯孝賢とともに創り上げてきた女流作家/脚本家、朱天文が描く「台湾映画がもっとも輝いていた、あの日々」
「台湾の少年」(全4冊)
1 統治時代生まれ、2 収容所島の十年、3 戒厳令下の編集者、4 民主化の時代へ
著者:游珮芸、周見信 訳者:倉本知明/岩波書店/各2,400円(税別)
日本統治時代から戒厳令下の時代、民主化を経て現代まで、時代の荒波に揉まれたある個人の歴史からたどる台湾現代史。
台湾巨匠傑作選2024~台湾映画の傑物ワン・トン(王童)監督と台湾ニューシネマの監督たち~
7月20日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次開催
配給:オリオフィルムズ
配給協力:トラヴィス
共催:国家電影及視聴文化中心
宣伝:大福
公式HP: https://taiwan-kyosho.com ※公式HPは5月下旬オープン予定
料金:一般:1,600円/大・高:1,400円/中・小・シニア:1,000円 特別鑑賞券(3回券・特製缶バッジ付き):3,600円
作品ラインナップほか、詳細は公式サイトをご覧下さい。
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