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2024/05/13

台湾映画『流麻溝十五号』7月26日(金)より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか全国順次公開!

0513ryumakou1 台湾で初めて女性の思想犯を描いた『流麻号十五号(原題:流麻溝十五號」)』が、7月26日(金)より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか全国順次公開になります。
この度公開情報と共に特報映像も発表になりました。


本作は曹欽榮(ツァオ・シンロン)が6人の被害者の口述をまとめた本「流麻溝十五號:綠島女生分隊及其他」をベースにし、台湾で初めて女性の政治犯を扱った物語。
これまで一貫してジェンダーレスの視点から数々の作品を手がけてきた周美玲(ゼロ・チョウ)監督がメガホンをとり、3人の女性を中心に、悲しい結末を迎える男女や複雑な立場と感情のカップルの行く末、家族との別れなどが描かれます。
台湾では2022年10月14日から開催された高雄電影節のオープニングを皮切りに、10月28日から台湾で公開され、興行収入4000万台湾ドルというヒットとなりました。

※写真はクリックすると別ウィンドウで拡大表示します

第二次大戦後、台湾では「白色テロ」と呼ばれた恐怖政治下で戒厳令が敷かれていた時代、台湾の東南方の海上に浮かぶ自然豊かな島「緑島」に、30年以上もの間、政治犯収容を目的とした教育施設と監獄が置かれていました。
思想改造及び再教育を目的とした教育施設「新生訓導處」は、1951年から1965年まで設置され、多くの女性たちも収容。ここに収監された人々は、名前でなく番号で管理されていました。
映画のタイトルとなった『流麻号十五号(原題:流麻溝十五號」)』は、この女性達が収容されていた施設の住所です。


0513ryumakou2 台湾の白色テロを扱った映画は侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の『非情城市』や王仁(ワン・レン)監督の『スーパーシチズン 超級大国民(原題:超級大國民)』、そして最近では『返校 言葉が消えた日(原題:返校)』が日本でも公開されています。
しかし、同じ時代に女性の思想犯がかつて「火燒島」と呼ばれた「緑島」に収監されていた事実はほとんど知られていません。
もっとこの歴史を伝えたいと自ら映画製作会社を立ち上げた姚文智(ヤオ・ウェンジー)プロデューサーが、口述記の原作者曹欽榮の協力のもと、周美玲監督に託したというのが、この映画の製作経緯です。


0513ryumakou5 キャストは高校生役に舞台出演も多く、シンガーソングライターとしても活動する余佩真(ユー・ペイチェン)、映画は本作が4作目となります。
秀作ドラマ『一把青』でドラマアワード金鐘獎で主演女優賞を獲得し、日本でも配信されているヒットドラマ『茶金 ゴールドリーフ(原題:茶金)』の主役ほかで活躍する連俞涵(リェン・ユーハン)がモダンダンサー役。
そして一児の母で看護師の活動家を演じるのは、、2008年に日本公開した周美玲監督作『彷徨う花たち(原題:漂浪青春)』に主演し、監督、脚本家、作家としてもマルチな才能を発揮する徐麗雯(シュー・リーウェン)。
ちなみに、余佩真も連俞涵も徐麗雯監督のドラマに出演しています。


<ストーリー>
0513ryumakou3 1953年、自由を口にするものは政治犯としてすぐに捕まる時代。政治的弾圧が続く中、罪を課せられた者は思想改造および教育・更生のため緑島に収監されていた。連行された者たちは、名前ではなく番号に置き換えられ、囚人として「新生訓導處」に監禁、重労働を課せられる日々を余儀なくされた。
純粋な心を持つ、絵を描くことが好きな高校生・余杏惠(ユー・シンホェイ)。ひとりの子どもが生まれて間もなく投獄された正義感の強い、看護師・嚴水霞(イェン・シュェイシア)。妹を拷問から守るため自首して囚人となった陳萍(チェン・ピン)。
次々と迫る不条理に対しても思考は止めず台湾語、北京語、日本語などあらゆる言語を駆使しながら一日一日を生き延びようと過ごす人々。時の為政者は何をしてきたのか。考えることは罪なのか。これまで閉ざされていた歴史に、また一つ光が射す。


0513ryumakou4 この映画は昨年春に東京と大阪で1回ずつ上映会を行い、見た方々から熱い反響をいただきました。
実は、それ以前から日本公開に向けて動いていましたので、共同主催する台湾文化センターでの上映回では会場のみでオンラインを実施しなかったことを、今さらではありますがご了承いただければと思います。
その当時、会場に来られなかった方、配信を楽しみにしていた全国の方々に見てもらえるように、来日が叶わなかった周美玲監督のインタビューや姚プロデューサーと曹欽榮さんのトークをもとに、スペシャル映像コンテンツ『流麻溝(りゅうまこう)十五号(原題:流麻溝十五號)の世界』を製作し、オンライン配信しました。
台湾文化センターのYouTubeで今でも見ることができますので、予習として、また、まっさらな状態で7月の公開を待ちたいという方は本編鑑賞後にご覧いただければと思います。


https://www.youtube.com/watch?v=vMc8MPyPy2Q&t=4s


『流麻号十五号(原題:流麻溝十五號」)』
監督:周美玲(ゼロ・チョウ)
原作:曹欽榮(ツァオ・シンロン)
出演:余佩真(ユー・ペイチェン)、連俞涵(リエン・ユーハン)、徐麗雯(シュー・リーウェン)、徐韜(シュー・タオ)、莊岳(ジャン・ユエ)
脚本:周美玲、吳旻炫(ウー・ミンシュアン)
製作総指揮:姚文智(ヤオ・ウェンチー)
製作:張永昌(チャン・ヨンチャン)
主題歌:曹雅雯(ツァオ・ヤーウェン)
協力:湠臺灣電影公司
監修協力:江口洋子
日本語字幕 青井哲人+亭菲
後援:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター
配給:太秦
【2022年/112分/台湾/DCP/5.1ch】
7月26日(金)より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか全国順次公開


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