第37回東京国際映画祭 ラインナップ発表!中華圏の作品をピックアップして紹介
10月28日より開幕する第37回東京国際映画祭のラインナップ発表記者会見が9月25日に開催、各部門の上映作品が発表されました。
この日はゲストとして、フェスティバル・ナビゲーターとして菊地凛子とコンペティション作品より大九明子監督、吉田大八監督、片山慎三監督、さらにNippon Cinema Now監督特集の入江悠監督が登壇しました。
会見の模様は、公式サイトでご覧下さい。
https://2024.tiff-jp.net/news/ja/?p=64394
さて、ラインナップもすでに公式サイトに掲載されていますが、今年は各部門で中華圏、特に中国の作品が目立ち、制作国はアメリカで中国語の作品もあります。
ここでは公式サイトで表記されていないキャストの漢字表記や、アジアンパラダイスで紹介した作品はそのリンクなどを記しました。
上映日、チケット購入についてなどの詳細、旧作と中華圏以外の作品については、公式サイトをご覧下さい。
<第37回東京国際映画祭 開催概要>
■開催期間:2023年10月28日(月)~11月6日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
■公式サイト:www.tiff-jp.net
※写真はクリックすると別ウィンドウで拡大表示します
【中華圏の作品(合作、中国語作品含む)】
<コンペティション>
『小さな私』(原題:小小的我)2024年 中国
監督:杨荔钠(ヤン・リーナー)
出演:易烊千玺(イー・ヤンチェンシー)、林晓杰(ダイアナ・リン)、 蒋勤勤(ジャン・チンチン)
フィクションとドキュメンタリー双方で活躍するヤン・リーナーの監督作品。障がいを持ちながらも力強く生きる若者を、その母、祖母との関係のなかに描く。『少年の君』(19)でスターとなったイー・ヤンチェンシーが主演。
『娘の娘』(原題:女兒的女兒)2024年 台湾
監督:黃熙(ホアン・シー)
出演:張艾嘉(シルヴィア・チャン)、林嘉欣(カリーナ・ラム)、劉奕兒(ユージェニー・リウ)
『台北暮色』(17)で監督デビューしたホアン・シーが、大女優シルヴィア・チャンを主演に迎えた新作。同性のパートナーとアメリカで暮らしている娘の死の知らせを受け、アメリカを訪れた母親が自ら封印していた過去に直面する。
『わが友アンドレ』(原題:我的朋友安德烈)2024年 中国
監督:董子健(ドン・ズージェン)
出演:刘昊然(リウ・ハオラン)、董子健(ドン・ズージェン)、迟兴楷(チー・シンカイ)
『山河ノスタルジア』(15)等で知られる俳優ドン・ズージェンが出演も兼ねた監督デビュー作。父の葬儀のため故郷の街に向かった男と少年時代の友人との奇妙な再会を描く。「唐人街探偵」シリーズ(15、18、21)のリウ・ハオランが主演。
『雨の中の慾情』(雨中的慾情) 2024年 日本/台湾 カルチュア・パブリッシャーズ
監督:片山慎三
出演:成田凌、中村映里子、森田剛
日本×台湾共同制作作品。『さがす』(22)「ガンニバル」(23)の片山慎三監督がつげ義春のシュルレアリスム作品「雨の中の慾情」を原作に創出した、独創的で数奇なラブスト―リー。
『お父さん』(原題:爸爸)2024年 香港
監督:翁子光(フィリップ・ユン)
出演:劉青雲(ラウ・チンワン)、谷祖琳(ジョー・コク)、蘇文濤(ディラン・ソウ)
香港電影金像奨を受賞した『九龍猟奇殺人事件』(15)など、リアリズム・タッチの作品で知られるフィリップ・ユンの最新作。家族を殺害する事件を起こした息子と対峙する父親の苦悩を描く。ラウ・チンワンが主演。
『チャオ・イェンの思い』(原題:乔妍的心事)2024年 中国
監督:趙德胤(ミディ・ジー)
出演:趙麗穎(チャオ・リーイン)、辛芷蕾(シン・ジーレイ)、黃覺(ホアン・ジュエ)
スター女優として活躍するチャオ・イェンのもとに、長年連絡が途絶えていた姉が訪ねてくる。それをきっかけに、彼女は隠していた過去に脅かされる。ミャンマー出身の映画作家ミディ・ジーが中国で撮影した最新作。
<アジアの未来>
『黒の牛』(黒之)2024年 日本/台湾/アメリカALFAZBET
監督:蔦 哲一朗
出演:李康生(リー・カンシェン)、ふくよ(牛)、田中泯
禅に伝わる「十牛図」から着想を得た、牛と男の物語。ツァイ・ミンリャン監督作品で知られるリー・カンションが主演、70ミリフィルムを一部使用し圧倒的な映像美で誘う「無」への旅。
『幼な子のためのパヴァーヌ』(原題:搖籃凡世)2024年 マレーシア
監督:張吉安(チャン・ジーアン)
出演:廖子妤(フィッシュ・リウ)、許恩怡(ナタリー・スー)、袁富(ベン・ユエン)
多民族・多宗教の国マレーシアで女性たちが直面する厳しい現実を、赤ちゃんポストの運営スタッフの目を通して描く意欲作。香港映画でお馴染みの女優たちが光彩を放つ。台湾の金馬奨で受賞歴を持つチャン・ジーアン監督の3作目。
『シマの唄』(原題:Sima's Song)2024年 スペイン/オランダ/フランス/台湾/ギリシャ/アフガニスタン
監督:ロヤ・サダト
出演:モジュデー・ジャマルザダー、ニルファル・クーカニ、アジズ・ディルダール
1978年のアフガニスタン。共和制から社会主義に移行する時期を舞台に、親友ながら裕福な共産主義者と貧しいムスリムという対照的なふたりの女子大生が、その後の内戦で翻弄される。サダト監督は女性解放運動家としても知られる。
『三匹の去勢された山羊』(原題:三个羯子)2024年 アメリカ
監督:叶星宇(イエ・シンユー)
出演:フイ・ワンジュン、フー・ビンアイ、ドゥー・ホァンロン
3匹の山羊を仕入れるため都会から山西省の村に帰省した男が、コロナ禍の過剰な予防対策や隔離政策に振り回され、検査員の息子や両親との関係も混乱していく。庶民と行政の関係を皮肉まじりに描くイエ・シンユー監督デビュー作。
『赦されぬ罪』(原題:不赦之罪)2024年 香港
監督:林善(ジェフリー・ラム)、譚善揚(アントニオ・タム)
出演:黃秋生(アンソニー・ウォン)、蘇玉華(ルイーザ・ソー)、歐鎮灝(ジョージ・アウ)
名優アンソニー・ウォンが牧師に扮し、罪と罰をめぐって葛藤する濃密なドラマ。最愛の娘を死に至らせた犯人の青年が出所して教会に保護される。復讐の念に燃える父と神の赦しを説く牧師の立場に引き裂かれた苦悩の果てに…。
『海で泳げない鯨』(原題:不游海水的鲸)2024年 アメリカ
監督:汪迪(ワン・ディー)
出演:朱丛冉(ジュー・ツォンラン)、野兆月(イェ・ジャオユエ)、韩三明(ハン・サンミン)
地方の街を訪れた青年が、カメラを持ち歩く不思議な少女に出会う。ふたりは周辺を散策しながら日々を過ごし、やがて別れが到来する。研ぎ澄まされた映像美と音楽と極少のセリフで描かれる驚愕の180分! ワン・ディー監督デビュー作。
<ガラ・セレクション>
『ブラックドッグ』(原題:狗阵)2024年 中国 クロックワークス
監督:管虎(グァン・フー)
出演:彭于晏(エディ・ポン)、贾樟柯(ジャ・ジャンク―)、(佟丽娅トン・リーヤー)
第77回カンヌ映画祭「ある視点」部門最優秀作品賞受賞! さらに、同映画祭にてパルムドッグ審査員賞受賞! 孤独な青年と黒い犬との絆を描く、ヒューマン・ドラマ。
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(原題:九龍城寨之圍城)2024年 香港 クロックワークス
監督:鄭保瑞(ソイ・チェン)
出演:古天樂(ルイス・クー)、洪金寶(サモ・ハン)、任賢齊(リッチー・レン)
香港映画歴代NO.1大ヒット! アクション映画史にその名を刻む新たな傑作!
※参照 http://www.asianparadise.net/2024/09/post-db49ec.html
<ワールド・フォーカス>
『ラスト・ダンス』(原題:破.地獄)2024年 香港
監督:陳茂賢(アンセルム・チャン)
出演:黃子華(ダヨ・ウォン)、許冠文(マイケル・ホイ)、衛詩雅(ミシェール・ワイ)
パンデミックと不況のためにウェディングプランナーの仕事が立ち行かなくなり、葬儀社に転職した男をダヨ・ウォンが演じるドラマ。香港映画界の伝説的スター、マイケル・ホイが共演。
『陽光倶楽部』(原題:阳光俱乐部)2024年 中国
監督:魏书钧(ウェイ・シュージュン)
出演:黄晓明 (ホァン・シャオミン)、陆小芬(ルー・シャオフェン)、祖峰(ズー・フォン)
上海国際映画祭コンペティションで上映され、母親を介護する青年を演じたホァン・シャオミンが男優賞を受賞した作品。主人公が入会している「陽光倶楽部」の総帥役を、ジャ・ジャンクーが怪演。
『怒りの河』(原題:怒江)2024年 中国
監督:刘娟(リウ・ジュエン)
出演:王砚辉(ワン・イェンフイ)、邓恩熙(ダン・エンシー)、 杨皓宇(ヤン・ハオユー)
娘を自殺に追い込んだ、いじめの中心となっていた女子高生の行方を追い、中国の雲南省から国境を越えてミャンマーに向かう父親を描くパワフルなドラマ。平遥国際映画祭オープニング作品。
<ウィメンズ・エンパワーメント>
『母性のモンタージュ』(原題:虎毒不)2024年 香港
監督:陳小娟(オリヴァー・チャン)
出演:談善言(ヘドウィグ・タム)、盧鎮業(ロー・ジャンイップ)、彭杏英(ジャニス・パン)
香港で平凡に暮らしていたスジンは、母となり日常が一変。どう暮らし、自分はどうあるのかを見つめ直さなければならない試練の渦に巻き込まれる。
<特別上映>
『千里江山図』(原題:只此青绿)2024年 中国
監督:周莉亚(ジョウ・リーヤー)、韩真(ハン・ジェン)
出演:张翰(チャン・ハン)、孟庆旸(モン・チンヤン)、谢素豪(シエ・スーハオ)
北京の故宮博物院に収蔵されている北宋時代の名画「千里江山図」にインスパイアされた舞踊劇「只此青緑」を映画化した作品。美しいダンス・シーンが全編に展開する。
★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。
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