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2024/11/14

台湾映画『餘燼』台湾プレミア、いよいよ台湾で公開!

1114embers1 11月15日から台湾で公開になる鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の新作『餘燼』の台湾プレミアが、13日に行われました。
当日は監督はじめキャストの莫子儀(モー・ズーイ)、劉冠廷(リウ・グァンティン)、陳以文(チェン・イーウェン)、李銘忠(リー・ミンジョン)、侯彥西(ホウ・イエンシー)、小薰=黃瀞怡(ホアン・ジンイー)が参加。
監督は公開10日前から北部、中部、南部の劇場を頻繁に訪れましたが「この映画を通して、多くの観客とコミュニケーションを取りたい。もし劇場が参加させてくれるなら、なにがあろうと駆けつける。劇場に泊まりこみしても良いよ」と語りました。

※写真はクリックすると別ウィンドウで拡大表示します

1114embers2 監督は「この映画は、私が映画製作に従事してから最も難しい作品だ。難しかったのはストーリーを作ってそれを撮るということではなく、台湾の歴史に直面したときの自分の心。復讐の物語のために歴史を探求し、被害者が加害者に替わり、公平さと正義が何かという答えが見つからないとき、歴史がそれを語る方法は非常に危険だから」と胸中の思いを明かしました。

1114embers3 劇中で二役を演じる莫子儀は、被害者でもあり加害者でもあるという難しい役について「かなり昔の恨み、悲しみ、不満、不正と手放すことしかできなかった過去、そういう火種を無力なこの身に抱えながら日々を生きていかなければならない」と語っています。
そして、今回初めて鍾孟宏監督と一緒に仕事をして、彼一人の視点でのシーンを撮影するとき、自らアングルを決めたり、アメリカでの撮影時には照明エンジニアも務めたそうです。
印象深かったのは銃撃戦のシーンで、「このシーンには2日かけました。光と影のマジックアワーが2分間だけしか続かず、光は待ってくれません。このシーンはそれほど重要ではないものの、監督は事件の背後に登場人物の無力さ、歴史の曖昧さ、残酷な冷酷さ、血なまぐさい暴力などが存在することを描いています。そこに流れる感情を、まだ陽が昇りきらない少し空が明るい夜明けの瞬間に、光と影、空と大地を背景に繊細かつ厳かに撮影しました」と、話していました。

1114embers4 多忙の中を駆けつけた劉冠廷は、初めてこの脚本を読んだ時の震撼はかなりのものだったそうで「物語はとても複雑で、登場人物が多い。監督は、人物のキャラクターを丁寧に説明してくれました。監督のすごいところは、作品に対する粘り強さと真剣な取り組みが伝わってくることです。監督は自分自身に挑戦し続けているのですね」と絶讃。
また、印象に残っているシーンは、自身がビルから落ちるところだそうです。「墜落の効果を出すため、人と機器が完全に連携する必要があるため、何度試したかも覚えていないくらいです。本当に、皆さんお疲れ様でした」。

陳以文は「登場人物があまりに多いので、脚本をゆっくり読んで巧みに構成された細部を見落とさないようにしました」と、2年前に監督のオフィスで脚本の初稿を読んだときの印象を語りました。
この脚本は8稿まで書かれ、監督は最初陳以文をシークレットサービスのアシスタント役にしていたのですが、出番が少ないので、リーダー役に変更したそうです。
陳以文は「監督は私に善と悪の両方を兼ね備えたキャラクターを演じてほしいと言ったのですが、リーダー役は事件を解決して功績を挙げるというプレッシャーがあります。でもほとんどは署内にいて外に出て事件に関わることはないので、リラックスして楽しい撮影でした」と語っていました。

金馬奨に5部門にノミネートされている『餘燼』、来週の授賞式が楽しみですね。

※これまでの『餘燼』に関する記事

2024/10/16
【台湾映画】鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の新作『餘燼』プレミア大好評!
http://www.asianparadise.net/2024/10/post-cbb191.html

2024/09/14
【台湾映画】鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の新作『餘燼』予告編第一弾解禁!台湾で11月15日に公開
http://www.asianparadise.net/2024/09/post-5fcc31.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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