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2024/12/31

2024年の台湾映画を振り返る

1231gatao_20241230173601 とにかく強い『角頭』、シリーズ新作が今年のダントツでした。
2位とひと桁違い、約3倍ですから。
ほんとうに台湾の観客はこのシリーズが大好きなんですね。
2位は日台合作の『青春18×2 君へと続く道』(青春18x2:通往有你的旅程)』、ここ数年青春映画が低迷していたのでこのヒットはうれしいですね。いま大人気の許光漢(シュー・グァンハン)を主演にしたことと、台湾人が大好きな岩井俊二テイストを藤井道人監督がうまく盛り込んだのが効果的だったのではないかと思います。
そして近年のホラーブームも相変わらずですが、3位に食い込んだのはホラーではなくゴースト・コメディ。徐漢強(ジョン・スー)監督の潔くエンタメに特化した作りが、観客のツボをしっかり捉えました。

今年は文芸作がヒットしなかったのですが、楊雅喆(ヤン・ヤージャ)監督は新境地『破浪男女』でしっかりランクイン。
秋以降に黃熙(ホアン・シー)監督の『女兒的女兒(娘の娘)』や林書宇(トム・リン)監督の『小雁與吳愛麗』という秀作や、鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の豪華キャスト話題作『餘燼』が公開されたものの、興行的には振るわなかったのが残念です。

コロナ禍以降台湾に戻ってきた陳柏霖(チェン・ボーリン)がコンスタントに活躍していて、今年は出演作2本とも興行成績ベスト10に入っています。ただ、これが映画賞で個人賞に反映(ノミネート)されないのがつらいところ。
また、人気と実力で高評価の吳慷仁(ウー・カンレン)が、中国の事務所と契約したことが波紋を呼びました。これまで香港やマレーシアでも活躍しているので、多くの中国映画に出演している張震(チャン・チェン)のように"国際派俳優"として暖かく応援されることを願います。

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2024/12/30

2024年の香港映画を振り返る

1230hk_20241230144201 今年の香港映画界のトピックは、『破·地獄(ラスト・ダンス)』が歴代興行成績トップの記録を塗り替えたことでしょうか。
ちなみに、12月8日時点でHK$127,090,289(香港影業協會リリースより)。今年の金像奨でグランプリに輝いた2023年の『毒舌大狀毒舌弁護人〜正義への戦い〜)』を越えたわけですが、どちらも主演は黄子華(ダヨ・ウォン)です。
今年2位の話題のアクション大作『九龍城寨之圍城(トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦)』も、歴代12位という好成績。オスカー外国語映画賞に香港代表でエントリーされました。

監督は安定のブランド鄭保瑞(ソイ・チェン)、"ザ・香港映画"の邱禮濤(ハーマン・ヤウ)が2作ランクインしているのもうれしいですが、『我談的那場戀愛(ラブ・ライズ)』の何妙祺(ホー・ミウケイ)や『12怪盜』の何國敏(ベリー・ホウ)はデビュー作。
さらに『破·地獄(ラスト・ダンス)』の陳茂賢(アンセルム・チャン)、『焚城』の潘耀明(アンソニー・プン)、『臨時劫案(臨時強盗)』の麥啟光(アルバート・マック)、『飯戲攻心2』の陳詠燊(サニー・チャン)は3作目くらいですから、今後が頼もしい限りです。

俳優では、人気グループMIRROR、大活躍の劉俊謙(テレンス・ラウ)は台湾でも映画・ドラマに出演し、新世代のリーダーとして楽しみしかありません。
もちろん第一線で香港映画界を牽引する古天樂(ルイス・クー)、郭富城(アーロン・クォック)、林家棟(ラム・カートン)、劉青雲(ラウ・チンワン)、吳鎮宇(フランシス・ン)らに加えて、張學友(ジャッキー・チュン)が久々に映画にもどってきたのもうれしいニュースでした。

そして、興行成績トップ10のほとんどが日本で見られたことは、とってもありがたいですね。

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2024/12/29

2024年の中国映画を振り返る

1229cn_20241229203501 2024年における中国での映画興行収入が400億元(1元:約20.8円)を突破し、観客動員数も延べ9億人を超えたと、人民日報が伝えています。
年間興行成績トップとなった『熱辣滾燙』は、春節にコメディアンヌの賈玲(ジャー・リン)が『你好、李煥英』に続いて監督を務めた2作目の作品で、日本映画『百円の恋』が原案。この映画をきっかけにボクシングに注目が集まり、連休後には多くのスポーツジムやフィットネスクラブに新規入会者が殺到したそうです。
2位も春節映画で韓寒(ハン・ハン)監督の『飛馳人生2』、3年連続で春節商戦に張藝謀(チャン・イーモウ)監督が参戦した『第二十条』は4位。

夏休みには若者中心にコメディ『抓娃娃(抓娃娃(じゅあわわ)ー後継者養成計画ー)』やサスペンスの『黙殺(黙殺~沈黙が始まったあの日~)がヒットし、国慶節にあわせた陳凱歌(チェン・カイコー)監督の国策映画『志願軍:存亡之戦』がベスト10にランクインするなど、監督は巨匠から新鋭まで、幅広いジャンルの作品が公開されました。
しかし、市場はかつての勢いに翳りが出ています。昨年はコロナ禍からの回復傾向が見えていましたが、今年はすでにピークは過ぎ、実は夏休み興行はかなり低迷したとも伝えられています。

日本では東京・中国映画週間でランクインしたヒット映画のいくつかが見られますが、東京国際映画祭や東京フィルメックスなどでは、上記のような興行成績とはあまり縁のない作品がほとんどです。

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2024/12/26

「第二回Cinema at Sea - 沖縄環太平洋国際映画祭」オープニングはドキュメンタリー映画『青海原の先ー牡丹と琉球の悲歌』

1226ocean1「Cinema at Sea」をコンセプトに、優れた映画の発掘と発信を通じて、各国の文化や民族、個々人の相互理解を深めること、地元ビジネスを支援すること、そして地元の才能あるアーティストの作品を広く発信することを目指す「第二回Cinema at Sea - 沖縄環太平洋国際映画祭」が、2025年2月22日(土)〜3月2日(日)に開催されます。
そのオープニング作品が、ドキュメンタリー映画『青海原の先ー牡丹と琉球の悲歌』に決まりました。
本作は1870年代に起きた「牡丹社事件」を題材にしたドキュメンタリーで、監督は台湾出身の胡皓翔(ション・フー)です。

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2024/12/20

香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』監督・キャストが語るコメンタリー映像解禁!

0919twilight1 1月17日から日本で公開になる香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』の監督・キャストが語るコメンタリー映像が、解禁になりました。
本作は第77回カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーンにて上映され、世界中の映画ファンから大喝采を浴び増した。続いて日本では東京国際映画祭と香港映画祭2024で上映され、間もなく一般公開となる期待のアクション大作。
この度、舞台となった九龍城砦への監督やキャストの想い、この映画を通して伝えたかったことについて語る
コメンタリー映像が解禁となりました。



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2024/12/14

Podcast 台湾映画『娘の娘(原題:女兒的女兒)』の黃熙(ホアン・シー)監督と張艾嘉(シルヴィア・チャン)、林嘉欣(カリーナ・ラム)、劉奕兒(ユージェニー・リウ)インタビュー

1107daughter3 東京国際映画祭で上映した台湾映画『娘の娘(原題:女兒的女兒)』の黃熙(ホアン・シー)監督、出演・エグゼクティブプロデューサーを務めた張艾嘉(シルヴィア・チャン)、キャストの林嘉欣(カリーナ・ラム)、劉奕兒(ユージェニー・リウ)のインタビューをPodcast配信しました。
この取材は3媒体合同でしたので、他の媒体さんの質問の声は吹き替えています。ご了承下さい。

記事はこちら。
http://www.asianparadise.net/2024/11/post-439d3d.html

インタビューはこちら。
http://asianparadise.sblo.jp/article/191177124.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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2024/12/09

Podcast 香港映画『お父さん(原題:爸爸)』の翁子光(フィリップ・ユン)監督とキャストの蘇文濤(ディラン・ソウ)インタビュー

1108papa4 東京国際映画祭で上映した香港映画『お父さん(原題:爸爸)』の翁子光(フィリップ・ユン)監督とキャストの蘇文濤(ディラン・ソウ)のインタビューをPodcast配信しました。
制作の経緯、最もこだわったところ、少年役のディラン・ソウには思いがけない映画初出演についてほかお聞きしました。

記事はこちら。
http://www.asianparadise.net/2024/11/post-7a2b09.html

インタビューはこちら。
http://asianparadise.sblo.jp/article/191171608.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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2024/12/05

2024金馬奨レッドカーペット

1205carpet 11月23日に第61回金馬獎の発表授賞式が台北の台北流行音楽中心で行われ、多くの監督や俳優はじめ映画人が集まり、レッドカーペットをウォーキングしました。
今年は会場変更に伴い、レッドカーペットの形状も変わり、私達メディアからはスタート地点が見えません。
直角に曲がったところからの短い距離、そして真ん中に置かれた金馬のオブジェの手前で事務局が決める撮影する人しない人が別れるという仕組みです。

授賞式の司会は俳優の劉冠廷(リウ・グァンティン)でしたが、レッドカーペットは楊千霈(ヤン・チエンペイ)、俳優徐鈞浩(シュー・チュンハオ)、そして王渝萱(ワン・ユーシェン)が務めました。

1205moderator

ノミネート者やプレゼンターの華やかな姿を、アジアンパラダイス・チョイスでお楽しみ下さい。

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