香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』監督・キャストが語るコメンタリー映像解禁!
1993年に解体された九龍城砦は香港・九龍城地区に作られた城塞で、いつしかどこの国の法も及ばない不管理地帯となり、密入国者、移民が大量に住みつくようになり、0.026平方キロメートルの土地に密集した10-15階建てのビルを建て、スラム街を形成しました。
人口密度は約190万人/km2と世界で最も高い地区で、畳1枚に3人が住んでいるという異常な場所に。もちろん違法建築のオンパレードで、住民たちはおもちゃのブロックを重ねるように増築に増築を重ねていきました。
無法地帯と化した九龍城砦では、犯罪が横行し、この地域を知っている者は決してここに近寄ろうとしなかったといいます。それも、九龍城砦の一面だったかもしれません。
しかしこの度解禁された映像で監督の鄭保瑞(ソイ・チェン)は「この作品を作った動機は城砦へのイメージを変えたいと考えたこと、売春・賭け事・薬物の無法地帯と言われるが、80年代はそうじゃなかった。大工場のようで人々の暮らす場所だった」という。
そこでは貧しく行き場を失った人々が慎ましく肩を寄せ合い、助け合いながら生きる日本の古き良き下町社会のような人々の暮らしがあったという。金持ちにはなれなくても、懸命に働けば必ず食べて行けたのです。
密入国者として九龍城砦に逃げ込むチャン・ロッグワンを演じた、林峯(レイモンド・ラム)は「外の人間は城砦の表面しか知らない、九龍城砦の入り口には境界線があると思ってる」と述べています。
実際の九龍城砦は無法地帯だったので、本作で古天樂(ルイス・クー)演じるロン・ギュンフォンのように、住民から自警団が生まれ、治安を維持していたという。そんな自警団のエースとして九龍城砦を守っていたソンヤッを演じた劉俊謙(テレンス・ラウ)は、「城砦のにおいこそがその人の立場だ。出自を示している。人生に常に付きまとう自分そのものだからね」とこちらもすっかりレイモンド・ラムに続いて九龍城砦の住人のようなコメントをしている。
さらに監督は「城砦は来た者がひと息ついたら出て行く場所だ。つらい時をやり過ごし、ゆっくり立ち直る。元気になったら外に出て香港での生活を続けるんだ」と監督が観客に見せたい九龍城砦の本来の姿について語っているように、監督・キャストともに九龍城砦への愛が伝わる映像となっています。
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(原題:九龍城寨之圍城)』
監督:鄭保瑞(ソイ・チェン)
アクション 監督:谷垣健治
音楽:川井憲次
出演:古天樂(ルイス・クー)、洪金寶(サモ・ハン)、任賢齊(リッチー・レン)、林峯(レイモンド・ラム)、伍允龍(フィリップ・ン)、劉俊謙(テレンス・ラウ)
2024年/香港/125 分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/原題:九龍城寨之圍城/PG12
配給:クロックワークス
公式 HP https://klockworx.com/movies/twilightwarriors/
X:@totwjp
2025年1月17日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー
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