大阪アジアン映画祭 台湾映画『我が家の事』潘客印(パン・カーイン)監督と曾敬驊(ツェン・ジンホア)インタビューとQ&A!
大阪アジアン映画祭で3月22日に台湾映画『我が家の事』の上映後に、潘客印(パン・カーイン)監督とキャストの曾敬驊(ツェン・ジンホア)が登壇してQ&Aを行いました。
また、同日にインタビュー(Podcastリンクは下部)も実施。
本作は2022年に大阪アジアン映画祭で上映された『姉ちゃん(原題:姊姊)』を長編化したもので、主な登場人物である家族4人それぞれの秘密が描かれ、新たなキャラクターと織りなすハートフルな家族の物語です。
既報のように、今回はメインキャストの藍葦華(ラン・ウエイホア)、曾敬驊(ツェン・ジンホア)、黃珮琪(ホアン・ペイチー)、高伊玲(カオ・イーリン)の4人が薬師真珠賞に輝きました。
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監督は「これまで短編2本を上映してもらいましたが、今回は初の長編で参加できたことをとてもうれしく思います。大阪は我が家のようなものです」とご挨拶。
「素晴らしいキャストとスタッフと一緒に努力したので、このような作品ができあがりました。私がこの映画で表現したかった情感を、感じてもらえたと思います」と作品について語りました。
曾敬驊は「僕と監督は不思議な縁があって、『疫起/エピデミック(原題:疫起)』という映画で同じ俳優という立場で出会いました。『我が家の事』にはたくさんの思い出があります。監督の故郷である彰化で撮影をしていたのですが、両親や姉役の俳優さん達と過ごして素敵な風景や美味しい食べ物などたっぷりと彰化を味わせてもらいました。
この映画で自分の過去と重ね合わせて見た方も多いと思います。皆さんがどんな風にご覧になったのか、とても興味深いです」と、撮影の思い出も披露してくれました。
観客からの質疑応答で、父親が壁を黄色く塗っていたことについて、監督は「昔の楽しかった家族に戻りたいという気持ち、それをメタファーと壁を黄色に塗っています」ということです。
また、長女の春(チュン)を養女にし、さらに夫の友人から精子提供をしてもらってまで弟の夏(シア)を産んだのはなぜかという質問に、「春は女の子ですから、夫婦は中華的な観念で男の子が欲しいと思い、もう一人授かりたかった。そして父親は家族を維持していくことを大事に思い、頑張っていた」と答えていました。
役作りについて聞かれた曾敬驊は、「監督が思う夏の人物像にいかに近づけるかが、大きな課題でした。そのために撮影前から撮影中までずうっと監督とたくさん話すことを大事にし、コミュニケーションをとりました。この役をどうやって演じきるか難題ではありましたが、いま皆さんと一緒に見ていて、お父さんとのバルコニーのシーンをどのように演じたら良いか、監督と相談したことを思い出していました。そうやって完成した作品を、今回監督と一緒に大阪に持ってこられたことは一番の喜びです」と語りました。
最後に、監督が劇中で印象的に使われている"家族の絵"を持って来て観客に見せてくれるというプレゼントも。
そして、数時間後に単独インタビューを行いました。
潘客印監督とは、2022年の台湾文化センターの上映会で『旅立ち(原題:姊姊)』(大阪アジアン映画祭上映時のタイトルは『姉ちゃん』)に向けてのインタビューはオンラインでしたので、リアルにお会いするのは初めてでした。
曾敬驊はこれまでなかなかインタビューの機会が無かったので、今回取材が実現できうれしい限りです。
Q&Aの時からお二人が友達みたいな仲の良さを見せていたのですが、インタビューでも時々クロストークがあったり、とても和やかで楽しいひとときでした。
監督に短編から長編製作までの流れやキャスティング、前作の時に監督の私物がたくさん小道具として使われていたので、今回はどうだったのかもお聞きしました。
そうすると想像通り使われていて、その中のひとつが夏のリュックだということです。その中に監督の成績表や大学の合格証、作文、ラブレターも入っていたとか。
作文は家族のことが書かれていて、監督ご自身ものちに家族の映画を3作も作ることになったことに驚いていたようです。
このインタビューはPodcastで配信開始しましたので、ぜひお聞き下さい。
http://asianparadise.sblo.jp/article/191297033.html
※潘客印(パン・カーイン)監督監督に関する参考記事とPodcast
台湾映画『旅立ち(原題:姊姊)』潘客印(パン・カーイン)監督インタビュー
2022年8月21日
http://asianparadise.sblo.jp/article/189763607.html
2022/08/20
2022台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜革新と継承〜」第5回短編スペシャル『旅立ち(原題:姊姊)』『ゴッドハンド(原題:手事業)』『聞いちゃいない(原題:講話沒有在聽)』見応えたっぷりの三作に絶讃の声!
http://www.asianparadise.net/2022/08/post-4e5a26.html
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