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2025/04/21

台湾映画『河鰻』香港国際映画祭でアジアプレミア

0421eel1 長年、現代アートシーンで活躍してきた朱俊騰(チュウ・シュンタン)の初の長編監督映画『河鰻』は、第75回ベルリン映画祭のコンペティション部門「パースペクティブ」にノミネートされ、香港国際映画祭でアジアプレミア上映されました。
このアジアプレミアには、朱俊騰監督と主演のの潘綱大(パン・ガンダー)と柯泯薰(クー・ミンシュン)が出席。
朱俊騰監督は、アジアとヨーロッパの観客は映画を見る視点が異なるため、今回この映画を香港に持ってくることは非常に意義深いことだと語り、香港のファンとのコミュニケーションや議論を楽しみにしていたそうです。
プレミアには、シンガーソングライターで主演の柯泯薰のファンが多数来場、彼女の初めての映画主演にみな興味を持っていました。


※写真はサムネイルをクリックすると別ウィンドウで拡大表示します

0421eel2 柯泯薰はこの映画を引き受けた理由を尋ねられると、「オファーを受けたとき、ちょうど困難と人生の選択に直面していました。脚本を読んで生と死の循環というテーマにすぐに魅了され、プロットの中のいくつかの大胆な試みにも非常にやりがいを感じました」と語っています。
ファンの中にはベルリンから香港まで追いかけてきて、彼女のアルバムを映画祭に持参する人もいたそうです。
柯泯薰は感動し、ファンにこう語りました。「ファンの皆さんがこの映画を観て、アイドルを追いかけるのではなく、映画を観るという視点で、映画が伝えたい救いを見つけてくれたらと思います。」


0421eel3 もうひとりの主役潘綱大は「ベルリン上映と比べると、アジアでの上映は確かに距離感が近いですね。観客の目が明るく澄んでいて、とても印象的でした。皆さんが慣れ親しんだ言語で質問したり、率直に話してくださり、とてもリラックスした雰囲気でした」と語りました。
驚いたのは、香港では誰も自分のことを知らないと思っていたのに、金馬奨最優秀新人賞にノミネートされた主演映画「ガッデム 阿修羅(原題:該死的阿修羅)」が香港で公開されたため、映画を通じて知っている人がかなりいたということでした。


0421eel4 そして、監督から出演依頼があった時、脚本の表紙に「ラブレター」という言葉が書かれていたことを明かしました。この映画と役柄はこれまで経験したことのない境地に導かれるだろうと感じたので、ためらうことなく出演を引き受けたそうです。
「10年前、"アートセラピー"という言葉を耳にしました。当時は、病気ではないけれど治療が必要だと感じていて、演技を理解しようとし始めました。それからずっと演技の仕事をを続けてきて、この映画に出会い増した。ベルリンでのプレミア上映から香港に来て、この映画での演技はまるで"アートセラピー"のようなプロセスなんだと気づきました。観客の皆さんも、映画を通して私たちと一緒に癒されたらいいなと思っています。」



『河鰻』は、台北近郊の社子島を舞台に、謎の女性と道を見失った男の出会いを描いた物語。
二人は霧に包まれた荒涼とした社子島で出会い、忘れ去られた物語を少しずつ明らかにしていきます。この映画は、ユニークな視覚言語を通じて、消滅しつつある基隆河と淡水河が交差する場所に位置する砂州「社子島」に焦点を当て、二人の感情と環境の変化の関係性を探ります。


『河鰻』
監督:朱俊騰(チュウ・シュンタン)
出演:潘綱大(パン・ガンダー)、柯泯薰(クー・ミンシュン)
2025年下半期に台湾で公開予定

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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